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酒都西条の地で、吹奏楽と作曲・編曲(……と、ちょこっと仕事)に勤しむラッパ吹き根魚のブログ
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♪ #60: 新しいドア / 槇原敬之



本日仕事帰りに吉野家に大行列が出来ていて、
何かと思ったらソフバンかどっかのキャンペーンらしい。
食物に対して「たかだか」って表現は使いたくはないのですが、
普通に買ってもたかだか数百円の牛丼目当てに、
一体何十分何時間待つことになるの?って思っちゃう大行列。
そりゃ無料は魅力的だろうけど、それと引き換えにどれだけ無為な時間を過ごすことになるかというところに考えが向かないのかなぁって、
なんだか哀れな気持ちになってしまいました。
ていうかロードサイドの店舗だから単純に渋滞して迷惑だし。

1月の中頃にもこんなことがありました。
帰りにマックスバリュ寄ったらまだ明るい夕方だってのに、駐車場は異常に車で溢れ、駐輪場にも大量の人が群れている。
一体何の騒ぎかと思ったら、何のことはない、みんなポケモンGOしてやがんの。
邪魔なんだよ、クソゲーマーどもが。
駐輪場に群がるバカ共を「邪魔なんじゃボケ!」とか言いながら
急発進急停止を繰り返しながらかき分けてました。
別にいい大人がゲームやろうが個人の趣味なのでどうこう言うつもりはないですが、
せめてルールとモラルは守ってやってくれませんかね。
ていうかおれだったら、たとえ自分がポケモンGOやってたとしても
いい大人があんな公共の場でスマホ持って居もしないポケモン捕まえるゲームに興じてるなんて
傍から見てどんだけ風が悪いか考えちゃってとてもじゃないけど無理。
他人からの評価を必要以上に気にしてしまうおれにとっては、
自分が周りからどう見られてるのかに対して無神経な人って精神的に強いなと思います。もちろんイヤミです。
そういう人になりたいとは思わない。

愚痴終了。



さて、2019年です。

今年は年明け早々ショッキングな報せがありまして、
自分の考え方や今後の人生について色々と考えさせられる機会になりました。
とりあえず言えるのは、姉が無事結婚してくれたことで安心しきって
もう結婚のケの字も考えようとしていないおれは親不孝だということ。



さて、本日帰宅すると注文していた2019年度課題曲のフルスコア集とCDが届いておりました。
早速それぞれ5回ほど聴いてみての印象を一言二言。
あくまで個人的な印象で書いてますのでご了承を。



Ⅰ:「あんたがたどこさ」の主題による幻想曲 (林大地)

いや、かっこいいね。好き。
もともと存在する童謡や民謡の旋律を使った変奏曲的な課題曲はこれまでに以下のものがある

1978年B カント (さくらさくら)
1978年C ポップス変奏曲「かぞえうた」 (数え歌)
1979年C 幻想曲「幼い日の想い出」 (ずいずいずっころばし)
1980年C 北海の大漁歌 (ソーラン節)
1981年B 東北地方の民謡によるコラージュ (南部牛追唄、荘内おばこ、津軽じょんがら節、南部二上り甚句、ほか)
1991年B コーラル・ブルー 沖縄民謡「谷茶前」の主題による交響的印象 (谷茶前)
1993年Ⅱ スター・パズル・マーチ (きらきら星、スターウォーズのテーマ、星に願いを、ムーンリバー、組曲「惑星」より「火星」、七人の刑事)
2003年Ⅱ イギリス民謡による行進曲 (グリーンスリーブス、アニーローリー、埴生の宿)
2009年Ⅰ 16世紀のシャンソンによる変奏曲 (若い娘〔原題:Une jeune fillette〕)
2014年Ⅲ 「斎太郎節」の主題による幻想 (斎太郎節)

こうして見ると結構多いことがわかる。特に80年前後に多い。
他にも、

1980年A 吹奏楽のための花祭り
2000年Ⅱ をどり唄

このあたりは旋律自体はどこまで元ネタがあるのかは詳しくないが、
元ネタにあたる伝統芸能は存在する。

こうして見ると、この系統の課題曲は結構当たり外れが激しい。
というかイマイチなのが多い。
その中にあってこの曲は出色と言ってもいいんじゃないでしょうか。
中間部は、課題曲ではないですがちょっと『落夏流穂』に近い香りを感じてしんみりします。
打楽器奏者らしい打楽器への思い入れというか書きっぷりも好印象。
難易度的にも曲想的にも敬遠されそうな要素はないので、
演奏時間の点で選ばれやすいマーチ相手にも(選択団体数的な意味で)結構いい勝負するんじゃないかと予想します。


Ⅱ:マーチ「エイプリル・リーフ」 (近藤悠介)

ごくごくオーソドックスな課題曲マーチ。
一応言っておくが、おれは「よくあるオーソドックスな課題曲マーチ系統」というだけで
「この曲はイマイチ」とか判断することはない。
あくまで自分が好きか嫌いかだ。
その証拠に前回記事でブルースカイとか虹色の風とかがランクインしてたでしょ?
この曲はTrioまでは結構いい雰囲気かなと思ったが、Trio以降でちょっと失速したかなぁと思う。
Trioはちょっと「ゆかいな仲間の行進曲」のTrioに雰囲気が似てる気がする。
ていうかかなり似てる……よね?これいいのか?


Ⅲ:行進曲「春」 (福島弘和)

いいね。こういう2拍子で比較的落ち着いたテンポのブリテッィシュスタイルのマーチ好きです。
裏打ちがある部分と前打ちのみになる部分が入り混じってて、
前打ちのみの部分は前述のイギリス風マーチの持つ重厚さや荘厳さが、
裏打ちが入ってくると軽やかで爽やかな「春」っぽさが、それぞれ感じられる。
2012年の「よろこびへ歩き出せ」にちょっと近い雰囲気というか、
行進曲ながらあまり鳴らす感じの曲ではなく、横方向への躍動感とでも言いましょうか、
どちらかというとずっとシックなムードで進むタイプの曲です。

でもやっぱり福島氏にはマーチじゃなく非マーチを書いてほしかった思いはありますね。
「稲穂の波」とか「道祖神の詩」の頃はまだ全然駆け出し時代だったでしょうし、
あれから多くの曲を書き第一線に立った今、委嘱されるほどの存在になった福島氏にとっても、
課題曲というのはある種「原点」でしょうから、
そこに今の氏がどんな曲を書いてきてくれるのか、楽しみではありましたから。
までも福島氏なら年齢的にもこの先何回か課題曲委嘱は回ってくるでしょうから、
次回以降も楽しみに待っていたいところです。


Ⅳ:行進曲「道標の先に」 (岡田康汰)

こっちのマーチは1分試聴の時の期待感そのままに最後まで行ってくれた。
単におれがハチロクマーチが好きなせいかもしれないが。
Trio以降もハチロクマーチ特有の推進力を保ったまま進んでいく。
マーチでは特にTrio以降に感じがちな旋律の無理矢理感もなく、作曲者のメロディメイカー的センスを感じる。

ただ一つ気になったのは、
曲の冒頭あるいは前奏で使用された印象的なフレーズ、パッセージを
ラストでもっかい登場させるパターンのマーチがあるじゃないですか。
課題曲でいえば、「夢と勇気、憧れ、希望」とか「ラ・マルシュ」とか「ブルースカイ」とか「光と風の通り道」とか「青空と太陽」とか、ああいうヤツ。
で、この曲もその系統なんですけど、
この曲に関してはそこの部分がなんか蛇足に感じるんですよね。
一旦終わりそうな雰囲気を見せてから改めてそのフレーズに入るので、ちょっと違和感が…。


Ⅴ:ビスマス・サイケデリアⅠ (日景貴文)

事前情報なしでこの曲聞かされたら、絶対田村文生作品だと思ってたに違いない。
作曲者が田村文生に影響を受けているのかは知りませんが、
もうハンパじゃないくらいの田村臭。
ていうか日景貴文と書いて「たむらふみお」と読むんですか?ってレベル。
もしくは諏訪雅彦(本名:佐藤正)パターンとか。

そんなわけでワタクシが今日ご紹介する説はコチラ!

「7/8拍子でミュートトランペットを含む管楽器群が吹き鳴らしてる後ろで、
カウベル、タムタム(withトライアングルのビーター)、ボンゴ(with木製スティック)、チュブラーベルがワチャワチャ演奏されていたら、田村文生の曲っぽく聞こえちゃう説」


まあ冗談はさておき、マジで世界観が田村インスパイア、いや、もはやオマージュの域。
そのせいか知らないけど、田村作品好きなおれはこの曲好きだわ。
Ⅴ枠の曲にしては雰囲気が「陰」より「陽」寄りの曲だと思うし(個人的な感覚では2010年のスケルツォ以来かも)、
現代曲としては、田村チックな和声のどぎつさの割にはかなり聴きやすい曲ではないでしょうか。
もちろんスコアのイカツさは並大抵ではないし、
数回流し見ただけではまだ全然追いきれないほど濃く手ごわいゲンダイオンガクなのですが、
Ⅴ枠の曲としては久しぶりに「これは絶対読み込んでみよう」と思える曲でした。


あくまで個人的なコメントですが、こんな感じでしょうか。
あと個人的な点で、今年の課題曲は地味に初めてのことがありまして、
委嘱の福島氏を除き、公募で選ばれた4作品の作曲者がなんと全員おれより年下です。
これは地味にショック。おれもうそんな年とっちゃったの?今年で30だもんなぁ。
ていうか、委嘱枠はたちまち置いといて、公募入選者が全員20代ってのも課題曲史上初なんじゃないかなぁ。
昔よくあった、課題曲4曲中公募入選枠が1枠か2枠しかないみたいな年は除いてだけど。
いや、調べたわけじゃないので普通にあるかもだけど、
少なくともおれが現役で追いだしてから(2002年度以降)はなかったはず。
フレッシュでいいじゃないですか。
Ⅰの作曲者は普通にⅤとかⅣの作曲者とお知り合いだと呟いてた気がするし(尚美関係)、意気投合してそう。
ていうか尚美関係者すごいな!



ところで、2020年の課題曲の委嘱枠は宮川彬良氏に決まったらしいです。
これは非常に楽しみですね。
個人的にもいつか委嘱枠で来てほしかった作曲家の一人でしたから。

本人のメディア露出度のせいもあるのか、比較的ポップス色も強い作曲家ではありますけど、
ガチガチのクラシカルなのも書きますから。
課題曲ということでそっちで来るのか、
それとも課題曲というイメージを打ち破るハッチャケ系で来るのか、震えて待ちましょう。


で、前回記事で書いた当たり年うんぬんの件ですが、
おれ的には2010年代では一番の当たりかなーとは思います。
絶対的評価では悩むところですが、2010年代に限れば相対的には一番かな。
やっぱり各賞1位の曲(Ⅰ枠とⅤ枠)の出来がいいと一気に映えてくる感じはしますね。
5曲1組のパッケージが全体的に引き締まるというか。
あと、「この1曲さえ良ければなあ」のパターンの「この1曲」がマーチならまだしも、
非マーチがそれに該当しちゃうと一気に残念になるというのもあるあるかと。
やっぱり非マーチが1曲でもこけるとデカいよ。
(2010年度がそのパターン。うちなーのとこが良ければこの年は全体的にかなり良かったのでは。)

2010年度以外で全体的にいい線行ってる(逆に言えば惜しい)と思うのは、
2012年度(さくらのうた、よろこびへ…、じゅげむ、希望の空、香り立つ刹那。じゅげむが期待外れだった)かな。
2016年度は全部門枠の非マーチが2曲とも(スペインの市場、ある英雄の記憶)素晴らしい出来だったと思うが、
マーチがあんまりだったのとⅤ枠の印象が薄すぎて…。


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♪ #59: Appreciation / 槇原敬之



前回の記事のアップ日、12月31日だってさ。


2017年の。


1年以上ほったらかしにしてました。
その間ものぞきに来ていただいた方、どうもすみませんでした。

昨年4月に雇用形態が変わり、人生初のボーナスがもらえる身分になったのですが、
その分仕事も増えて忙しくなったせい……とは言いたくないのですが、
なんとなく億劫になってしまってました。

昨年は西日本豪雨でおれの生まれ育った町も甚大な被害を受け、
幼いころから慣れ親しんだ景色が一変、言葉を失うような壊滅的状況になってしまいました。
幸いおれの実家や姉一家の家は直接的な被害はほぼなかったようですが、
こんな形で自分の地元が全国ニュースのトップで連日報道されることになろうとは夢にも思っておらず、
改めて自然の前には人間がいかに無力かを見せつけられるばかりでした。
今もまだ避難生活を余儀なくされている方も多く、
そのような方にとってはまだまだあの災害の起きた日から時は止まったままなのかもしれません。
とはいえ、少しずつではありますが復旧に向けたニュースも耳にするようになっています。
失ったものは多いし完全に元に戻ることは叶わぬことでしょうが、
全ての人がまた前を向いて笑える日が来ることを願うばかりです。


