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♪ #53: 元気だしてよ / 谷村有美
巷では、『君の名は』のDVDが出るとかで盛り上がっているとかいないとか。
新海誠作品ねぇ……。
画ヅラ…っていうか色使いとか風景の描き方はすごく綺麗だと思います。
予告編とか見ると、いかにも厨二心をくすぐられるようなものも多いですし。
結構前からチェックはしていたんですよ。『雲の向こう……』とか『星を追う子ども』とか。
でもなんかイマイチ入り込めきらないないんですよねぇ。
君の名はにしても、「そんなに評価される作品か?」とも思います。
けど、ジブリとかのブランドもない状態で、原作もナシ、完全オリジナルの脚本でここまでのヒットは
とんでもない快挙なのは間違いないです。
ジブリ亡き今、こういう次世代の監督には頑張ってほしいものです。
細田とかね。細田は細田でオマツリ男爵のせいで印象よくないのですが(笑)
なんとなく、新海は厨臭く、細田は俗っぽい、という棲み分けイメージ。
でもハヤオになれそうなのは現時点では細田かなぁ。
幅広い層(≒ファミリー層)には細田のほうがウケがいい気がします。
新海は今回が異例なだけで、本来は人を選ぶタイプの作風じゃないかと思います。
OVA寄りというか、雰囲気の明るいアンダーグラウンド感というか。
なんでこんな話題を出すかというと、
ついこないだ、君の名はの男主人公(タキくん?)の通う学校のデザインモデルが
オレの母校の高校だと判明してビックリしたからです。
画像検索してみると、確かにまんまだな。校舎内部の画像とか、ZIPで特集されてる画像とか。
いかにもわかりやすく都会的な見た目だから採用されたのか分かりませんが、
これもしかして聖地巡礼されてたりするのかな。大迷惑だね。
こんにちは。毎日暑いですね。
さて、今回は前回の予告通り、
オレが企画になってからの本番で採りあげた曲を振り返ってみようと思います。
その前に少しだけ。
定期とかコンクールじゃない、地域のちょこちょこした本番の選曲について
おれが特に意識していたことが3つあります。
① 年齢層をバラけさせる
② 緩急をつける
③ なぜその曲をやるかの根拠を持つ
例えばウチの持ち時間として30分与えられている本番の場合に、
MCを曲間に1分ずつ入れて、入退場の時間引いて、
アンコール込みで5曲で合計19分くらい(曲のみの時間)にまとめる……こういうのは当たり前です。というか最低限のスタートライン。
そこから上記の3点です。まあこれも当たり前っちゃ当たり前なんですが。
①については、まずは子どもでも知ってる曲、できればあからさまに子どもに的を絞った曲を、
基本的に1曲必ず入れるようにしてました。
実例でいえば、ようかい体操とか、プリキュアとか、ひまわりの約束とか…。
あとは童謡系や、ジブリ・ディズニーなんかは、子供含む全世代に通用するので使い勝手がよいですね。
一方で、いつも練習でお世話になってる地域センター(いわゆる公民館)の文化祭での演奏では、
普段の本番に比べて年配のお客さんの割合が多いため、演歌や懐かしの歌謡曲といった、
シルバー成分を多めにしてみたり…といった微調整も加えたりします。
②もまあ基本的なことですね。
1曲目は華やかな曲で挨拶、2曲目はうって変わって木管主体のしっとりバラード、
3曲目には昔懐かし往年の名曲を持ってきて、4曲目は本編のラストにふさわしいカッコイイ曲を。
そしてアンコールは、短くもインパクトのある、みんな知ってる、あるいは知らなくてもノれる曲でサヨウナラ。みたいな。
とにかく平坦なプログラム構成にはならないよう配慮して組み立ててました。
③は、どちらかと言えば団員向けの意味合いが強いです。
企画になって最初に言われたのですが、
時々、「なぜこの曲を選んだのか」と聞いてくる人がいると。
それはイジワルな意図ではないのですが、それに対する防衛策みたいなものです。
まあ、根拠があればMCのネタにはうってつけなので、司会原稿作りも楽ですからね。
ちなみに、ウチは1年の真ん中の時期に酒祭りコンサートという、
映画評論家をトークゲストに招いての、1時間半(10曲程度)ガッツリ映画音楽シバリの演奏会がある関係で、
年間通して映画音楽の比重が割合高いのも特徴です。
練習時間も楽譜購入予算も限られてますから、
酒祭りで使う曲のうち、2曲くらいは春の本番ラッシュから使って慣らしておき、
同様に酒祭りで使った曲のうち3、4曲くらいは、その後の秋の本番ラッシュで流用するパターンが鉄板です。
あとこれは、気をつけていたことという意味合いとは少し違うのですが、
流行のJ-Popとかは、意識的に避けていました。
何団体か演奏する本番で、他の団体との選曲カブリを防ぐため、というのが建前ですが、
実際には単にオレが毛嫌いしているだけです。(最近の音楽がわからないから、とは言わない)
昔に比べて音楽業界自体が下火になって、普遍性がなくなってきたことも大きいですが。
ただし、社会現象になったレベルの曲や、説得力のあるタイアップがついた曲などは採用例もありますよ。
「逃げ恥」の『恋』とか、前述の『ひまわりの約束』とか、レリゴーとか。