あと昨年残念だったニュースといえば、なんといってもトップリードの解散、
というよりトップリード新妻の不祥事です。
何やってんだよ全く…。



さて、例年通り今年も2019年度課題曲のフルスコア集とCDの注文をし、
先日吹連HP上で冒頭1分の試聴ができるようになりましたが、
2019年はかなり久々に当たり年なニオイがプンプンしますよ。
冒頭1分の試聴段階で「なんかつまらなそうだな」と感じる曲が1曲もなかったのはいつぶりだろうか。
少なくとも2010年代では初めてですね。
個人的に現時点で最後の当たり年は2006年度(架空、一章、パルセイション、海へ、密度)だと思ってるので、かなり久々の感覚です。
スコアとCDが届いて全部聴けたときにどう思ってることでしょうか。

でもホントにここ数年、1分試聴を聴いても「ふぅん…」以上の感想がなく、
スコアとCDが届いて改めて全部聴いても「なるほどね…」となり、
スコア眺めながら聴くなんてのはその一回こっきりって曲も多かっただけに(特に行進曲)、
「もう当たり年は来ないんじゃないかも」なんて感じることもあったので本当に嬉しいし、今すごく楽しみです。
応募料1万円ぶんどるようになった効果かしら(笑)


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さて、平成が終わります。
ちなみにおれは平成と同い年。平成を愛し、平成に愛された男です。

というわけで、ありがとうそしてさようなら平成スペシャル企画!
平成の30年間を前中後の10年ごとにわけ、
それぞれの期間での課題曲を振り返ってみようと思います。
ただまあ、全部振り返ると大変なので、
3期ごとに個人的に好きな課題曲トップ10を選定してみようと思います。
(星マークは独断による難易度)




【前期: 平成1年(1989)~10年(1998)】 〔全41曲〕



それ以前も毎年委嘱作品以外の課題曲は公募で選出されていたが、
平成2年(1990)に朝日作曲賞の作曲コンクールが設けられ、
翌平成3年(1991)以降の公募入選による課題曲は全てこのコンクールで選ばれるようになった。

また、課題曲4曲すべてが全部門選択可能になった1978年から長らく続いてきた、
非マーチ曲2~3曲(A、B(、C))とマーチ1~2曲((C、)D)という組み合わせが平成4年(1992)で一旦終了し、
翌平成5年(1993)からはマーチ(奇数年)と非マーチ曲(偶数年)を隔年で交互に配置するというシステムに変更された。(平成19年(2007)まで)
それに伴い、ABC(アルファベット)表記だった課題曲のナンバリングは平成4年(1992)で廃止となり、
平成5年(1993)からは現在のⅠⅡⅢ(ローマ数字)表記に変更された。

上記のように、課題曲のシステム部分で大幅な変更がいくつかあった時期。
また、特にこの期間の後半の偶数年は、課題曲史上でも屈指の長い曲が集中しており、
その高い難易度とも相まって、以降の課題曲公募要項に影響を及ぼした(演奏時間の短縮化、難易度の抑制)とされる。

いわゆる駄作、凡作と感じるような曲もほとんどなく、
個人的には、昭和時代も含め課題曲史上一番の黄金期はこの時期だと思ってます。



〔1位〕 1992年 課題曲B: 吹奏楽のためのフューチュリズム (阿部勇一  /  ★★★★☆)

阿部氏のごくごく初期、というか出版されている中ではいちばん最初の作品なのではないでしょうか。
おれがまだウィンドで企画を担当する前、
当時の企画担当者から定期で採り上げる過去の課題曲で何かいいのないかなと相談され、
「フューチュリズムやりましょう!」と強く推し、実際に演奏したこともある。
多調かつ変拍子(規則的だけど)というややクセのある曲だが、
独特の拍感や旋律とバッキングの絡み、中間部の美しい歌い上げなど、
聴くだけでなく演奏していても楽しい曲。キツかったけどね。


〔2位〕 1994年 課題曲Ⅱ: パルス・モーションⅡ (川崎美保  /  ★★★★☆)

これも実際にウィンド時代に演奏したことがある。
こちらは自分が企画として採り上げた曲だったが、まあパートによって難易度や目立ち具合の格差が著しい譜面だった。
当時の感想にも書いたが、コンクールの場でチョイスするにはコワすぎる曲。
聴く分には楽しい曲だが、典型的な地雷曲。


〔3位〕 1989年 課題曲A: 風と炎の踊り (小長谷宗一  /  ★★★☆☆)

おれが生まれた年の課題曲。
4分ないくらいの短い曲なので、前半の「風」はともかく、後半の「炎」の踊りが一瞬で終わる。
5分とは言わないが、せめて4分半くらいにして、
炎の部分をもう少し長くとってくれたらなぁと思わないでもない。
低音、打楽器パートが楽しそうな曲。
旋律の絡みが非常に複雑で、スコア見ながら聴くとすごく楽しめる。
トランペット的には2回ある丸裸のソロが絶妙にイヤな跳躍で恐ろしい。


〔4位〕 1992年 課題曲A: ネレイデス (田中賢  /  ★★★★☆)

タイトルにネレイデスとある通り、水を思わせる表現が緻密で多彩な曲。
水面が揺れたり突如飛沫を上げたり、波紋が次第に間隔を広げ落ち着いていく様子などの描写が異様に作りこまれている、紛れもないプロの仕事。
8位のカタロニアもそうだが、昔の課題曲にはSサックスが標準編成に組み込まれているものが時々あり、
この曲も特に前半の緩部はサックスパートの豊かな表現力にかかっている。
3分半少々の短い小品(しかも前半2分弱はほとんどソリスティックな印象)ながら、短さやそれによる物足りなさを全く感じさせない極めて充実した内容。
とはいえ難易度はかなり高く、後半速くなってからはスコアも結構黒くなる。
動きが細かくダイナミクスレンジも要求されるので、確かな技術やパワーがないと曲にならない。


〔5位〕 1998年 課題曲Ⅰ: 童夢 (松尾善雄  /  ★★☆☆☆)

課題曲に採用回数単独1位の松尾氏(実に7曲!うち朝日作曲賞2回、朝日作曲賞(Ⅴ枠)1回)の作品。
2019年の課題曲Ⅰ(朝日作曲賞)は「あんたがたどこさ」をモチーフにした曲だが、
この童夢も作曲者コメントで「あんたがたどこさ」のリズムや歌い方に言及されている。
ちなみにこちらも課題曲Ⅰで朝日作曲賞だ。
実は中3のときにコンクール自由曲として演奏したことがあり、
それまで学校になかったハーマンミュートを買うきっかけとなった曲である。
予算の都合なのか各パート1つずつの3つだけだったが。
ちなみにこの曲も、この2年前の同氏による『クロマティック・プリズム』も、
トランペットはストレート、カップ、ハーマンという3種のミュートを全部使う。ミュートマニア歓喜。
ソロがあるパートがかなり多いくらいで技術的にはそこまで難しいわけではないが、
特に終盤はパワー、スタミナ切れを起こしやすく、とても疲れる。
クロマティック同様、低音、打楽器パートまで含めどのパートも楽しめる曲。


〔6位〕 1996年 課題曲Ⅳ: はるか、大地へ (上岡洋一  /  ★★★☆☆)

演奏時間というのは、団体ごとの細かいテンポ設定の違いによって多少は上下するものだが、
課題曲においては、そのトップ3はほぼ間違いなく饗応夫人、雲のコラージュ、そしてこのはるか、大地へである。
これらの中で順位の変動はあるだろうが、トップ3はほぼ確実にこの3曲である。
雄大な大地を思わせるのびやかでちょっとセツナ系の旋律が印象的だが、
主旋律より対旋律、バッキングの方が難しい曲で、
曲想のわかりやすさ親しみやすさに比して意外と手ごわい曲だったりする。


〔7位〕 1989年 課題曲B: WISH for wind orchestra (田嶋勉  /  ★★★☆☆)

課題曲にこれまで4回(非マーチ2曲、マーチ2曲)採用されている田嶋氏による最初の課題曲。
切迫した変拍子の中間部を、涙を誘うように歌い上げられるバラードでサンドした3部構成。
課題曲の田嶋作品としては飛びぬけて若いころの作品だけあって(次が2004のエアーズ)、粗さもを感じる部分もあるのだが、
このバラードのセツナ具合が実に好みで、個人的にはマーチ含めこの曲が一番好きだったりする。
間に8分休符を挟んだスタッカートつきの8分音符2つがスラーで繋がれている、という
地味に解釈、表現の難しい記譜が出てくる。


〔8位〕 1990年 課題曲C: マーチ「カタロニアの栄光」 (間宮芳生  /  ★★★★☆)

民俗音楽研究家である間宮氏の本領が存分に発揮された作品。
リディア旋法、ミクソリディア旋法などの教会旋法が使用され、異国感マックスの不協和音が妖しい魅力を放っている。
トランペットが酷使される曲の代表格で、オクターブを超える跳躍が平気で書かれており、
特に3rdは2拍の間で(9度上昇→オクターブ上昇)と、跳躍連続技、都合2オクターブ以上もの上昇を強いられる箇所もある。
ハイトーンも大概だが、そもそも課題曲でトランペットにローFなんか要求するかね…。


〔9位〕 1991年 課題曲A: 吹奏楽のための「斜影の遺跡」 (河出智希  /  ★★★★★)

記念すべき第1回の朝日作曲賞受賞曲にして、
これまでの同賞受賞曲の中で最難度の曲。譚詩より難しいと思う。
現代曲なんだけど、ロックのような推進力とエネルギーに満ち溢れた曲なので
比較的に聴きやすい部類の曲だと思う。
とは言え演奏する側にとってはとんでもない曲なのは間違いなく、
異国情緒感じる不協和音、細かい刻み、超速テンポ、ハイトーンなどなど、
難しい要素てんこ盛りの屈指の難関課題曲。
あと、この曲の最後の最後にあるトランペットソロは、
トランペットソロとしては個人的には課題曲史上一番難しいと断言できる。
わずか2小節のソロとは言え丸裸だし、
このクソ難しい曲の本当に最後の最後なのでプレッシャーも半端ないし、
何より譜面(目)と音源(耳)の印象が一致しないのでまず理解が追い付かない。
これまで何度も聴きながらスコアを追っているが、
その速いテンポとも相まって、一度もスッキリできたことがないのだ。

余談だが、この曲の英題は、『Stones in Time』である。
英題も作曲者自身がつけるのだが、なんだかわかるようなわからないような意訳だなあといつも思う。
邦題の「斜影」の意味するところは?などもそうだが、
こういう、「本意は作曲者のみぞ知る」みたいな背景を勝手に想像するのが好きだし楽しい。


〔10位〕 1997年 課題曲Ⅲ: 五月の風 (真島俊夫  /  ★★★☆☆)

この年の他のマーチ(ライジング・サン、夢と勇気…、ラ・マルシュ)がどれも若干クセのあるマーチだったせいか、
課題曲ではやや敬遠されがちなハチロクマーチにも拘らず、驚異的な人気を誇った曲。
あまりにも完成度と吹きやすさ親しみやすさのバランスが素晴らしかったためか、
このマーチの登場以降、
課題曲のハチロクマーチは常にこの曲と比較される運命を背負わされるようになった。
簡単に言えば、この曲と同じくらい好き、あるいは質が高いと感じたなら、
その時点でその曲はその人にとって当たり認定される。といった具合に。
それほど、課題曲のハチロクマーチの代表格と言える存在になっている曲。
ちなみに真島氏はこの曲含め課題曲には3回選ばれているが、
意外にもすべて公募入選による選出で、委嘱は一度もなかった。
もう少し存命であれば、もしかしたら数年後に委嘱されていたのかもしれないが…。




【中期: 平成11年(1999)~20年(2008)】 〔全46曲〕



課題曲システムに大きな変化があったのは平成15年(2003)。
この年から吹奏楽の発展を意図した(要は難しい現代曲の)課題曲Ⅴが新設されて選択肢が5曲になった。
とは言えこの時代の課題曲Ⅴはまだ大学・職場・一般部門限定の通称「18禁」であったため、
全国の吹奏楽演奏者の大部分を占める中高生には縁がなく、
曲名や内容はおろか、存在自体知らなかったという人も珍しくなかっただろう。
特に創設初年度の課題曲Ⅴである『列車で行こう』は、
地区予選まで広げても全国で演奏した団体はわずか数団体のみという(詳しい数字はわからないが、5団体もいなかったように思う)少なさ。
その後年を経るごとに徐々にⅤに挑む団体は増えていき、
最初からⅤ以外は興味ねぇと言わんばかりのチャレンジング精神溢れる団体もちょこちょこ見られるようになった。

この期間は最後の平成20年(2008)を除き、
マーチと非マーチが隔年で採用されていたので、
同じ年に4曲か5曲の行進曲、ないしは非マーチの曲が選択肢として配置されていたことになる。
現在のような、「一つの年にマーチと非マーチが2曲ずつ(と超難度の現代曲が1曲)」という形式より、
「選択肢が4つあるなら1曲はこういう曲があってもいいだろう」といったような、
冒険的な選曲(演奏者の段階でなく、公募審査の段階での選曲という意味)がしやすいのは明白で、
特に行進曲においては、現状のシステムより個性的、尖った曲がちょこちょこ選ばれていた印象。
一方で非マーチ曲に関しても、非常に粒ぞろいというか、上質の曲が揃っており、
偶数年はほぼ全て当たり年といっても差し支えない、恐るべき時期だった。

ちなみに、もしも川村昌樹氏の『風の島 ~吹奏楽のための詩曲~』が平成12年(2000)の課題曲になっていたならば、この期間どころか全課題曲の中でこの曲が1位である。



〔1位〕 2008年 課題曲Ⅳ: 天馬の道 ~吹奏楽のために~ (片岡寛晶  /  ★★★★☆)

上記現状のシステムに移行した初年度の課題曲。
和風なのか異国感なのかそれとも無国籍風なのか、ハッキリどれともいえない不思議な響きを感じさせる曲。
全編にわたって好きなのだが、その中でも個人的お気に入りは、
テンポ速い部分の、最初木管で演奏されていた主旋律がその後もっかい出てくるときに
今度は金管群のエネルギッシュで躍動感に溢れたカウンター旋律が一見主旋律に聴こえるところ。
ティンパニの合いの手も実に効果的でいちいちカッコいい!
場面転換が豊富かつハッキリしており、人によっては散漫、中途半端と感じるかもしれない。
打楽器専攻の作曲者らしく、打楽器の使い方や書き込みに並々ならぬこだわりが感じられ、
地味に打楽器パートがとても重要な役割を担っている。


〔2位〕 2006年 課題曲Ⅱ: 吹奏楽のための一章 (堀内俊男  /  ★★★★☆)

広島県東南部の某県立高校に在籍していた(当時)先生による作品。
(特にⅤ枠以外は)標題音楽が多い課題曲の中にあって、珍しいガチガチの絶対音楽。
でもカタクルシイ感じではなく、おもちゃ箱をひっくり返したような実に楽しい世界観で、
モチーフとしていろいろ変形、展開される「ッタラタッタッタンタン」の細かな音型も、
ちょっとコミカルで可愛らしい印象を与える。
かなり短い周期で(事実上の)転調を重ねており、そのせいで臨時記号の嵐。
普通はあまり見られない音と臨時記号の組み合わせ(Aに♯とか)だったり、
鳴る音自体は同じだけど、同じ箇所なのにパートによって記譜を変えて書かれて(F♯とG♭など)いたりと、
音楽上の都合ながら嫌らしい要素満載の曲。

この曲はおれが高校2年の時の課題曲なのだが、
当時通っていた高校がコンクール会場から近いこともあって、
自分たちの本番が終わった後の日程は、部員たち総出でスタッフとして駆り出されていた。
力のある男手は高校吹奏楽界では貴重なので必ず搬入口か搬出口に配置されていたのだが、
おかげで聴こうと思えばすぐ舞台袖に行って他団体の演奏を聴けたのである。
なので当時会場でこの曲を演奏する団体をかなり聴いたのだが、
短い序奏の後、テンポが速くなったとこのミュートラッパのあのフレーズを完全にきれいに吹けていた団体は一つもいなかったと記憶している。
その少しあとのホルン1stの信号ラッパのようなファンファーレも同様で、
こういった落とし穴が随所に登場するチョコザイな曲だったように思う。
でもなんだかんだで吹いてても楽しそうな曲ではあるとも感じる。
何度か出てくる、メインテーマのカウンターとなるトランペットによるファンファーレも
王道のカッコよさ。まさにトランペットの面目躍如といった感じ。
短いスパンでフレーズ同士が複雑に絡み合っているのでアナリーゼも曲作りも難しい曲だが、
何も考えずスコアを眺めるぶんには非常に面白い曲である。


〔3位〕 2002年 課題曲Ⅱ: 追想 ~ある遠い日の~ (岡田宏  /  ★★★★☆)

「poco rit.」の登場回数は課題曲史上おそらく一番多いのでは?
そういうテンポの揺らぎにより、繊細さ、心の揺れ動き、記憶の扉を開くような不安定で儚げな様子を描写しているのだろうか。
とにかく、不用意に触れるとハラハラと形を失い姿をなくしてしまうような、
とってもデリケートな緊張感が終始支配する作品。
課題曲にも泣きメロは数あれど、
この曲の、特に前半と後半に調を変えて2回出てくる、テンポが速い部分の旋律は
その中でも最もセンスを感じるものの一つだと思っている。
この音の次にこの音、そしてその次にこの音、という選択が常に最善手というか(それはいわゆる「完成度が高い」のだろうが、そういう表現ともまた違う気がする)、
聴き手の心をダイレクトに的確に突いてくるように思うのだ。
前に書いたことある気がするけど、そのテンポ速い箇所は、校正の参考演奏くらい落ち着いたテンポの方が絶対いいと思う。
楽譜通りのテンポだと忙しない印象で、
アルバムを開いて在りし日の出来事に想いを馳せるというより、
高層ビルから落ちちゃって地面に激突するまで走馬燈がサーっと流れていくような(あくまで例えです)音楽に聞こえちゃう気がしてなんとも…。


〔4位〕 2006年 課題曲Ⅰ: 架空の伝説のための前奏曲 (山内雅弘  /  ★★★★☆)

世の中可愛いは正義とか言われてるけど、やっぱり無条件でカッコいいも正義だよ。
形態としては前奏曲というより完全に序曲なのだが、そんなのどうでもいい。
「前奏曲」という語感のワクワク感、タイトルからにじみ出る厨っぽさも逆にカッコいい。
この曲はプロローグのウッドブロック+シロホンの乾いた硬質な響きや、
テンポ速くなってからのあのメインテーマなんかが印象的ではあるが、
個人的には中間部が一番好きだったりする。
中間部入ってすぐにAサックスとクラで奏でられるあのフレーズ、
ベタと言われようが、あのわざとらしいほどの泣きメロがタマランのですよ。
そのあと盛り上がって中間部のヤマでもっかいそのフレーズが再現される箇所で
トランペットとホルンにより放たれるカウンターがまた助演男優賞レベルに素敵でタマラン。
この平成中期の課題曲Ⅴを除いた曲の中では技術的な難易度が一番高い曲だと思う。


〔5位〕 2007年 課題曲Ⅳ: マーチ「ブルースカイ」 (高木登古  /  ★☆☆☆☆)

Trioの旋律が『パフ』に似ていると一部で話題になったマーチ。
中高生にも親しみやすい旋律、3分ないくらいの短い演奏時間、手ごろに取り組める難易度、
『K点を越えて』の流れを汲むお手本のような低グレード帯課題曲マーチである。
旋律は第1マーチも第2マーチもカッコいいというよりメロディアス寄りで、
爽やかで透き通った印象を強く与える。
テンポは少々速いものの、マーチ入門編として紹介してもいい良心的な譜面の割に、
意外と何度聴いても飽きないというのは地味に凄い。
曲とは関係ないが、当時作曲者のHPのプロフィール紹介で見た、
作曲者の名前の由来(登古でトウコ、男性)を見てすげえなあと唸った記憶がある。


〔6位〕 2000年 課題曲Ⅲ: 胎動の時代  ー 吹奏楽のために (池辺晋一郎  /  ★★★☆☆)

形だけ完成させるなら委嘱枠の曲にしては技術的にも曲想的にも割と取り組みやすい部類の曲だと思うけど、
後半の速い部分含めて終始緊張感をピンと張りつめていないので精神的にキツそう。
ソロが多いのと、全体的に音が薄く書かれているのが敬遠されがちなポイントかな。
後半速い部分の伴奏3連符は自分が吹く側だと考えると嫌になる。
典型的なスルメ曲で、聴けば聴くほどどんどん新たな発見ができて楽しい曲。


〔7位〕 2006年 課題曲Ⅴ: 風の密度 (金井勇  /  ★★★★★)

個人的にこれまでのⅤ枠で一番好きな曲。
現代曲らしく意味不明なんだけど、なぜか妙な味わいがあって好きなのだ。
旋律同士の絡みはなく、1本の旋律を分割し楽器・パートごとに細かく受け渡して繋げていくという、
一見単純ながら実はとんでもなくハイレベルなことを要求してくる。
上へ下へと結構変な跳躍が連発するし、臨時記号だらけだし、
受け渡しが不自然に聞こえないよう奏者全員で足並みを完璧にそろえて初めて形になる曲。
打楽器が地味でなく普通に重責を担う。


〔8位〕 2004年 課題曲Ⅳ: 鳥たちの神話 (藤井修  /  ★★★☆☆)

場面転換がはっきりしており、それぞれに違った鳥の様子が見える楽しい曲。
最初と最後の讃歌っぽいコラールや、
前半少し経ったところの高温木管主体の、森の中の囀りみたいな箇所も美しいしかわいらしいが、
この曲はやっぱり何と言っても後半の、
マリオの地下ステージみたいな低音の轟きで幕を開ける箇所でしょう。
巨大な怪鳥の出現を思わせるあそこからの展開は、血沸き肉踊り、エキサイトすること請け合いだ。
一見リズムがとり難そうな譜割りだが、実際にはそこまでの難しさではないと思う。
ただ、底知れないパワーとスタミナは絶対必要でしょうね。
トランペットなど全く休みなく吹きまくった後そのまま終盤のコラールに突入ですから。
冒頭のユニゾンコラールも含め、トランペットの負担とプレッシャーが半端じゃない曲。


〔9位〕 2003年 課題曲Ⅲ: 行進曲「虹色の風」 (松尾善雄  /  ★☆☆☆☆)

ブルースカイと同様、入門編にも使える低グレード帯課題曲マーチ。
改めて見ると、意外と演奏時間が4分近くあることに驚く。
何の変哲もないマーチと言えばそうかもしれないが、
旋律、オブリガード、リズムそれぞれに無駄がなくスッキリしているぶん、
舐めてかかると粗が丸見えになってガタガタになる危険性も持っている。

余談だが、平成15年(2003)の課題曲は、
マーチのみの年としては史上最も難易度バランスがとれ、
タイプの違うバリエーション豊かなマーチが揃った曲構成になっていると思う。

Ⅰ:ウィナーズ……2拍子のコンサートマーチ。短調。旋律が複雑に絡み合う、上位バンドにとっても練習し甲斐のある難曲。
Ⅱ:イギリス民謡による行進曲……2拍子マーチ。歌モノ系でややアンニュイ。歩こうと思えば歩ける。あー、いかにも高橋宏樹がやりそうなネタだなってテーマ。ほどほどのグレード。
Ⅲ:虹色の風……2拍子の歩けるマーチ。明快でリズミック系。非常に取っつきやすい曲想で落ち着いたテンポ。
Ⅳ:ベストフレンド……4拍子マーチ。流れるようなメロディアス系。速いが歩こうと思えば歩ける。オブリガード楽しい。取り組みやすいグレードながら、4拍子の歩ける課題曲マーチとしては史上屈指の完成度。
Ⅴ:列車で行こう……4拍子マーチ。超難度でリズミック系とメロディアス系が混在。歩こうと思えば歩ける。パートによって難易度が大きく変動、最高難度は多分トランペット1st。

欲を言えばⅡかⅢのどっちかがハチロクマーチだったら最高だったかな。
でもマーチのみの年としては一番の当たり年だったと思う。
いや、平成11年(1999)の4曲(グリーンフォレスト、レイディアント、エンブレムズ、K点)もかなりバランスが絶妙で甲乙つけがたいな……。


〔10位〕 2004年 課題曲Ⅴ: サード (田渕浩二  /  ★★★★★)