いつも通り長くなりました。前置きはここまでにして、
ここからは年度ごとに振り返っていきます。
ちなみに、コンクール課題曲&自由曲の選曲は技術部門に一任していたので、
ここでは取り上げないことにします。
【2014年度・企画1年目】
♪ サンダーバード
…空手大会をのぞく春の本番ラッシュと、酒まつりコンサートで使用。
みんな聞いたことある&勇ましいマーチ調、というこの上ない適性で、
いずれの本番でもトップバーターとしての起用で活躍してくれた。
酒まつりでも使用したが、この頃はまだプログラムの中に、その年にやる必然性のない(関係のない)曲もいくつか混じっており、
サンダーバード自体は、2014年に新作が公開されたわけでも、キリのいい周年を迎えたわけでもない。
♪ 青春の輝き
…空手大会、ナイスハート、春の小谷SA、音楽祭と、2014年の春の本番ラッシュ皆勤賞だった曲。
なお、2015年春は「アニーメドレー」、2016年春は、「ひまわりの約束」が、同じ皆勤賞ポジション曲となった。
言わずと知れたカーペンターズの名ナンバーだが、
実際に合奏で音を出したときに、「あっ、やっちまった」と思った。
この曲、2年前にウィンドでやっている。
♪ コパカバーナ
…ナイスハートと春の小谷SAで使用、との記録があるが、
おれ自身この曲をやった記憶はほとんどない。まあさんざん擦られてる定番曲だけにね。
急に企画になることが決まって、特に春の本番はすぐにプログラム作らなくちゃいけなかったため、
この時期は団の蔵書から適当にピックアップした、
なんというか置きに行っただけの面白みのない選曲が多かった印象。
♪ となりのトトロ コレクション
…空手大会をのぞく春の本番ラッシュと、バンフェス、酒まつりコンサートで使用。
ジブリは映画音楽だし、抜群の知名度を誇る使い勝手の良さから、毎年何かしらのメドレーをとりあげてきていたが、
長年企画を務めていた前任者がどうもトトロ好きじゃなかったらしく、
当時メドレーが出版されていたジブリ作品の中で、トトロが一番スパンが開いていたという理由で採用。
ウィンズスコア版だが、ジブリのメドレーものとしては珍しく
ティンパニやチューブラーベル等の大型楽器を必要としない(ティンパニは楽譜あるけど、なくても大して問題ない)ため、
小谷SAやナイスハートといった、大型楽器が持ち込めない本番でも変わらぬパフォーマンスを維持してくれた。
♪ 白鳥の湖 BRASS ROCK
…空手大会をのぞく春の本番ラッシュと、酒まつりコンサート、広島空港秋まつりで使用。
アンコールが合同演奏だった音楽祭を除いて、すべてアンコールでの起用。
ウィンズスコアのブラスロックシリーズ(アニメソングやクラシック曲、童謡などをブラスロック調にアレンジしたシリーズ)の1曲で、
白鳥の湖がハイパーアゲアゲになったようなアレンジ。
主旋律自体は割とそのままなのであんまり原曲レイプ感はないのだが、
「あまり好きではない」というとある団員の声を聞いてしまったのが残念だった。
(シンプルにカッコイイし、オーケストレーションも鳴りやすく書かれていたのでオレは大好きだった)
♪ レット・イット・ゴー
…酒まつり、空港秋まつり、秋の小谷SA、寺西文化祭で使用。
2014年を象徴する出来事のひとつである、「アナ雪」の大ヒットを受け、
これはさすがに採用しないわけにはいかんだろうということでの起用。ただそれだけ。
しっとり系のナンバーで全世代に通じる曲というのは意外と希少なので、
そういう意味ではプログラムの中で非常にシブく立ち回ってくれた。
♪ Sea Hawk
…酒まつりでのみ使用。
1940年に公開された洋画『シー・ホーク』のテーマ曲で、
当時酒まつりの指揮を依頼していた外部のプロの推薦枠。
「この曲を演奏、この音楽の背景を理解すると勉強になる」的な意味合いでのセレクトという面が強く、
別に有名な曲というわけではないので、アンケートでも当然のようにレスポンスのないことったらまあ…。
オレもどんな曲だったか残念ながら全く記憶に残っていない。
♪ 虹の彼方に
…酒まつり、空港秋まつり、寺西文化祭、寺西音楽祭、そして定期で使用。
NSBのトロンボーンソロフィーチャーのアレンジ版で、
寺西文化祭までの秋の本番では楽譜通りトロンボーンソロを立てて演奏したが、
定期ではソロをホルンにして臨んだ。寺西音楽祭は、ソリストのための仮想本番としてプログラムに入れた。
なぜソロをトロンボーンからホルンに移したかと言えば、
オレが入団して以降だけでも、定期2部でトロンボーンフィーチャーした曲が2回あったこと、
そして、この年の定期でフィーチャーしようとしていたホルンに、1曲通してソロのあるいい曲がなかったこと、この2点のためである。
♪ キャラバンの到着
…バンフェス、酒まつり、定期で使用。
NSB版の4拍子アレンジのやつで、昔から一度やってみたかったので採用。
こういう、「CMとかバラエティ番組とかいたるところで聞いたことあるけど、実は映画音楽。あるいは映画で劇伴として使用されたことがある曲」
ってのは意外と多く、
選曲的な意味での年間の軸が酒まつりであるウチの団体としちゃあ非常に助かるのだ。
♪ Tank!