課題曲Ⅴ創設後、非マーチとしては最初の曲。
ゆえにまだ最近のⅤ枠ほどはゲンダイオンガクという感じではなく、まだ多少は理解できる曲想に落ち着いている。
一聴するとⅤ枠にしてはそこまで難しくなさそうな印象を受けるが、
この曲の難しいところは、奏者一人ひとりがソリストにならなければならない点にある。
もちろん事実上そうということではなく、そういう風に演奏すべき曲であるということだが。
そういう意味では、平成8年(1996)の『管楽器のためのソナタ』に近いといえる。
もともとピアノ曲として作ったものを吹奏楽編成に書き換えたようなのでそうなったのだろうが、
音も薄くて緊張感MAX。現代曲なだけに多調で書かれているが、
旋律が繊細で美しいだけに濁らず聴かせるのが余計に難しく、極めて地道かつ緻密に音作りをしなくてはいけない。




【後期: 平成21年(2009)~30年(2018)】 〔全50曲〕



平成21年(2009)から、それまでは大職一部門しか選べなかった課題曲Ⅴが
高校の部に対しても門戸が開かれるようになった。
解禁初年度の課題曲Ⅴが現代曲としては比較的取り組みやすいレベルの曲だったこともあり、
待ってましたと言わんばかりに、全国の高校、特に上位バンドを中心にこぞって採り上げ、
以降の年も、結構低くない割合の高校がⅤに取り組んでいる。
特に若い世代が昔に比べると現代曲に触れる、演奏する機会が増えたのは、
そういった曲の増加というだけでなく、こういった課題曲のシステムも大きく寄与している。

ただ個人的には、課題曲全体の質としては下降気味と感じる期間でもある。
特に非マーチの曲に、これまでほど出色の作品がないなという印象がある。
だいたい2年ごとに1枠ある有名作曲家への委嘱作品も、
この期間のものは地味だったり尖りすぎてあんまり馴染めなかったり、
この人にしちゃ期待外れだなと感じてしまったりするものが多いとも思う。
結果的に、この期間の課題曲はマーチ含め、好きな曲とそうでない曲の差が大きい傾向がある。




〔1位〕 2016年 課題曲Ⅲ: ある英雄の記憶 ~「虹の国と氷の国」より (西村友  /  ★★★★☆)

これはカッコいい。問答無用のカッコよさ。
実にヒロイックで分かりやすく、華もあるタイプの課題曲。
幼稚園で園児が作ったオリジナルストーリーの劇に、
「こんないいストーリーの劇に既存の曲をあてるのは勿体ない。じゃあいっそ俺が曲を作る」
なんつって書いた曲を、その後4分少々の吹奏楽曲にまとめて公募入選とか、
なんかもうその経緯で1時間の番組作れそうだわ。ていうか見たい。
低音、打楽器パートも満遍なく楽しそうな曲だが、
ラッパ吹きとしてはやっぱり終盤の『Soar!』からだよね。
ここはもう自分こそ最高のソリストなんだと自惚れて吹くくらいじゃないとウソだね。
そのままの勢いで最後まで突っ走り、最後の3連符(低音だけだけど)でカッコよく締める。
言葉はいらない。ただシビれるのみ。
とは言え特に後半テンポが再び速くなってからは、トランペット基本ずっと吹きっぱなしなのでかなりキツイんだろうな。


〔2位〕 2014年 課題曲Ⅱ: 行進曲「勇気のトビラ」 (高橋宏樹  /  ★★☆☆☆)

個人的には課題曲マーチ史上一番好きまである。(実際にはかなり悩むが)
何と言っても、「歩こうと思えばまあ」ではなく「当たり前に歩けるマーチ」でこれってのがデカい。
コンサートマーチならある程度テンポ的、表現的自由度もあるけど、
歩くためのマーチでダサさを感じさせず耳心地のよい、かつどんなバンドでも取り組める曲を書こうと思ったらどれだけ大変か想像に難くない。
(別にコンサートマーチのほうが書くのは簡単だよねとか言いたいわけではないですよ)
あと、この曲を初めて聴いたとき、「ああ、実に高橋宏樹だな」って思ったんだけど、これも凄いことで、
この若さで既に自分のスタイルを確立しているともいえる。
個人的に高橋宏樹は、100点はないけど安定して85点を叩き出すタイプだと思っており、
例えば7月ごろに発表される次年度の課題曲5曲の中にこの人の名前があれば、
「あ、とりあえずこの曲は大丈夫だな」と思える存在。
まさに安心と信頼の高橋宏樹作品といえる。

ちなみに高橋氏の課題曲作品はこれまでに4曲ですべて行進曲。
2003年 Ⅱ 『イギリス民謡による行進曲』(2/4拍子マーチ)
2005年 Ⅲ 『ストリート・パフォーマーズ・マーチ』(4/4拍子マーチ)
2010年 Ⅱ 『オーディナリー・マーチ』(2/2拍子マーチ)
2014年 Ⅱ 『行進曲「勇気のトビラ」』(6/8拍子マーチ)
見事に拍子グランドスラム達成。一般的にマーチの拍子はこの4パターンなので、
高橋氏のことだから恐らく(間違いなく)狙ってやったんでしょうね。



〔3位〕 2010年 課題曲Ⅰ: 迷走するサラバンド (広瀬正憲  /  ★★★★☆)

これはかなりのスルメ曲だと感じる。
この曲が出た当時は実はあまり真面目に聴いておらず、数年経ってから面白さに気付いたのだ。
主部はテンポがかなり速く、その中で3連符を執拗に要求される(しかも同じ音が多いので慣れるまで合奏中に迷子になること請け合い)ので、
ある程度音楽的偏差値の高い団体でないと形にすらならない。
また主部は5拍子なのだが、これが3+2になったり2+3になったりで指揮も大変そう。
モチーフの変容(迷走)はさすがに多彩で美しいものがあるが、
そこに至るまでには数多くの演奏者による迷走は避けて通れないだろう。


〔4位〕 2012年 課題曲Ⅳ: 行進曲「希望の空」 (和田信  /  ★★☆☆☆)

この曲を聴いた当初、個人的には『五月の風』を超えるハチロクマーチ来たんじゃない?と思ったものだ。
明朗でシンプルな曲想だが、よくある課題曲マーチとは違う安定感をも感じさせる佳作。
この曲に関してはティンパニがオプション扱いなのが謎で、まあ打楽器パートの割り当ての都合なんだろうが、
それにしちゃ大阪市音(当時)による参考演奏では、
小編成で書かれている曲は小編成で演奏する(オプションパートは抜いて演奏する)という
参考演奏収録時の従来のルールを破ってティンパニ入れて演奏してたもんなぁ。
そりゃティンパニないとTrio明けブリッジから最後のマーチに移る時のあそこサマにならないけど、それならなぜ……と。


〔5位〕 2017年 課題曲Ⅱ: マーチ・シャイニング・ロード (木内涼  /  ★★☆☆☆)

最初に聴いたときはよくある課題曲マーチのうちのひとつとしか感じなかったが、
何度か聴くうちに実はなかなか侮れないクオリティの曲だと感じるようになった。
具体的に何故そうなのかはわからないが、
和音進行だったり展開が極めて自然なのかなとか思ったり。
どちらかと言えば薄めに書かれているが、その分無駄がなくスッキリとした印象を与える。
また、リズム的対位法というか、絡み合う旋律同士の性格の違いがクッキリしていて互いに引き立てあって聞こえるのも好印象。
さわやかで親しみやすい曲想も素晴らしく、全部門に通用する良いマーチだと思う。


〔6位〕 2017年 課題曲Ⅰ: スケルツァンド (江原大介  /  ★★★☆☆)

これもどちらかと言えば自分的にスルメタイプだった。
初めて聴いたときは、「あれ、もう終わり?」と少し物足りなさを覚えたのだが、
1年以上経って真面目に聴くと楽しさに気付いた。
物足りないととるか無駄がないととるかは相変わらず微妙だけど、
スッキリ整理された書きぶりは潔さを感じる。
あと、江原氏がこういうタイプの曲を書くのは少し意外だった。


〔7位〕 2009年 課題曲Ⅱ: コミカル★パレード (島田尚美  /  ★★★☆☆)

これはウィンド入団直後のコンクールで実際に吹いた曲。
その時は特に思わなかったのだが、結構独特なマーチだし、実はなかなか難しい部類の曲だなと。
割と薄い書き方がされているし、動きが複雑に絡まりあったり、
主旋律にあたるパートが頻繁に入れ替わったりする箇所もあるので
パート間のバランス調整に難儀しそう。
テンポに関しても、リズミックで細かい音符での動きも多い第1マーチ(および再現部)は走りやすく、
レガートでのびやかな旋律のTrioは間延びしやすい譜面になっている。
よくある課題曲マーチとは似ているようで一線を画す、小洒落た雰囲気のマーチと言える。


〔8位〕 2016年 課題曲Ⅰ: マーチ・スカイブルー・ドリーム (矢藤学  /  ★★☆☆☆)

全国に数多存在する日曜作曲家たちの希望の星。
作曲者のホームページの熱心な読者だったおれも祝福の気持ちでいっぱいだった。

だったのだが、この曲の採用により作曲者によるホームページが一時閉鎖され、
この曲が課題曲として役目を終えたころに復活したものの内容が大幅削減されており、
それまでの記事内容がすべて消されていたのが残念でならない。
しかも復活後の記事は主に自作曲の紹介くらいで、従来のようなマイナー曲の解説とか
マニアックな視点による考察とか、そういうのは一切なくなってしまった。
作曲者と無関係の人間からすると、こんなことになるくらいなら入選して有名になってほしくなかったなと本気で思ってしまう。
響宴の無名作曲家による作品紹介記事とか、歴代課題曲から理想の組み合わせを考える記事とか、
天馬の道の速い部分は本当に3拍子でよいのか検証する記事とか、
をどり唄の最後の和声について考察する記事とか(これに関しては初めてをどり唄を聴いたときに最後の和声に違和感を持った記憶があるのですごく興味深く読んだものだ)、
その他にも色々興味深く読ませてもらい、とても楽しくそして勉強になったのだが…。


〔9位〕 2018年 課題曲Ⅱ: マーチ・ワンダフル・ヴォヤージュ (一ノ瀬季生  /  ★★☆☆☆)

最初聴いたときは、なんとなく時代を感じる音がするなと感じた記憶がある。
決して古臭いなというマイナスイメージとかではないのだが、なんとなく。
Trio後のブリッジが少し平坦な印象で、そのせいで第2マーチが3連続で演奏されているように聞こえてしまうのが少し勿体ない気がする。
旋律自体は少しずつ変化を見せてはいるのだが…。


〔10位〕 2014年 課題曲Ⅰ: 最果ての城のゼビア (中西英介  /  ★★★★☆)

ぶっちゃけ中間部の速い部分を聴きたいがために聴いている(!)
とは言いすぎだが、それだけそこが際立った出来であるということだ。
「映画の予告編のような」と作曲者が語る通り、音楽がブツ切りに聞こえる感じは否めないが、
それにしても人気なかったなぁ。
まあ取っつきづらさに加えてチョコザイな譜面で難しかったせいもあるのかな。
旋律がハッキリとしてなくいろんなパートのいろんなフレーズが組み合わさって初めて1本の旋律に聴こえるタイプの曲な分、
何曲か候補残してある程度練習して合奏して、
最終的にどれやるか決めるような団体には選ばれづらかったのかもね。

クラシック界、吹奏楽界ではだいたい批判的なニュアンスで使われる「ゲーム音楽風」音楽で(個人的には、「ゲーム音楽の何が悪い!」)、
タイトルとも相まって西洋ファンタジー的な世界観なのかと思いきや…?

詳しくは、作曲者自らが曲の背景について詳細に書き綴っているサイトがあるので、
興味を持たれた方は是非一読されることをお勧めします。
こうした実際の作曲者によるコラムは、課題曲マニアとしてはとても嬉しいもので、
他の先生方もどんどん公開してくれるといいなあと思っている。




以上、これにて平成終了記念企画は終わりです。
次の投稿はいつになるやら。

辞めはしませんのでどうかたまに覗きに来てやってください。

♪ #58: いちばんきれいな星 / 島倉千代子


正月に『君の名は』が地上波放送されるらしく、
それに向けてという意味合いで、過去の新海作品も放送されるという話を聞いたが、
君の名はで初めて新海作品を見た人が軒並みズコーとなるに10万ペリカ。

いや、何がくるのか知らないけどね。雰囲気だけは好きなんだけどね。

とはいえ、日本人ていうのは主体性がない民族ですから、
君の名はを絶賛しまくってる層の中にも一定数いるでしょうね。
本当に好き、面白いと思ってなくても乗っかっちゃったりバイアスかかって見ちゃう人は。
何年か前にアメトーークの『児嶋あそび』の回で
おぎやはぎの矢作がアンジャッシュ児嶋のことを
『人がいいって言ったものがいいし、自分がいいなんてものは何一つない』
とバカにしてましたが、これは意外と日本人という民族の核心をついた発言ではないでしょうか。


こんにちは。大変ご無沙汰しております。


更新サボっている間に、コナンの「あの方」がついに判明しました。
とはいえ、もう10年くらい前から予想サイトでの筆頭候補でしたし、
作者の発言(『(53巻時点で)もう原作に名前出てる』『阿笠博士じゃない』)や
作中での表現や言及(老齢のピスコが「長年仕えた」、「組織は人を生き返らせる研究を…」云々等)から絞り込むとそんなに難しい予想でもなかったですしね。
しかも名前は判明しても結局は、「じゃあ今はその人物が誰に変装して(誰として)存在しているのか」という謎は残ったままなので、
実質的に進展はあまりないようなものかもしれません。
まだラムが誰かもわかってないしね。


さて、前回更新時からアタクシにも色々と変化がおきました。


変化その1・東広島ウィンドを辞めました

大学2年になった平成21年の4月に入団し、
以降、企画担当も務めさせてもらった時期もありながら活動してきましたが、
企画を降りた今春4月から半年休団させてもらってる間に色々考えた末、
10月に正式に退団届を提出してきたのです。

どういう経緯でこのような決断に至ったかをツラツラ書くのも野暮だし、
自分としてももう一回そこの部分を振り返るのも嫌なので、
ここではノーコメントとさせていただきます。

好みや各人のカラーがあるとはいえ、
今春から企画になった人の選曲に関して壮大にツッコみたい部分もあったりするんですが、
ここに関してももう自分には何の影響も及ぼさないので
静観を決め込みたいと思います。
現企画の人とあんま親しくないしね。ほとんど絡んだことないから考えもわからんし。
そもそも団員がそれで何も言わないってんなら
もう外野のおれがとやかく言うことでもないですからね。
というか辞めた今となっては、どうなろうが心底どうでもいいので。


ということで、最近土日の時間をすごくゆったり使えてます。
ここ数年ほとんど行けてなかった釣りにも何度か行けたし、
トランペット吹く機会がなくなったのは残念ですが、
これからは作編曲に没頭できる時間も増えそうですし。

そういえば、退団って別に団員の前で
「辞めることになりました」みたいな発表するわけではないので、
11月ごろにある団員から職場の忘年会で使うためにと編曲を依頼された際に、
『えっ!根魚さん辞められたんですか?』と驚かれたもんです。
盟友Jungleとか同じパートの人とかには自分から話してましたが、
それ以外の団員にはいつ伝わりきるのか不透明で変な気分なんですよね。
自分からすすんで伝えて回るもんでもないし。
大部分の団員にはお世話になったり仲良くさせてもらったので、
最後に挨拶しときたいという気持ちも多分にあるのは間違いないのですが……。

しかしそれでも今までと変わらず編曲の依頼をしてくれたりして
本当にありがたいです。
個人単位でウィンドに嫌気がさしたわけではないので、
こうやって付き合いを続けてもらえるというのは救われる気分で、
それに応えられるよう、オレも頑張らなきゃと思えるのです。

そういえば、ウィンドを辞めたことを告げた際に先の団員からはいの一番に、
『根魚さんおらんくなったらこれから定期の演出どうなるんですか?』
と言われたのですが、この言葉はやっぱり嬉しかったですよ。
ペットの演奏技術に関してはパート内底辺のオレが抜けたところで痛くもかゆくもないでしょうが、
演出についてはやはり難航気味なようで、
今春一緒に企画を降りたはずなのに、
定期の演出一切を現企画担当から押し付けられたらしいJungleが先日オレに電話をかけてきて、
『演者としてだけでも乗ってくれんか?』
と言ってきた。
いや、他の団員からどう思われるよ。オレそんなハート強くないから。
もうあの舞台でコントできないのは大変心残りではありますけど。


最後に余談ですが、
ウィンドでの演奏活動を辞めたことで、
今後は『市民吹奏楽団でトランペットを吹いてます』という自己紹介が使えなくなってしまいました。
特に年上や年配の相手にはウケがよかったアピールポイント、趣味だったので、
この技が使えなくなったというのは少し痛いのですよ。


そういえば、東広島のとある自動車学校(オレが通ってたとことは別)が、
学校のテーマソングを募集してるのを偶然知ったので、
作詞は初挑戦ですが賞金10万円につられて応募してみようかとも思ったのですが、
ちゃんとしたコンクールとかじゃないので、
提出するのが楽譜ではなくて、CDなんですよね。
自分で歌ってもボカロかなんかに歌わせてもいいとは言ってますが、
ボカロ持ってないし、自分で吹き込もうにも録音機材ないし、
Allegroには歌詞をメロディーに乗せて歌わせて再生させる機能はないしで
やっぱり無理だなぁと諦めました。

ここ数日サビのメロディーを何パターンか考えてたんですけどねぇ…残念。


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変化その2・ついにガラケーからスマホに替えました

ついにです。
まあ、社会全体が、「ガラケー民にはネットのサービス受けさせんぞ」ってな方向に
猛ダッシュしてますから、ここらが潮時、っつーか限界でしょう。

アンドロイドかiPhoneか、という選択は、
そこまで使い込むつもりはない(カスタマイズとかなにそれ美味しいの?)こと、
そして姉夫婦…というかほぼ義兄(姉の旦那)が、『iPhoneなら教えられるよ』と言ってくれたことから、iPhoneに決定。

ケータイ会社は、今までずっとソフバンユーザーでしたが、
今は古参ユーザーより新規ユーザーの方を大事にする方針のようで、
ソフバンがそういう態度をとるならdocomoでもいいか、ということに。
ちなみにauが選択肢に入ってないのは、昔のイメージでなんとなく避けただけです。

家と職場、原付で10分しかかからない道中に
ちょうど都合よくソフバンショップとドコモショップが
互いを牽制するかのように交差点の斜向かいに建っているので、
仕事帰りに何度か2つのショップを行ったり来たりしながら見積もり等してもらった結果、
おれはドコモに魂を売る決断をしたのでした。
というか総額でドコモは本体代をほぼ半額にしてくれたのに、
ソフバンは割引ほぼなし(約10万)なら考えるまでもないです。


そんなこんなで10月某日、ついにスマホがわが手中に。
さっそく翌日の休日に姉夫婦の家に赴き、初期設定や使い方一切のレクチャーを受けました。
これで来シーズンからは出先で野球速報がチェックできる。
姉夫婦んトコの猫の可愛い画像や動画をキレイな画質で堪能できる。でへへ。
長年欲しかったデジカメも、これがあればもういらないかな。
なんか面倒だったりなんだりでここまでガラケーで粘ってましたが、
面倒な移行作業が終わった今となっては、スマホにしてよかった。
そう思えていました。


さて、スマホ購入から1か月も経たない11月某日、
とある日曜の昼下がり、ふとスマホから新着情報の音が。
OSアップデートしろと、ふむふむ。
じゃあしとこうかとOKを押して、しばらくほっておいたのち、
ふとスマホを見ると、なんだか様子がおかしい。

画面がものすごいスピードで切り替わりながら、
勝手に文字を打ち込んでネットで何か検索したり、電話帳からランダムに電話をかけようとしたり、設定を変更したりと、もうやりたい放題の大暴走。
慌ててとりあえず電源を切ろうにも、
タッチパネルが効かなくなって電源すら切れない。
PCで検索すると、「ゴーストタッチ」と呼ばれる症状のようで、
急いでドコモショップへ向かいました。
日曜だから人が多いけど、言ってみれば急患みたいなものだからちょっと優先してくれないかなぁ(←勝手)
なんて願いが届くはずもなく、ようやく呼ばれて症状を見せ、
裏へ持っていかれてほどなく、
「ウチではちょっとどうにもできないので、アップルショップで見てもらってもいいですか?」

出ました。iPhoneの難点。
国内メーカーじゃないからこういうことが起こったときは面倒だとは聞いてましたが…。
さらにショップの店員は続けて、
「ここからだと一番近いのはイオンモール広島府中店ですね」
うわー最高にメンドくせぇ。
この時点で日曜日の夕方16時。
日曜日の夕方以降に遠出することほどメンドくさいことはない。なんせ原付だぞ。

でもまあ考えてる場合でもなく、直る可能性はそこにしかないわけで、
テンションだだ下がりで市内へ。
日曜日なので普段より閉店時間が早く、閉店30分前になんとか到着。
時間の関係で今日のうちにどうにもならないかも…と言われましたが、
なんとか見てもらえることに。
がしかし、オレのミス(ドコモ、アップル、icloudそれぞれのID&パスワード混乱)により
結局その日は何も進展しないまま西条へとんぼ返りするハメに。

翌月曜日、定時ピッタリで職場を飛び出して再びソレイユへ。
ショップで技術者の人にディスプレイを開いてみてもらったりした結果、
「どうにもならん」ということで修理へ。
ディスプレイ交換されて1週間後に戻ってきましたが、
幸いこちらに過失のない初期不良だったため修理代は請求されず。
アップル相手なのでこれでも幾らか請求されるんじゃないかとヒヤヒヤしとりましたので安心しました。

とはいえまさか自分が、しかも1か月も経たんうちにこんなことになるとは思ってもいなかったので、
バックアップなどとっておらず、
購入時はショップでササッと移行してもらったアドレス帳も、
この1か月で姉から送ってもらった猫の写真や動画も全部消えてしまい、
義兄の協力を得て変更した諸々の設定もフラットに戻ってしまい、
その代償はそこそこ面倒なものとなってしまったのでした。
皆さん、もしものことはいつ起きるかわかりませんので、
バックアップはこまめにとりましょう。


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話は変わりますが、「NHKみんなのうた」ってあるじゃないですか。
うちは昔実家で親がそれを録画してくれてて、いくつかテープに残ってるのでよく見ており、
その時代(90年代前半が多い)を中心に、結構思い入れのある曲も多いんです。

それで、あれの公式サイトがあって、
そこでいくつか動画が見れたり放送スケジュールが見れたりするんですが、
再放送してほしい曲をリクエストできるようにもなってるんですよ。

みんなのうたは、2か月単位くらいで曜日ごと放送する曲が変わるんですが、
新曲枠のほかに、リクエスト枠、お楽しみ再放送枠みたいなのもあって、
採用されればそこで再放送してもらえるというわけです。

で、実はオレはもう7年くらい前から
ハガキ職人よろしくそこにしつこくリクエストし続けてる曲があるのです。

その曲は、島倉千代子さんの、『いちばんきれいな星』という曲です。
演歌じゃないよ。普通にみんなのうたのしっとり系を踏襲したような曲です。

この曲も実家のテープに現存してる曲のうちの一つなんですが、
まあ基本NHKって版権に異様に厳しいじゃないですか。
だからみんなのうたって、メジャーな歌手のタイアップみたいな扱いじゃない限り、
動画サイトにアップされても片っ端から削除されててあんまり見つからないんですよ。
それでも、その歌手のアルバムとかに収録されてるならばそれを入手すれば聴けるんですが、
この曲は島倉さんの全アルバム探しても未収録なんですよね。
多分初めからNHKとそういう契約だったんでしょう。

だから再放送にすがるしかもう聴けないってことで、
(実家に帰ればテープはあるけど多分もうデッキがない)
何年もしつこく書き込み続けてました。

ところでこの曲、今は好きですが昔はそこまで特に好きな曲というわけではありませんでした。
どうでもいいってほど無関心だったわけでもないですけど。
曲ももちろんですが、
みんなのうたってアニメーション込みな部分あるじゃないですか。
実写の場合もあるけど、
アニメーターさんごとに色んなカラー、タイプのイラストも見どころで。

で、昔はこの曲は特別好きなわけではなかったと言いましたが、
この曲のアニメーションは昔から好きでした。
少女と子犬が登場するのですが、
とてもほっこりして可愛らしい(この場合の「可愛らしい」は、所謂最近のアニメにブヒブヒしてるオタク受けとかではなく、サンリオ系の可愛らしさとでも表現しましょうか)、
暖色系の世界観がなんともいえず好きだったんです。

それがもう一度見たくなってリクエストを始めたわけなんですが、
苦節7年、今年の10月11月のリクエスト再放送枠で、ついにこの曲が選ばれたのです。

……ということを11月30日に知りました。

もうなんというか不覚というか迂闊というか、
ちょくちょくサイトのチェックはしてるんですが、
この10月11月というのは、ウィンド辞めたりスマホ買ったりと、
何かと身辺が慌ただしかった時期ということで、
たまたまチェックしてなかったのです。