…酒まつりでのみ使用。
ご存じカウボーイビバップのテーマ曲で、誰でも知ってるカッコイイ曲であるが、
多分おれの3年間の中で、最も鬼畜な選曲だったに違いない。
トランペットをはじめとした金管群は、ハイノート地獄とちょこざいな跳躍に大いに苦しんだ。
木管はどうだったのだろう。難しかったのは間違いないだろうが。
中間部はちょっといじって、指揮者のプロサックス奏者によるアドリブソロにしてもらった。
「やりたいやりたいだけじゃやってられねぇな」と思った最初の曲。
♪ ジャパニーズ・グラフィティⅢ ~青島幸男作品集~
…酒まつり、寺西文化祭で使用。
どちらかと言えば春より秋に選ばれやすい、中~高年齢層をターゲットにしたレパートリー。
♪ 誰も寝てはならぬ (歌劇「トゥーランドット」より)
…酒まつりでのみ使用。
イナバウアーのテーマとして有名(?)なゴリゴリのクラシックであるが、
この年に映画第2作が公開された『テルマエ・ロマエ』で使用されていたので採用した。
こういう著作権の切れた昔のクラシック曲を吹奏楽編成に移植、アレンジして、
その楽譜を自分のHP上で無料で公開してくださる徳の高い人が世の中にはおりまして、
この曲は、そういった中の一人の方にメールでお願いして使用させてもらった楽譜で演奏した。
おれは基本的に定期1部みたいな選曲時に、アレンジもの(例:歌劇「○○○」より とか 交響曲第○番より みたいな曲)を選択肢に入れることはないのだが、
こういう4分くらいの小品程度なら、勉強にもなるしたまにはいいかなと感じた。
(ちなみにオレがアレンジものを選ばない理由はいろいろあるけど、
オケの曲と違って吹奏楽曲って吹奏楽でしか演奏されないんだから、オレたちは吹奏楽曲やろうよって思いが強い。
あとアレンジものはなんかもう飽き飽きだし、高校時代思い出すからやだ)
♪ ディズニー・ファンティリュージョン!
…酒まつり、東広島生涯学習フェスで使用。
ジブリ枠とともに、酒まつりで毎年1枠あるディズニー枠。
(別に枠が決まってるわけではないが、普遍性が高くて使い勝手がいいので自然と入れちゃう)
トトロ同様、企画の前任者がこのアレンジ好きじゃなかったらしく(本人談)て選ばれてなかったので、
団の蔵書から引っ張り出して採用したもの。
楽しかったけど、やっぱり難しいね、このアレンジは。
♪ ようかい体操第一
…空港、東広島生涯学習フェス、秋の小谷SA、寺西文化祭と、
空港以降の秋の本番ラッシュで皆勤賞だった曲。ちなみに全て1曲目で起用。(子ども向けの曲は基本的に序盤に配置するのがオレのこだわり)
アナ雪と並ぶこの年の社会現象的ブームとなった、妖怪ウォッチの曲。
こうして振り返ると、この年は子どもに説得力絶大の怪物的ヒットが2つもあったことがわかる。
なお、これは完全な余談であるが、
小保方、野々村、佐村河内の3強を筆頭とする多数の問題児が出現、ネット住民を中心に世間のオモチャになり一世を風靡したのもこの2014年である。
2014年ハンパねぇ。ブームのクセがすごいんじゃ。
♪ フィンガー5 コレクション
…酒まつりを除く秋の本番ラッシュで使用。
この2年くらい前にウィンドで演奏しているのだが、なぜスパン2年で再使用したか。
実はこの年、2014年というのは、東広島市の市政40周年という節目の年で、
11月の『東広島市生涯学習フェスティバル』の本番において、
「(東広島市が誕生した)1974年に関係のある曲をプログラムに入れてほしい」という依頼があったのだ。
今はM8やウィンズスコアなど、J-Popを中心に扱う楽譜メーカーがいくつかあるので、
大してヒットしてない曲や、下手すりゃ芸人の音楽ネタであっても吹奏楽アレンジの楽譜がどんどん量産されるが、
昔の曲となると、楽譜メーカーが出来て以降にわざわざ遡ってアレンジされることになるので、
よっぽどヒットした曲じゃないとそうそうアレンジなんてされてないのだ。
そういう事情もあって、この「74年にゆかりの曲を」というリクエストに応える曲探しにはかなり難航したのだが、
なんとか見つけ出したのがこのフィンガー5のメドレーだった。
「恋のダイヤル6700」「個人授業」「学園天国」の3曲が入っており、
前者2つは前年1973年のリリースであるのだが、
1974年のオリコン年間トップ100に3曲ともランクインしていたので、もうこれでいいだろうと。
というよりこれ以上にピッタリくるのはもう見つけられないだろうと。
そういうわけでチョイスした曲だったわけだが、なんだかんだで知名度はバツグンなので、
結局秋の他の本番でも大車輪の活躍ぶりを見せてくれた。
♪ また会う日まで
…東広島生涯学習フェス、秋の小谷SA、寺西文化祭で使用。
タイトルからして当たり前だが、いずれもアンコールでの使用となった。
お手軽に仕上げられて知名度もバツグンという、最高に使いやすい部類の譜面だった。
ところで、ウィンド団員で構成される有志の金管アンサンブルでも、
施設やなんかに呼んでもらって演奏した際は、アンコールでこの「また逢う日まで」を演奏してシメるのが定番なのだが、
(定期で毎年終演後にロビーで吹いてるアレです)
その金管五重奏版とこの吹奏楽版で調が違うため、
金管アンサンブルメンバーは(オレも含め)軒並み最初戸惑いまくっていた記憶がある。
♪ home
…寺西文化祭、定期(アンコール)で使用。
坊主頭のおじさんが歌う、「か~え~ろ~か~もうか~えろ~うよ~」のしみじみ系J-Pop。
いずれの本番でも箸休め的なポジションとしていぶし銀の役割を果たしてくれた。
♪ この道
…秋の小谷SA、寺西文化祭で使用。
割と発言力がある立場のとある団員が、頼んでもいないのにパイプのある某団体からこの楽譜を借りてきて、
流されるままにこの曲を急遽プログラムに入れることとなった経緯がある。
童謡というポイント自体はよいのだが、いかんせん「アレンジのクセがすごい!」ため、
異様に吹きづらかったし、果たしてこれであってるの感がすごかった記憶がある。
♪ ザ・バンドワゴン
…寺西音楽祭、定期で使用。
この前年くらいに、企画の前任者が定期かどこかでとりあげるつもりで用意していたようだが、
その時は結局流れてしまったため、じゃあ今年やっちゃおうということで、
定期のオープニングピースとして採用した。
雰囲気や構成はマーチそのものだが、
ハイテンションハイスピードでラストまで一切の淀みもなく突っ走りきるという、実に爽快なナンバー。
キラキラと上へ下へと階段を高速で動き回る高音木管の音列をまとって
中音域を中心としたブラス系パートが心を湧きたてる旋律を吹き鳴らす…。
短くも体力勝負の譜面ながら、吹いてて非常に楽しい曲であった。
そして高音木管以上に階段を上下に動き回っていたユーフォニアムさんお疲れ様でした。
今聴いてもなかなかのエグさ。
♪ カンタベリー・コラール
…定期でのみ使用。
第1部の箸休めポジションとしてチョイスした、教科書のようなコラール。
緊張感の持続が鍵を握る、崇高で神々しい名曲。
♪ 風の島 -吹奏楽のための詩曲
…定期でのみ使用。
定期では毎年課題曲枠があるが、ただ過去の課題曲を組み込むだけなら誰でもできる。
課題曲オタクを自称する者として、どうすればオレにしか出せない色を出せるか。
答えは一つしかない。
課題曲公募に入選しながら、諸般の事情で課題曲に採用されなかった曲をとりあげる。
これしかない!