いや、別にオレ以外のリクエストに応えただけかもしれませんが、
なんかNHKさん、申し訳ないですホントに。
また7年後くらいに再放送してもらえませんかねぇ。

あ、ちなみにこの曲自体は、
昨年2016年にみんなのうた55周年を記念して出されたアルバムに初めて収録されました。
なので今後は聴くだけならそちらを利用されるとよいですね。
原曲(放送)通りの版で収録されてるのかは知りませんが。


みんなのうたといえば
個人的にも思い入れのあるコンテンツなので、
好きなものをいくつか紹介するつもりだったのですが、
時間の都合でそれはまたの機会にさせていただきます。


それでは皆様、2017年も当ブログをご愛顧いただき誠にありがとうございました。
更新頻度はご覧の有り様で今後も続くと思われますが、
2018年もたまに覗きにお越しくだされば幸せです。

それでは、どうぞよいお年を。






♪ #57: Flare / PARQUETS


「ジャズトランぺッターの日野さんが中学生を殴った」という見出しのニュース見たけど、
やっぱマスコミってクソだわ。
こんな見出しで報じてるから日野さんが一方的に悪いのかと思って内容見たら、
殴られたという中学生がただただバカなだけでした。
まあ殴ることがいいかと言われればそれはまた別の問題だけど、
せっかくみんなが一生懸命練習してきた演奏を
バカガキ一人のオナニーアドリブでぶっ壊されたらそりゃ頭にくるわ。
プロアマ問わずああいう突然のアドリブソロみたいなの時々見るけど、ありゃ全部事前に打ち合わせた演出だからね。
無計画に突然ああいうの始めるバカはさすがに初めて聞いたわ。
しかも映像観たら、殴られる前にスティック取り上げられてるのに、構わず手で叩きだすという暴走ぶり。
ちょっと頭がアレな子なのかもしれないね。割と本気で狂気すら感じたよ。
まあバカガキはいいとして、
コメントや報じ方見てると、マスコミも、この件についてコメントしてた観客も、みんなおかしいよなぁ。
まともなの日野さん一人だけじゃねーか。
でもマスコミ様がすべて正しい。それに背くものは悪く報じてやる。
それが日本という国なんですよね。情報をむやみに鵜呑みにする視聴者も含めて程度低いよ。


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太陽フレアの話題で盛り上がっておりますが、それより今は北の国ですよ。
水爆に電磁パルス攻撃にと、相変わらずの沸きっぷりを発揮しておりますが、
先週だったか、ミサイルを発射したってニュースが流れたじゃないですか。
あの日の夜、確か21時前くらいかな。
近所のスーパーから帰る途中の夜空に、メチャ明るい流れ星を見たんですよ。
いや、流れ星っていうか、サイズ的にあれはもう隕石のレベルでしたわ。
よくある「なんたら流星群」とかの流れ星とか比じゃないくらいの視認サイズ。
緑色っぽく燃えながらかなりハデに流れてたので、それはもうビックリしましたよ。
一瞬ミサイルかと思って本気で戦慄しました。

で、すぐに帰宅してYAHOOのリアルタイム検索で「隕石」とか「流れ星」とかで検索すると出るわ出るわ。
みんなツイッターで報告しまくってる。
同じように「ミサイルかと思った」なんて声も、タイミングがタイミングなだけに当然多かった。
もしかしたらあの程度の隕石が観測されるなんて別段珍しいことでもないのかもしれないけど、
肉眼であんな凄いモノを見れるとは、実に貴重な経験になりました。


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こないだ市内で職場の飲みがあったのですが、
その流れで、スナック?スタンド?キャバクラ?
厳密な分類がよくわかりませんが、ともかくそういうお店に初めて連れて行ってもらいました。
まさか自分がこういう店に行く日がくるとは(笑)

まあ別にイヤラシイお店ではないですからね。(そもそもこちら側に女性がいる)
「ママ」がいて、「○○ちゃん」と呼ばれてるホステス(というのかな?)がいて、
小さい机をコの字に囲むようにソファーが配置してある、あのよくあるイメージのまんま。
ホステスの年齢自体は高めでしたが(だからこそ?)、普通に楽しかったですよ。
そういうケがなくてもゲイバーは楽しいってよく言うじゃないですか。あれと同じ。
ママは昔銀座で店をやってたらしく、九星占術で色々見るのが得意とのことで、
色々運勢やらなんやらも見てもらいました。


で、宴もたけなわ、お開きになって帰り道でのこと。
オレはぐでんぐでんになった職場の先輩(女性、翌日は子どもの運動会のため早起きして弁当作らなきゃならん状況らしい)を介抱しながら
終電1コ手前の電車に乗り込んだのですが、
途中、海田か安芸中野あたりでオレが座っていたそばの扉から乗ってきた人が、
乗るやいなやそのままオレの目の前の床にドターンと仰向けに卒倒。車内騒然。
車両内にある緊急停止ボタンみたいなの押される場に初めて遭遇しました。
若い女性がすぐに車掌さんを呼んできてくれ、
白目剥いてヤバそうに見えたそのオッサンはただ酔っぱらっていただけと判明。
その後15分くらいは連絡やら処理やらでバタバタしていましたが、なんとか無事に発車。
何事もなくてよかったし休日前だから飲みすぎるのもわからないではないけど、
だから酔っ払いってのは迷惑だし嫌いなんだよ。
本人はいいかもしらんが周りが全部被害被るんだから。


ちなみにこの日は当然カープの試合を見れなかったわけですが、
この日のカープは薮田が今季2度目の完封勝利。
ちなみに1度目の薮田完封勝利の日も、結婚式に行ってて見れなかったのです。
去年からは地上波で中継ない日もネットで試合見てるので、
試合を見れない日というのはほぼほぼないのですが、
数少ない見れない日によりによってという持ってなさに涙。

というわけで薮田クン、どうかお願いします。
今日(←14日に書いてます)優勝決められなかったので、
16日、相手は苦手のライアンだけど、オレに最高の誕生日プレゼントをください。

とはいっても、中止濃厚かな。
まあ下手に強行して怪我人出たりしてもいかんし、
何よりソフバンとの同日優勝を避けるという意味でも、紳士協定的なね。
(ソフバンは猫屋敷での試合だから交通機関が死なない限り多分中止にならない)

でもホントは今日決めときたかったよなぁ。
翌日試合ないし、2軍選手も参加できるのは今日しかなかったわけだし、
何より3連休前に決まるのと明けて決まるのじゃ、経済効果数十億単位で変わりそう。
まあ優勝セールに台風通過が重なっても経済的損失デカいのは変わらんか。
みんな台風が悪いんや。



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キングオブコントのファイナリストが決まりました。


応援していた芸人のうち何組かが、準決勝どころかまさかの準々決勝落ちしてて悲しい。
前回記事で名前を出していた以外でも、犬の心なんかは今年また上がってくるんじゃないかと期待してたんですが、
やはりKOCは攻めてくれる。謎の芸人が来るとやっぱりワクワクしますよね。


ということで、以下抽選で決まった出番順に


1.わらふぢなるお    (初)
2.ジャングルポケット  (3年連続3回目)
3.かまいたち        (2年連続2回目)
4.アンガールズ      (初)
5.パーパー         (初)
6.さらば青春の光    (2年ぶり5回目)
7.にゃんこスター     (初)
8.アキナ           (2年ぶり3回目)
9.GAG少年楽団      (初)
10.ゾフィー         (初)       


いやー……攻めたねぇ。
ラインナップ見てビックリしましたよ。
2012年や2014年のときの「視聴率いらないのかな?」感を上回るんじゃないですか。
今回のセミファイナリストの中から見ても、
例えばしずるとかジャルジャルとか入れとけば視聴率は多少とれるだろうに、
それをしないKOCのこのガチンコ感は、M-1以上に好感持てる点ですね。


で、ザッと見た感じで予想すると、順当にいけばジャンポケかさらばのどちらかが獲るかなぁと。
ジャンポケは昨年も僅差準優勝でしたし、これに人気補正で客席の笑いが増えるだろうからなぁ(ため息)。

さらばは、準々決勝と準決勝観に行った人たちのレポ読む限り、ウケ量ではズバ抜けていたと。
ツイッターとかでファイナリスト発表前に進出者予想してる人たちも、
さらばを外してる人はいなかったと思う。それくらい圧倒的だったみたい。
個人的にはさらばのネタ好きなので応援したいんですが、
予選のウケ具合が必ずしもアテにならないのは2013年のさらば1本目『ROCK』で実証済みなので、
あまり過度に入れ込みすぎないように見ようと思います。
ただ出番順でいえばかなり有利な位置にいますからね。
6番目というのもそうだし、前も後ろも超変化球だけに、正統派で構成もしっかりしてるさらばの強みは際立つだろうし。
過去の所業のせいで、ネット界隈では何かと嫌われがちな彼らですが、
少なくともネタだけで見ればちゃんと評価されなくてはいけないコンビだと思うので、
過去最大のチャンスである今年、しっかり出し切ってほしい。


かまいたちも優勝可能性あるとは思うんですが、
1本目と2本目でネタのパターンをガラッと変える(1本目…天丼多様のシュールコント、2本目…積み上げ式のシチュエーションコント)、
そして2本目に持ってきたのが昔からある勝負ネタだった、
という去年のパターンが完璧すぎただけに、
それを上回らないといけないと考えると相当ハードル高いかなあと。


あと考えられる線は、GAGの爆発。
ここもやっと決勝上がれましたねぇ。
インスタントジョンソンと並んで長年セミファイナリストの帝王でしたが、
(というかGAGは過去に何度か選ばれてなきゃおかしい年があったわけで)
まさに悲願の一言でしょうねぇ。
順番的にも十分「有り得る」位置につけていると思いますし、
ファーストラウンド終盤にきての大波乱を期待したいところです。


アンガールズは、実は去年からエントリーし始めたらしい。
まあKOC始まったころはもう売れてたしねぇ。
何年か前に単独ライブの売り上げが以前より思わしくなかったようで、
「これはマズイ」と危機感を抱いて、出るようにしたのだとか。
巷では既に十分すぎる実績を築いているアンガの出場に対して、
「若手のチャンスを奪うな」みたいな声も一部に挙がっているようですが、
M-1と違って芸歴制限がない大会だって最初から決まってるんだから、見当違いの言いがかりというもんです。
そもそもアンガほどの実績なら、出場したのに決勝に進めないとなると逆に傷になるわけで、
そういうリスクをわかっていながらの挑戦は素直に称賛されるべきでしょう。
売れっ子になってテレビ出演が増えるあまり、ネタをやらなくなる芸人も多い中、
アンガのこの姿勢は本当に素晴らしいし、本当にお笑いが大好きなんだなあと思える。

出場理由についてもう一つ思い出したのが、
前にアメトーークだったかなんだったかで、
現状に満足している風な口ぶりの山根に対して田中が、
「オレはもっとお前と冠番組持ったりしたいんだよ」みたいなこと言ってた記憶があるんですよ。
多分そのこととKOC挑戦は無関係じゃないよなと思いつつ、
ポンコツ扱いされがちな田中のオトコを見せる格好の舞台なので頑張ってほしい。
というかアンガールズのコント見たことない人って絶対いっぱいいるよね。
ショートコントが有名だし面白いんだけど、長尺のコントも普通に面白いんだよ、アンガールズ。
松ちゃんもアンガールズのコントかなり評価してるから、
普通に優勝争いに加わってきてもおかしくないと思います。


アキナは、過去2回「ボール取れへん」でも、「鳥やん」でも、
安定はしてるし間の使い方なんかは上手いなぁと思うんですが、
イマイチ爆発力に欠ける印象。
ツボをつくキラーフレーズを放ったり、じわじわとおかしな世界に引きこんだりという芸風でないぶん仕方ない部分はあるんですが、
直前のにゃんこスターが恐らく場を荒らすことになりそうなので、
その流れで今回も地味な結果に終わってしまいそうな予感がヒシヒシと。


で、そのにゃんこスター。
ここだけはマジでコンビ名すら初めて聞きましたが、
それもそのはず結成4か月のコンビなんだそうで、wikiの記事もここ数日でやっと作られてました。
各々の芸歴自体はもっとあるんですが、それにしてもの快進撃ですね。
第1回大会の2700(現 ザ・ツネハッチャン)を思わせる審査員の英断…となるかは未知数ですが、
とにかく楽しみに待ってようと思います。

そういえばパーパーと同じく、女性のファイナリストは初ですね。
ただこれまでのM-1の審査見る限り、女芸人にやたら評価が辛い(嫌ってるんじゃないかのレベル)松ちゃんの存在が気になるところ。
まあこういうコンビは上位に食い込めなくとも、
強烈な爪痕を残して話題になれば、まずは大成功と言えるのではないでしょうか。
予選でやってたネタは、「キリンスマッシュ系」(2011年大会の2700のネタ。←ややこしい)とのことで、
場を荒らしまくってくれると楽しいなぁと期待をかけましょう。
去年のななまがりみたいな存在になってくれると予想。



ということで、決勝は10月1日日曜日。
楽しみにその日を待つことにしましょう。
♪ #56: 遠い世界 / アクアマリン


前回記事のタイトル、今回のに使えばよかった。
(一応、記事の内容と少しでも関係のある内容のものを選んでいます)


こんにちは。
PCがもう満身創痍なので、記事書きながら何度もタブ開き直しによる文章消滅の洗礼を浴びました。
こまめに保存しながら書いていたのですが、もうすごくイラついて仕方ない。
長々書いた前置きも全部消えてしまったのですが、
本編とは関係のない雑談なんで、もう書き直すのやーめた。心折れました。


さて、今回は前回予告した通り、
「採りあげたかったけど、結局できなかった曲」を挙げてみたいと思います。
中には難易度的な問題で初めから無謀、絶望な曲も混じってますが、
あくまで、「やりたい」という点に重視したラインナップになっております。

それではいってみましょう。



■ 過去の課題曲


まずは定期の第1部で毎年1枠ある、過去の課題曲の中から。
とはいえオレの在任中3回あった定期のうち、過去の課題曲から選んだのは1回だけ(第26回の『パルス・モーションⅡ』)で、
残り2回は、「公募入選しながらも課題曲には採用されなかった曲」を選んだのだ。
オレが企画になったらここに一番こだわるだろうと思っていた団員もいたかもしれないが、
こだわりすぎた結果がこれである。あさっての方向。
風の島もアルマリブレも、オレじゃなかったら100年経っても採りあげられないと思うので、
(アルマリブレにいたっては多分5万年経っても採りあげられてない。実質楽譜なかったわけだし)
これらに走ったことについては後悔してないし、個人的には満足しているが、
まあこんな風にこだわりすぎて、肝心の課題曲自体をパルスしかできなかったのもまた心残りである。

そんなわけで、自分が今後も企画を続けていたら採用したかった課題曲を挙げてみる。


① 吹奏楽のための協奏的序曲 (藤掛 廣幸  1976年課題曲B)

作曲家・藤掛廣幸の作品は、過去3度課題曲に選ばれている。
この曲と、『白鳳狂詩曲』と、『ロックン・マーチ』。
いずれも人気が高く、白鳳やロックンマーチは今でも時々採りあげられてるのを目にする。

ところでオレが藤掛廣幸という作曲家に初めて興味を持ったのキッカケは、吹奏楽ではない。
この作曲家、マンドリンオケの作品も多数発表しているのだが、
その中に、『星空のコンチェルト』という曲がある。
昔、まだ中学生だったころによくJ研という着メロを自由に投稿したり視聴したりできるサイトに入り浸っていたのだが、
その際にどうやってたどり着いたのか、この曲の着メロを耳にしたことがあり、
一瞬でその世界に引きこまれたのである。
遥か高い天空を彩るようなキラキラしたマンドリンやマンドラ系の独特の味わいもさることながら、
ひとつのモチーフを緻密に絡み合わせ(フーガ)、
無限の世界を表現するような奥行きのある音楽にハッとした記憶がある。

で、今から思えばこのようなフーガこそが藤掛作品の大きな特色なのだろうと思うのだ。
そう思えた大きな要因となったのが、この『吹奏楽のための協奏的序曲』である。
序奏部に続いて現れるフルートのソリスティックな旋律、
そしてそれを起点にして他の楽器が徐々に加わってゆく構成…。
これはかつて聴いたあの『星コン』をまさに思い起こさせる作り。
実際初めてこの曲を聴いたとき、
≪星空のコンチェルトに雰囲気が似ているな≫
と思ったのだ。(この時点ではまだ『星コン』=藤掛作品というのは知らなかった)

冒頭のホルンファンファーレや前述のフーガ部など、決して簡単な曲ではないし、
それ故に当時敬遠されがちで思い出補正的なものもなく(そもそも当時を経験した世代がもう少ない)、
今更この曲を採りあげるメリットは実際あまりないのかもしれないが、
時代の古さで知名度が低いだけで、未だに語り継がれる名課題曲の一つだと思う。
オレがかつて感じた、琴線に触れるあの感覚を感じてくれる人がいるかもしれないと考えると、
この曲をいまだ諦めきれないのである。






② 渚スコープ (吉田 峰明  1987年課題曲B)

すごくキレイな曲なんですよ、コレ。
課題曲にはあまりないタイプの曲なんだけど、
セピアな匂いを醸しつつも、フランス的な抒情性、色彩的な面を感じさせて実に洒脱。
個人的にもすごく好みのタイプで、
世間の評価も「隠れた名曲」というのが大方のようだ。

では、こんないい曲がなぜ「隠れた名曲」なのか。
課題曲というのは、吹奏楽人ならご存じの通り、
課題曲Ⅰ(昔のA)のパート譜の裏面に課題曲Ⅱ(昔のB)のパート譜が印刷されており、
同様にⅢ(C)の裏面にⅣ(D)、となっている。
で、この渚スコープ(課題曲B)の反対側には何が印刷されていたか、
答えは1987年課題曲Aの『風紋』である。
あの課題曲史に残る名曲とされる曲の裏面に、文字通り隠れてしまったのだ。
そんなわけで影が薄くなってしまった……は言い過ぎかもしれないが、
でもこのままひっそりと消え行くには惜しすぎる曲であるのも事実。
情緒的ながらも、全体的にソリスティックかつテクニカルな演奏が要求されるので、
コンクールの場でなくとも選ぶのに勇気がいる曲なのは間違いないが、
こういう作品こそ大人のバンドが本気で取り組むべき一曲であると言えよう。






③ ネレイデス (田中 賢  1992年課題曲A)

この曲は、もう何年か企画を続けていたら確実に選んでいた。
だが、少し時間を置く必要があったのも事実。
その理由は、まず同じ年のフューチュリズム(阿部勇一)をオレが企画になる前春の定期でやっていたから、
そして田中賢の曲で他にやりたい曲があったからである。
後者については、実際一度定期のプログラムに入れようとしたことがあるのだが、
諸事情により却下されてしまったので、
結果的に二兎を追って共に逃がしてしまった形となった。

「ネレイデス」とは、ギリシャ神話にでてくるネレウスとドリスの間にできた美しい娘たち(ニンフ)のことで、
この曲では海のイメージの象徴として名づけられている。
作曲者がかつてエーゲ海に浮かぶギリシャの島々を船でまわった経験から着想を得て作曲したというこの曲は、
船のデッキから見える刻々と変化していく波の姿や、
海の中に潜ったときの神秘的で魅惑的な美しい様子といったエーゲ海での感動的な体験を描いているのだという。

サックスを中心とした前半の「緩」の部分は、
アゴーギクやアインザッツといった、繊細な「揺らぎ」の表現が、
9/8拍子と3/4拍子が混在する後半の「急」の部分は、
ダイナミクスのメリハリと細かいパッセージへの丁寧なタッチがそれぞれ要求され、
技術・表現の両面において難易度も高い部類に入るが、
たった4分という短い小品的性格を持った曲ながら、
それを感じさせない密度の濃さと、既に熟練されている作曲者の手腕が光る逸曲。
これもどちらかと言えば大人のバンドだからこそ取り組みたい曲。






④ アルビレオ (保科 洋  1998年課題曲Ⅲ)

1998年と言えば、『童夢』と『稲穂の波』が大人気。
一方で半分ネタみたいな曲ながら、どんなレベルの団体をも受け入れる懐の深さを持った(?)『ブラジリアン・ポートレイト』も、
確かな存在感と強烈なインパクトを残した。
そんな3曲に囲まれ、ある意味では割を食ってしまった形になったのが、
保科洋氏への委嘱作品であるこの『アルビレオ』である。

アルビレオというのは、はくちょう座β星の固有名である。
代表的な二重星としても知られており、
金色の三等星と、青色の五等星がちょうど重なるように位置している。
その色合いからそれぞれトパーズとサファイアにも例えられ、
この一対は「天上の宝石」とも呼ばれており、
宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』にも、

≪眼もさめるやうな、青宝玉(サファイア)と黄玉(トパーズ)の大きな二つのすきとほった球が、輪になってしづかにくるくるとまはってゐました≫

なんてとりあげられている。
で、この曲である。
この曲は、性格の異なる二つのモティーフが、
あたかもアルビレオのように絡み合って進行していく構成となっている。
ということでこの曲は専らそれら二つのモティーフをどのような色に演奏し分けるか、
という点が基本かつ最大の課題(解釈および表現のポイント)となっている。
モティーフの片方はスタッカートとシンコペの効いた上昇音形、
もう一方はスラーでレガートの効いた下降音形という、まさに教科書的な対比。
愚直なまでに課題曲の何たるかを踏まえた作りで、さすが巨匠の仕事。

急緩急の急の部分、二つのモティーフの掛け合いを中心とした部分もいいのだが、
個人的には中間部のウットリするような、なんだか夢の中を漂っているようなあの独特の雰囲気がたまらなく好きなのだ。

ちなみにこの「アルビレオ」という星、
二重星という大きな特徴から他のジャンルや作品などでも題材にされることが多く、
例えばオレの好きなアーティストであるアクアマリン(天体や星座、自然、旅などを扱った歌を作る)は、
「Albireo」という曲を、結婚する知人のために作っている。
二重星であるこの星を、巡り合い、一緒になる二人に重ねているというわけだ。






⑤ 追想 ~ある遠い日の~ (岡田 宏  2002年課題曲Ⅱ)

ここらへんになると、オレもさすがに「当時を知る」時代になってくる。
とはいってもまだ2002年、中1なのでラッパを初めてまだ数年、コンクールに至っては初である。
この年の課題曲はどれも好きなのだが、
この追想は、「聴くにはいいけど…」って曲の筆頭だと思う。
実際に演奏した人が口を揃えて言うのは、「薄い」ってこと。
もちろん内容が、じゃなく、オーケストレーションが、ってことだ。
なんだけど別にパルスモーション同様、コンクールで演奏するわけじゃないし、
多少のリスクを抱える曲でも、昔から憧れる曲に挑んでみたいと思うのは当然の感情で、
それはこの曲に対しても変わらない。
コンクールじゃない(時間制限がない)からこそ、
当時のコンクールで続出した、時間を気にするあまり走りまくった演奏でない、
もっとこの曲の持つ魅力である「間」や「フッと音の消える瞬間」を楽しめる演奏が作れるのではないかと思うのだ。

※楽譜の指定テンポからいえば、むしろ東京佼成の参考演奏(下に挙げてる音源)が遅いくらいなのだが、
あれは公募の時点で時間を少しでも短くするために作曲者がやむなく指定テンポを上げたためで、
佼成の演奏テンポくらいがむしろ作曲者の本意なのではないか、とオレは思っている。







■ 課題曲以外


引き続いて、過去の課題曲以外の曲から。
⑫を除いて、すべて定期の第1部に組み込むことを想定した選曲となっています。


⑥ グローバル・ヴァリエーション (N. ヘス)

タイトルに「ヴァリエーション(ヴァリエーションズ)」(=変奏曲)とつく有名な曲が、吹奏楽には3つある。
『フェスティバル・ヴァリエーション』(C. T. スミス)
『セント・アンソニー・ヴァリエーション』(W. H. ヒル)
そしてこの『グローバル・ヴァリエーション』だ。
前者2つは、強豪校、強豪団体がコンクールや定期でちょくちょく採りあげているのを見るが、
『グローバル…』はそれら2曲に比べると、目にする耳にする頻度が極端に少ないような気がする。
だがオレは3曲の中でこの曲がダントツで好きなのだ。
難易度の問題ではないだろう(3つとも普通に難曲、むしろグローバルが一番マシ)。
考えるに、それはひとえに「使用打楽器の多さ」に起因しているものと思われる。その数実に30以上!
もちろん実際には別の楽器で代用できたり、簡単に手作りできたりするようなものもあるのかもしれないが、
使用楽器欄に羅列されている名前だけ見ても、
それがどんな楽器なのかすらわからないようなのがチラホラ。
これじゃあさすがにリスキーすぎて楽譜購入に踏み込めないってもんです。
他に、楽器欄には記されていないが、音源によっては(多分スペインの場面で)
アコーディオンだかバンドネオンだかの音が聴こえてくる場面もあったり……。