いや、でもまあ実際オレは昔からこの曲大好きだったのよ。
やりたくてしょうがなかったの。それこそ夢にまで見るほどに。
堂々と吹連のHP上で楽譜が販売されてるのに、全然演奏されてないなんて許せない!
こんないい曲がほとんどの人に知られていないなんて我慢ならない!
それならいっそ定期でとりあげ、演奏することで、
この日聴きに来てくれたお客様、演奏してくれたウィンド団員に知ってもらえればと。
たった数百人だけだけど、それでもその人たちにこの曲を聴いてもらいたい、
という強い思いがあって選曲するに至ったこともあり、
オレにとってはホントにとてもとても思い入れの強い曲になった。
この回の定期を聴きに来てくれた名も知らぬ方のブログで、
『風の島の実演が聴けたのは思わぬ収穫だった』と書かれており、本当に嬉しくなったものだ。
その人は続けて、
『今回のように割と珍しい作品を聴けるのであれば、来年以降も聴きに行きたい』
とも書いていた。
≪そうだよ、オレが目指さんとしているのはこういうスタンスなんだよ≫
どこでも聞ける曲、誰もがやってる曲なんて、今更ウィンドがとりあげる必要なんてない。
『この曲やるなんて珍しいな。この機会逃したら次はいつ出会えるかわからんな』
こう思わせたいんだ、オレは。
これが定期1部における(プログラム全部をそうしようというわけではないが)オレの根本にある信念であり、
この方針を妥協しなくてはならなくなった時こそが、オレが企画を降りる時だと。
この考えは最初から持っていたように思う。
♪ ミレニアム・カノン
…定期でのみ使用。
この年のコンクール自由曲選考の際に、候補に挙がっていたうちの一曲。
当時候補に挙がっていた曲を片っ端から聴いていたおれの中で、
「美しい曲だなあ」と印象に残っていたのがこの曲。
オレのこの曲に対するイメージは、時間帯は空が白み始める朝方。
朝もやにまどろむ中、遠く彼方の山々から何やら音が聴こえてくる。
耳をすましてみると、あいまいだったいくつかの音が徐々にはっきりと迫ってきて、
やがてそれらは音の粒ひとつひとつまで主張を始める。
複雑にしかし規則性を持って絡み合う音(カノン)は、木々や草を覆う朝露に反射し、
そのエネルギーを増幅させながら、昇ってきた太陽に照らされて一層の輝きを放つ。
みたいなね。多分他人には意味不明な文章(笑)
結局別の曲に自由曲が決まったので、じゃあこれを定期のメインでやろうじゃないかと。
自由曲候補にこの曲を推薦した当時の指揮者の後押しもあり、決定した。
ハイトーンもきついのだが、この曲はタイトルの通りカノンの絡みがかなりシビアで、
トランペットの4パートで半拍ずつずれて16分音符単位の細かい譜割のパッセージを吹く箇所などは、
音量バランスや音質まで気を使わないと、きれいに一本の線に聴こえないという。
まあ、練習したね。近年で一番やったかも。
この曲に関して大きく印象に残っているのは、
この曲オーボエが3本必須なんだけど(序盤にオーボエ3本でカノンで絡む箇所がある)、
この年はなんとオーボエに正規団員が3人いたことである。
ウィンドの歴史上で前例があるのか不明であるが、
オーボエが3人いるなんて、なんてゼイタクなんだ。
そしてそんな奇跡的な年に、オーボエ奏者が3人いる意義のある曲を演奏することができたということが、
オレの中では地味にガッツポーズしたい出来事であったのだ。
♪ Dreams in the Dusk
(アルト・サキソフォンと吹奏楽のための協奏曲 「たそがれの夢」)
…定期でのみ使用。
この定期の時点でまだかなり新しい部類の曲であり、
サックスコンチェルトというもう一段超えるべきハードルが手伝ったこともあり、日本での初演となった。
曲自体はどちらかと言えば全体的にダウナーな空気が終始充満する音楽で、
「(1部2部のクラシカルなエリアでの)選曲がゴツい」とアンケートに書かれるのも無理はないなあと思う。
とはいえこの曲は、アルトサックスの持つ
≪まろやかで豊かな情感、不穏さ、妖艶さ、不気味さ、高音域の情緒不安定さ、弱奏部のもの悲しさ、寂寥感≫
といったような性格や魅力を楽しむのが第一義の曲だと個人的には思っている。良くも悪くも。
♪ My Favorite Things
…定期でのみ使用。
サックスコンチェルトである第2部のアンコール曲として起用したので、
もともとウィンズスコアの熱帯JAZZアレンジ版であった譜面をいじって、
アルトサックスソロをフィーチャーした風に装って演奏してもらった。
サックスという楽器は、ジャズ風味の曲との親和性が反則的に高くてズルいと思う。
♪ 時代劇えきすぷれす
…定期でのみ使用。
『○○えきすぷれす』シリーズの中の1曲。
定期2部の演出枠の曲なんで、オレにとっては演出ありきの曲なのだが、
この曲は着流しを着てみたりして、いつもより衣装にかける比重が高かった気がする。
白鳥つきのバレエ衣装よろしく、
殿様の腰のあたり前部に馬の首から上をドッキングさせたギミックをアンケートで「下ネタはちょっと…」扱いされたのは今でも絶許(笑)
♪ スカイ・ハイ
…寺西音楽祭、定期で使用。
定期の本編をシメる曲として、有名&カッコイイ洋楽のチョイス。
毎年のこの枠にくる曲としては、細かい譜割りもなくリズム的なハードルは低かったが、
ハイノートはやっぱり避けて通れない。
寺西音楽祭で演奏した際、終盤のハイノートで旋律吹く場所で酸欠になって意識が遠のきかけ、
座っていた公民館の舞台縁から前のめりに落下しそうになった思い出の曲。
♪ 音楽家のストライキ
…定期(アンコール・オーラス)で使用。
最初はトゥッティで演奏が始まるが、曲が進むにつれて段々パートが減っていき、
最後は打楽器のリズム隊のみになり、やがてそれらも消える、というすげー変な曲。
譜面が終わるタイミングが楽器でなくパート単位でわずかずつ異なり、
終わったパートはその都度舞台袖にハケていく、という指示(が楽譜にあったかは覚えてないが、視覚効果的にはそうしないと面白くない)であるが、
みんな舞台から消えて尻切れトンボみたいに微妙な終わり方にするわけにもいかず。
これが定期の最後の最後ということで締め方にかなり悩んだ記憶がある。
演出次第でムチャクチャ面白くもなるし、とんでもないスベリ方もする曲だと本気で感じた。
悩んだ末に採用した演出は、アンケートを見る限り好意的な意見が多くて安堵したものだ。
長くなったのでいったん切ります。
(書き終わったしさあアップするぞという段階で、エラーで前回保存した状態までクリアされたので心が折れかけた)
2015年(2年目)以降は、次回記事にて。
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♪ #52: ひとりじゃない / DEEN
『民衆を温泉に導く自由の女神』の歌が頭から離れません。
どうも、お久しぶりです。
ようやく?って感じですが、4月からダイエットに励んでいます。
いや、ダイエット(diet=食事制限)と文字通りの意味にとるなら、
行っているのはダイエットではなく「単なる運動」ですかね。
まあ、炭水化物抜いたり減らしたりすりゃあ誰だって減量はしますよ。当然。
でもそんなのはハッキリ言って何の解決にもならない。
あなたはこのまま一生炭水化物を抜き続けるおつもりですか、と。
まあ人によるんでしょうがね。おれはゴメンです。ていうか無理。
ストレスたまって何倍も身体に悪いわ。
そもそも1か月で5キロも10キロも痩せるような落ち方、
98パーリバウンド確定なんですよね。
もっと長期的にでも根本的な部分から変えていかなければ意味はないわけで。
…………という言い訳(笑)
まあ食事面に関しては、特に何かを顕著に控えるようなことはしていませんが、
代わりに野菜スープをひたすら寸胴で作っては食うようにしています。
ネットにあった脂肪燃焼目的の野菜スープダイエット用レシピを参考に、
タマネギ3~4個、セロリ1本、赤パプリカ1個、ニンジン2本、キャベツ半玉、カットトマト1缶を、
適当に小さめ(薄め)に切って鍋にぶち込みます。
このくらいで寸胴鍋にもうこれ以上入らないくらいまで達するので、
あとはヒタヒタまで水を入れて、コンソメキューブを4個くらい入れて煮るだけ。
味的にはミネストローネみたいな感じです。
ミネストローネって小学校の給食でしか食べたことないから、あれが正しいミネストローネなのかは不明ですが。
これを朝食に1杯(←ここでいう1杯とは、牛丼屋のドンブリを茶碗と言うオレの基準に基づきます)、
夕食はまずこのスープを2杯食べてある程度腹を満たしてから本編です。
わずかには炭水化物の量は減ってるでしょうし、
最悪減ってなくても野菜の摂取量自体はだいぶ増加したので、
まあ最低でも現状から悪い方向には向かわないだろう、という甘い考えです。
ちなみに上記の量作ってだいたい1日半~2日半くらいです。1鍋600円くらい。
あとは最近は少し落ち着いてますが、5月頃はリンゴも食いまくってました。
リンゴといえば俗に医者いらずとも言われるほどの優良果実で、
リンゴダイエットなんてのもあるほどですが、
まあ確かに「食った感」はありましたね。もちろん皮のまま丸かじりですよ。
個人的にリンゴは果物の中では3本の指に入るくらい好きですし、
エネル様みたく野球中継見ながらひたすらシャリシャリやってたんですがね、
2か月もリンゴ食いまくってるとさすがに飽きました。
今ちょっとお休み中です。
ちなみに好きな品種は「王林」です。
あとは黒酢ドリンクも愛飲してます。ミツカンの特保のやつ。
節操もなく下手な鉄砲を数打ちまくってる状況です。
肝心の運動は、4月5月は家で昔買ったビリーズブートキャンプやってたんですが、
今は(飽きたので)家の裏にある神社での階段ダッシュがメインです。
それを軸に、休日の早朝に1時間くらいウォーキング~ジョギングしてみたり、
たまに近所の公営プール(正式には障碍者向けのリハビリ施設)で泳いだり…といったトコロです。
ま、外見的に今のところぜんっぜん効果は見られませんがね。
たちまちは健康診断時にしかわからない数値的な部分での改善が見られるといいなぁと。
来月の健康診断に乞うご期待。。。
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さて、4月から一時休団しているウィンドですが、
この3月の定期を以て、2014年4月から就いていた企画の役職を降りました。
丸3年間(3期)……本当はもっと長期的に務めるつもりではあったんですが、
昨年夏頃から急に色々と限界を感じて昨秋に決断しました。
就任時からずっと二人三脚で支えてくれたJungleには、
「オレ辞めようと思うんじゃけどお前はどうする?」と聞いて、色々検討した結果2人とも辞めて、
まときむ色をここでリセットしようということになりました。
まあ、選曲・プログラム作成、楽譜手配・管理、渉外、書類作成等々といった
企画・楽譜・事務局の業務自体は実質的にほとんどオレが一人で行っていた、ということもあるのかもしれません。