ただし、そこの問題さえクリアできれば、
難易度的にはウチの団体でもすげー頑張ればなんとか完成させられるはず。
個人的にすごくやりたかったことに加え、
最近になってどうも団員の中でこの曲を昔からやりたがってた人がいたらしき情報もあり、
しかもその人が問題の打楽器奏者ということで、
全面的に前向きな検討を得られそうという意味で、前述の問題もなんとかなったんじゃなかろうかという思いが今になって……。
ああ、悔しい。

この曲は、簡単に言えば
≪ロンドンを起点とした世界一周の旅≫ がコンセプトになっている。
冒頭、「学校のチャイム」としても有名な「ウェストミンスター宮殿(ビッグベン)のチャイム」がチュブラーベルによって再現され、旅は始まりを告げる。
その後、
フランス→スペイン→南アフリカ→エジプト→ロシア→インド→中国→オーストラリア→南アメリカ→アメリカ合衆国と順番に旅していき、
最後はアイルランドとスコットランドを経由して、イギリスに帰ってくる(ラストにも冒頭同様のチャイムがある)、といった具合。
わずか9分間の世界一周旅行というわけだ。
ちなみに出発地と帰着地がイギリスなのは、作曲したヘスがイギリス人だからである。

音楽に造詣が深い人でなくとも、
国ごとにその国を想起させる曲調、旋法、楽器が用いられており、
また「ヴァリエーション」の名の通り、恐らくはその国に実際ある曲を模したと思われる旋律もあり、
演奏する側だけでなく聴く人も大変楽しめる曲である。
国ごとのメドレー、あるいはオムニバスのような構成と思われるかもしれないが、
一曲を通してのメリハリやドラマチックな展開もしっかりと用意されており、
非常に内容の濃い銘曲。これできたら楽しかっただろうなぁ…。






⑦ スパークリング・ダイヤモンドダスト (飯島 俊成)

全体に透明感が感じられる、清冽な北の大地の雰囲気がよく出てる曲。
印象的なパッセージやコラールがないので、どことなくつかみどころのない曲ではあるけど、
非常に繊細で緊張感の漂う、慎ましやかな(だがそれがいい)音楽。
終始木管中心に進む曲なので、ラッパ吹きの自分としては少々もどかしいのだが、
その分木管の持つ特性が存分に発揮されており、とても優美で綺麗な仕上がりとなっている。

難点を挙げるならば、レンタル譜であること、ピアノを使うこと、
そして演奏時間が6分程度と、定期のメインに据える曲としては短いこと、
けどメインじゃない曲として考えると難易度が高めであること、かな。
せめて難易度がもう少し下がれば、メインの前の小品的なポジションにピッタリなのに。
というあたりで、使いどころが難しい曲ではある。
コンクールの自由曲としてならカットもしなくていいしこれ以上ないセレクトだと思うけどね。
あ、あとはわかりやすいドラマチックな展開、激しい部分が最後の最後にしかないので、
6分という短さもあいまって人によっては、「え?もう終わり?」みたいに感じちゃいそう。

それにしても飯島俊成って、響宴でも常連と言えるほど作品出してるのに、
なんかイマイチ人気ないっていうか、流行らないんですよねぇ…。
だからこそ採りあげたかったってのも大きかったんだけど。
00年代以降持て囃されてる「ガンガン鳴らせ」系音楽に逆行するような、
なんていうか「侘び寂びを弁えた」音楽性や独特の哀愁があって、個人的には大好きなんだけど。


⑧ ラスベガスを喰い尽くすゴジラ (E. ウィテカー)

イケメン作曲家ウィテカーと言えば、ほとんどの吹奏楽人にとっては「ゴースト・トレイン」であろう。
実はこれも地味にやってみたい曲の一つだったりする。
この『ラスベガス…』を初めて知ったのは高校生のときだっただろうか。
最初はもちろんそのタイトルのインパクトに興味を持った。
きっとケレン味たっぷりのイロモノ系の曲なんだろうな…なんて思いながら聴いてビックリ。
いや、確かにケレン味はすごいし、イロモノかと言われれば吹奏楽界きってのイロモノですわな。
ただ、なんだこの尋常じゃないカッコよさ。
当時はまだ、大学以降一般団体で吹奏楽を続けるかどうかは別に考えちゃいなかったけど、
大人の団体に入ったら、こんな曲をクールに演奏したい、演奏できたらカッコいいだろうな~
なんて憧れを膨らませていたものだった。

この曲はまさにタイトル通り、
ゴジラがアメリカに上陸し、コンサート会場を急襲、さらにラスベガスを襲う模様を、
様々な特殊奏法や普通の楽器以外の音響効果(人の声含む)をも駆使して描写した、
「The USA」感溢れる大スペクタクルのシンフォニーである。
ゴジラ襲撃の場面の描写なんて、
けたたましい自動車のブレーキ音やクラクション、逃げ惑う人々の喚声など、実にカオスで楽しい。
この曲の前年に作曲されたゴーストトレインに見られた、
ジャズの要素を取り入れたたいへんユニークな音楽づくりはこの作品にも生きており、
ブロードウェイっぽい華やか系、場末のバーでかかっていそうなダウナー系、
「トムとジェリー」に代表されるアメリカのカートゥーンの劇伴で流れてそうなコミカル系、
あるいは刹那的な感情の起伏を描写したようなSE(効果音)系などなど、
ジャズを中心とした、実に多様なオシャレ系ミュージックの宝庫である。

もちろん、ゴーストトレイン同様、難易度は非常に高い。
ウチの団で採りあげるなんて非現実的だろう(というかそこらの一般団体ではまあ無理でしょう)。
ただ、高校時代に抱いた一般団体への憧れはまだオレの中に燃え続けている。
届かないとわかっていながら、諦めきれない夢として今後もオレの中に残るだろうな。


なお、この曲について紹介してくれているブログ記事があったので、
以下にリンクを貼ってみました。

吹奏楽マニアに捧ぐ・第11回『ラスベガスを喰い尽くすゴジラ』

楽譜見たことなかったけど、こんな場面設定とかトンデモ指示がわんさかあったのね。
プレスリーの衣装を着ろとか、実に意味不明で楽しい!






⑨ カートゥーン (P. ハート)

この曲のスタンスは、『ラスベガスを喰いつくすゴジラ』のそれに近い。
要するにタイトル通り、「いかにもアメリカのカートゥーンの劇伴として流れてそうな曲」である。
別に何か元ネタがあるわけでない。ただ、極めてそれっぽく「ありそう」なのである。
オレは子どものころにトムとジェリーを無茶苦茶見てた人間なので、
アメリカのカートゥーン(アニメ)といえば一にも二にもトムジェリなのだが、
この曲が始まってわずか数秒で、もういかにもトムジェリーで流れてそう感がハンパじゃない。
目を閉じれば流れてそうなシーンが容易に浮かぶってもんよ。

でも考えてみればトムジェリの作曲家って凄いよなぁ。
日本のアニメみたいに、あらかじめ色んな場面ごとに想定した曲をいくつか作っておき、
シーンごとにそこにあったBGMを乗せるってわけじゃない。(一応言っとくが批判ではないぞ)
話ごとシーンに沿って物語のごとく音楽を作っている。
すなわち、「あっ、これ前にも聴いたやつだ」ってのがない。
しかも、効果音だったり、トムやジェリーが驚いたときの感情の昂ぶりだったり、状況の悪化具合だったり、
そういったものも自然に曲の中に組み込んで描写するというプロフェッショナルぶり。
トムジェリもそうだけど、向こうのアニメってセリフをほとんど排してるのがちょいちょいあるじゃない?
必然的に劇伴の存在意義や重要性は跳ね上がるわけで、
「セリフを排す」「曲で表現する」という二重のハードルに真っ向から挑んでるといえる。
アニメにおけるアメリカのこういう姿勢は、
日本の『行間を読む』美学を大事にする姿勢と似通っているようにも思える。

さて、話が逸れましたが、この曲もやっぱり激ムズ。これもウチじゃまあ無理。
コンセプトの幅が狭いぶん、『ラスベガス…』に比べると多少内容は薄いが、
これも実にユニークな一曲である。
『ラスベガス…』と同じく日本人には書けないであろうタイプの曲で、
アメリカ人作曲家ならではのセンスが光っている。






⑩ 未来への飛行 (本澤 なおゆき)

これはどちらかと言えばポップス寄りの曲。
構成自体は急-緩-急の3部構成というよくある序曲タイプなんだけど、
急の部分では基本的にずっとドラムセットがビートを刻んでいるので、
その分軽快で若々しい爽やかさが前面に押し出されている。
聴く人によっては俗っぽいと感じるかもしれないが、
基本明るいんだけど所々で感傷的な感情が呼び起されるようなこの曲の旋律、オレはすごく好きだ。
余談だけど、この曲初めて聴いたとき、
下に載せてる動画でいう0:58~のところで、石川ひとみさんの『まちぶせ』を思い出してしまった。
『微笑み 見~つめ合~う~  見覚えあるふ~た~り~』の、『見~つめ合~う~』の部分ね。

実はこの曲、2年目だったか、定期の第2部のオープニングに提案したことがある。
しかし、1曲目にしては長いこと、そして第2部にもオリジナル曲を持ってくることに難色を示されてボツになったのだ。
その際の反応から、第1部のオープニングとしてなら採用できそうではあったけど、
結局そのチャンスをものにする機会がないままとなってしまい、実に無念。

もう幻となったが、もし今年も企画を続けていたら活用していたであろうネタ帳の、
第28回定期の第1部1曲目の欄には、『未来への飛行』と書いてあった。
難易度的には大したことはないので、この先演奏する機会に巡り合えるといいなぁ。

ちなみにこの曲は、作曲者がパイロットをしている兄に捧げた曲だという。






⑪ キャンディード組曲 (L. バーンスタイン  /  C. グランドマン)

「序曲」ではない、「組曲」のほうである(←こっちのが好き)。
傾向からいえばオレにしては意外なチョイスであるが、
何故かこの曲は昔から大好きで、高校のころにやたら聴きまくっていた。
実際相当な難曲ではあるのだけど、ラスベガスよりはまだ現実的ではあるかと。
というか今年自由曲でピータールーいけたんなら、頑張ればこれもいけるんじゃない?


⑫ レマゲン鉄橋のテーマ (E. バーンスタイン)

これは少し番外編。
吹奏楽譜が出版されていないので、いつかアレンジできればという野望があるのだ。
映画ファンにとってはごく当たり前に昔の映画のテーマ曲なのだが、
映画を知らない者にとってこの曲は、『よゐこ濱口が海に潜るときのテーマ』である。
かつて放送されていた番組『いきなり!黄金伝説』において、
1か月1万円生活中に濱口が海生活に突入すると、この曲がBGMとしてかかっていたのだ。
映画音楽のよさがギュッと詰まったような名曲だと思うんだけど、どうでしょう?
あまりに好きすぎて、高校のときに作った海にまつわる曲の中に、
この曲の一部をもじったようなフレーズを書き入れてしまったくらいだ(オマージュというと許される風潮)。
元々は海まったく関係ない曲なのに、やたらと海中の映像とマッチするのも不思議だけど素敵。
(最近、この濱口モリ突きの海中映像を撮影していたのが、話題のナスDと判明してましたね)
インパクト絶大ながら、3分ないくらいの短い曲だけに、プログラムのオープニングにも最適。
実際使うかどうかはさておいて、時間ができたら書いてみようかな。





コメ欄が映画じゃなくて濱口に関するコメントばっかりで草




このほか、

♪ ゴッドスピード! (S. メリロ)
♪ ライド (S. ヘイゾ)
♪ ドラゴン・ファイト (O. M. シュワルツ)
♪ スクーティン・オン・ハードロック  ~3つの即興的ジャズ風舞曲~ (D. R. ホルジンガー)
♪ 落夏流穂 (柳川 和樹)
♪ レムリア  ―失われた大いなる遺産 (八木澤 教司)
♪ 海鳴り (高橋 ひろみ)
♪ フライ・ハイ (星出 尚志)
♪ 銀河鉄道の夜  ~吹奏楽、合唱、ナレーションによる音楽童話~ (菊池 幸夫)

…あたりも、上に挙げている曲ほどではないが興味のあるラインナップである。
何年か前にやったけど、井澗作品もまたやってみたいと思う。

あと、出来る気は全然しないけど、死ぬまでに一度は田村文生の曲に直に触れてみたい(笑)
あの不穏で不気味でキモチワルい作風大好き。


ということで、全4回に渡ってお送りしましたが、
これにて、オレの企画振り返り企画は終了です。
お付き合いいただき感謝いたします。

次回記事よりまた平常運転で参りたいと思いますので、
また今後ともよろしく見てやっていただけると嬉しいです。

それではまたお会いしましょう。


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