Jungleには司会絡みの業務、すなわち司会原稿作成、あるいは司会業を任せ、
あとは演奏会ごとの演出案は2人で考える、といった分担にしていたので。
自分で言うのもナンですが、
他の運営委員の役職に比べると、企画の役職って人を選ぶと思うんですよね。
もちろんどの役職、業務も等しく大変なのは間違いないのですが、
例えば面倒な事務仕事とかは、向き不向きはあれど頑張れば誰でもこなせるとは思うんです。
ただ、選曲業務となるとそうはいかず、まず曲を色々知ってることが前提になってきます。
もちろん知らないとできないのか、と言われればうーんとなりますが、
より多く、より幅広く知ってる人のほうが引き出しは当然多いわけで、
ネタ切れやマンネリ、あるいは「なんかどっかで見たようなプログラムだな」みたいなモヤモヤ感とも無縁ですよね。
もちろん団内にはオレよりもっと引き出し持ってる人なんていくらでもいるでしょうが、
オレも水準程度には曲の知識や引き出しはある、だからなんとかなったわけです。
この点、オールジャンルにハイスペックなJungleでも、
吹奏楽の曲の知識にはあまり明るくないので、「ワシは選曲できん」と断っていたし、
オレも「まあお前はあんまり詳しくはないよな」と承知していました。
そういった部分もあるので、
後任は誰になるのかなぁと、正直あまり「これ」と言える適任者が思い当らなかったのですが、
意外とすんなり決まってました。
まあその人が適役かどうかはまた別の話なわけで、正直大丈夫か?とは思いましたが(^_^;)
とはいえ、オレは一度企画の役職に就いていたわけで、
その中で、事情なんか知ったものかと無責任にあれこれ言いたい放題なさる有象無象を相手にしたりしなかったりといった日々も過ごしてきたので、
今後企画の方針やらなんやらには一切異を唱えるような発言、態度はしないようにと思ってます。
嫌なら自分が企画を続けていればよかったわけで、
自分でやろうともせず批判精神ばかりが肥大したあのような愚かな存在にはならぬよう気を付けようと思います。
そもそも、まあこれは運営委員をやっていて感じたのですが、
みんな運営委員に対してのリスペクトがなさすぎると思うんですよね。
運営委員の皆さんは、日々自分の仕事をしながらウィンドの業務をこなし、
毎月毎月練習後に日付が変わる時間まで会議を重ね、
肉体的にも精神的にもそれはそれはタフな状態なんですよ。
なんていうか、時々感じることはあったんですよ。
「オレはウィンドのためにと思って頑張ってるのに、なんか体よく使われてるだけなのかなぁ」
なんて。
「あいつ頼まれたら断らないから、企画の仕事じゃないけどこれもやってもらおう」
みたいな扱いなんじゃないか、みたいなね。ある時ハッとしてね。
勿論これはオレの要領の悪さゆえなんでしょうけど、
今だから言いますけどオレ3年間休みの日は9割ウィンドの仕事してましたからね。
プログラム考えるためにネットでいろいろ曲を聴いたり、
直近の他の団体の演奏会情報チェックしたり、
10くらいある楽譜メーカーのサイトで販売されてる譜面を片っ端から漁ったり、
楽譜買うのにもいろんなサイトから一番安いところ探して回ったり、
他の団体とパイプある人に楽譜の借用ができないか聞いて回ったり、
手配できた楽譜を何時間もかかってコンビニでコピーしたり、
今度はそれを家でひたすら折ったりスコア製本したり、
Jungleから受け取った司会原稿の微修正やら清書をしたり、
大きな演奏会前だと舞台業者さんや主催者側、司会者なんかとメールでやり取りしたり、
使い終わった原譜の中身を確認して隣町の楽譜倉庫に整理しに行ったり、
業者に出す書類や団員に配布する資料を作ったり……
繰り返しますが他の運営委員さんも等しく大変なんですよ。
なんならもっと大変な役職だってあるでしょう。
別にオレの忙しかったアピールをしたいわけじゃありません。
ただ、ね。運営委員が日頃これだけのことはしているんだということは、
運営委員でない、いわゆる「ヒラ」の団員さんにも知ってもらいたい、もとい知っといてもらうべきなのではないかと、ちょっと思ったりしたんですよ。
ピンポイントで何が、というわけではないのですが、
そういった方々の振る舞いやら言動なんかにちょっと感じるところもあったりしたのでね。
当時からJungleは再三声をかけてくれてたんですよ。
「金もらってやりよるわけじゃないんじゃけぇ、あんまり無理すんなよ」
なんて。
今でこそなんであんなに柄にもなく他人のために自分を犠牲にしていたのかわかりませんが、
当時はまあ麻痺してたんですよね、洗脳された人間ってこんななのかなぁ。
まあなんやかんや色々とありましたが、
書いてきたように苦しかった部分、キツかった部分のほうが正直多かったです。
これも今だから言うけど、去年の秋ごろはちょっと登校拒否状態に陥ってましたからね。
ウィンドの練習に行くのが怖い状態。
言ったらまた誰かから企画のことについて何か言われるのではないか、
このころはハッキリ言って全員敵に見えてしまう状態まで追い込まれてました。
役職を降りる決断をした最後のダメ押しとなった時期です。
でもいいことも当然ありましたよ。
演出絡みでよく連絡をやり取りしたり直接会社に行って相談したりと、
舞台業者さんと仲良くなることができました。
合わせて定期のゲスト司会者さんや定期の司会者さんとも、
以前以上に打ち解けて砕けたお話もさせてもらうようになりました。
渉外の機会が増えたことで、社会人としての一般常識的な部分での素養も学べました。
でもやっぱり一番はなんといっても、
立場上、自分のやりたい曲、やりたいプログラムを「ある程度は」採用できたこと。
これは間違いない。
このうま味がないと、企画をやるメリットなんてないです。こんなキツイ役職(笑)
逆に言えば、今まではこのうま味のおかげでキツイ部分も頑張れてたんですがね。
前述した精神的な理由のほかにも、
去年(というかこないだのやつ)はちょっと定期の選曲で自分的に消化不良だったというのもありまして。
技術的な観点から技術部門の担当者と折り合いつけて意見を歩みよらせるのは当然なのですが、
こないだのは、ちょっとあまりにも自分の意見が不当に通されなかったという思いもあり、
これなら別に企画がオレじゃなくてもいいじゃん、となったんですよね。
やっぱり企画担当者が変わると、
選曲傾向やプログラム全体のカラーがガラッと変わるくらい、個性が出たほうが面白いじゃないですか。
というかそうあるべきだと思ってます。
もちろん最低限クリアする条件やハードルみたいなものこそありますけど。
オレは春とか秋の地域のちょこちょこした本番については、前任者とそこまで剥離したプログラム傾向にはしてなかったつもりですが、
定期の、特に吹奏楽オリジナル曲の部である第1部は、かなりこだわりを持って選んでました。
この機を逃せばそうそう演奏したり聴いたりできないのでは?みたいな選曲ですね。
それこそがオレの年に一度しかない最大のカタルシスだったわけです。
そのうま味が奪われ、なのにあのキツイ日々が変わらないのであれば、もう続けられる自信も理由もない、とね。
というわけで、鬱トーークは以上。
何が言いたいかというと、就任以来オレがプログラムで採りあげた曲というのは
どれも大なり小なり思い入れがあるのですよ。
次回は、それらの曲を思い出せるだけ思い出して、簡単にコメントしてみようと思います。
曲に対する感謝、あるいはオレの退任に際してのある種の儀式みたいなものだと思ってくだされば幸いです。
♪ #49: 冬空のジュエル / アクアマリン
最近やたらとCMで流れてる、「今年のGWは、2日休むと最大10連休」なんていう謳い文句は、
日曜休みの仕事の人が、「今年2016年は、314日休むと最大366連休」なんて浮世離れしたことを言うのと同じ次元の話だと思います。
でも現実にはその浮世離れを実現できる人がいるってんだから、羨ましい限りですね。
(でもよく考えたらその辺の工場なんかもGWは10連休とかだった気がする)
GWはおろか盆休みもないし、あまつさえ正月休みすら覚束ない今の仕事。
普通に考えたら「てられな」なんですが、米の供給が止まると真っ先に困るのはおれなので文句言えません。
それよりも1か月に1回の当番日にしか土曜日に仕事行かなくていいほうが全然ありがたい。
土曜日は定時ないので、サッサと終わらせれば昼過ぎとかに早く帰れるし。
最近は残業時間が1日平均2時間ちょいくらいに安定してきた管理人です。
世間的には全然楽です。
先日の八本松トンネルの事故……たいへんな事故でしたね。
まさか近所であんな大事故が起こるとは、ホントに恐ろしいです。
事故のあった日は、朝7時半ころに仕事場の部屋に入ったのですが、
少し経ったくらいからしきりにサイレンの音が鳴っては過ぎ、鳴っては過ぎで、
同じ部屋にいた人と、「なんか今日スゴいサイレン鳴りよるけどなんかあったんですかね?」と話してました。
実はウチの職場は、すぐ近くを高速が走っておりまして、
おれが普段いる部屋の窓からほんの100mくらいしか離れてない場所、しかもちょうど目線と同じ高さに見えるのです。なので丸聞こえ。
そのうち営業の人が
「高速が通行止めになった」
と慌てはじめたので、これはいよいよなんかあったなと。
気づけば上空ではヘリまで出動してるし。
昼過ぎにテレビ見たら全国ニュースで流れるほどの惨事。
これはもう人災です。世田谷の事故と言い梅田の事故と言い、こういう事件はやるせないですね。
――――――――――――――――――――――――――――
さて、先週日曜日の東広島ウィンドアンサンブル第26回定期演奏会、
大盛況の中で無事に幕を閉じることができました。
こんないい天気の中で迎える定期本番ってちょっと記憶にないぞと思うほどの天気の中、
しかも3連休の中日という条件にもかかわらず、多くの方にご来場いただくことができました。
皆様、本当にありがとうございました。
毎年言ってますが、一般吹奏楽団なんてのは、地域の方々を始めとした、
聴きに足を運んでくださるお客様がいなくては到底成立しませんので、
ホントに感謝感謝の日々です。
色々ハプニングや、まあいつものごとくリハの段階で突然暴走しだす人なんかもいて、
おれもいつものごとく沸騰しまくってたりしたんですが、
終わってみれば、あれだけ不安視されまくってた演奏面では、
予想以上の好演になったのではないかと自負しております。
それでは、1週間が経ちましたが、
プログラムを1曲ずつ振り返ってみたいと思います。
♪ コンサートマーチ 「セカンド・センチュリー」
「吹奏楽作曲家と言えば?」というアンケートをとったら全世代から3位以上を獲得するであろうほどの巨匠リードですが、
先に申しておりました通り、ワタクシ初めてリードの曲を演奏しました。
少しウラ話をしますと、1部の4曲を決めるにあたって、以下のようなプロセスを辿ったのです。
・今年のメインは『ステラー・ウインド』でいこう!
→3曲目の課題曲は、前からやってみたかった『パルス・モーションⅡ』だ!
→となると緩急、メリハリをつけるために、2曲目はパルスと真逆の方向性の曲でいこう。
場面転換が多くてひたすら抒情的な曲……おぉ!『丘の上のレイラ』なんてピッタリじゃないか。
→しまった、ここまで全部邦人作品になってしまった。せめて1曲目は外国人の作品(できれば行進曲)を選ぼう。
バランス的にも1曲はライトなマーチを入れたいし…でももう今年分の楽譜予算が…
お!団の蔵書リストを見たら、リードのマーチ持ってるじゃん。しかもまだやったことないみたいだし。
つまりどういうことかと言いますと、消去法かつ「たまたま持っていたから」に他なりません。
尤もらしい選曲理由を後付けで語ったところで、きっかけはひたすら後ろ向きな情動に端を発していたのです。
まあでもさすがにリード。計算されたような音の構築はまさしく巨匠の仕事。
吹けば勝手によく鳴る楽譜というのは、なかなか出逢えないものです。
そしてそんな楽譜に出逢えるというのは、実はとっても幸せなことなのでしょう。
♪ 丘の上のレイラ
去年のアンケートでは、
「選曲がゴツい」「もっと聴きやすい曲があるといい」
みたいな声が多く挙がっておりまして、
確かに去年はミレニアムカノンにダスクなど、吹奏楽ファンからしてもイカツい曲が多かったなぁと。
今年はそんな反省のもと1部の選曲をしたのですが、その象徴と言えるのがこの曲でした。
前述したように、マーチはさておき、3曲目のパルスもテンポが一定でモノクロな印象の曲なので、
この枠には、なるべく場面が豊富で色彩的な「癒し系」の曲、
それで以て「分かりやすい、聴きやすい」曲をと心がけました。
この曲は高校の頃、一時期アホみたいに聴きまくってた時期があったのですが、
ジブリの曲みたいな親しみやすさと、胸にこみ上げるようなセツナ系の美しい旋律が非常に印象的で、
先の条件に沿って考えたとき、パッとすぐ頭に浮かんだのがこの曲だったんです。
テンポが速い部分も含めて、全体的に緩やかで女性的な印象なのも、
前後の曲との兼ね合いを考えるといいバランスだったかなと。
あとこの曲は小編成で書かれてるのもポイントでした。
4曲やるなら、1曲はそういう方向性の曲も入れときたいですしね。
モロに中高生ウケしそうな曲風である反面、大人になるにつれて選択肢から外されていきそうな、
いかにもスクールバンド向けのレパートリーのような気もするのですが(シェルドンやスウェアリンジェンが大人になるにつれて演奏されなくなるようなものと言えるでしょうか)、
こういう曲が1曲はあったほうが、演奏者とお客さん、どちらにとっても疲れないと思うのです。
なんのために4枠あるのかってことを考えれば、
これからもこういう姿勢は大事にしたいものです。
♪ パルス・モーションⅡ
課題曲史上に残る伝説の1994年の課題曲Ⅱです。
大抵の年は、いくら他が難しいと言っても1曲くらいは「逃げられる」曲というのが存在するのですが、
この年はホント容赦なかった。
課題曲ヲタクとして後年聴きなおすのならともかく、
リアルタイムでこの年の課題曲を初めて聴いた全国の吹奏楽部員たちの絶望たるや。
マジで吹連頭オカしいんじゃないかと思ってしまいます。
実際この年は、例年A部門に出ている学校が、最初から、或いは粘ったけど間に合わずB部門に切り替えるといった事例も多発していたらしいですし。
そんな悪名高き1994年の曲の中で、恐らく再演される機会に最も恵まれないであろう曲こそ、
この『パルス・モーションⅡ』ではなかろうかと。じゃあそれを敢えてやっちゃおう。
難しい課題曲として有名な『饗応夫人』は言うに及ばず、
聴かせどころが豊富でドラマチックな展開も程よく盛り込まれた『ベリーを摘んだらダンスにしよう』や『雲のコラージュ』といった他のラインナップとは異なり、
ひたすら冷淡に無機質に、まるでプログラミングされたシステムのように感情なく展開するこの曲は、
お世辞にもこういったアマチュアのコンサートピース向きの曲とは言えません。
そもそもこの曲は一部から、課題曲史上に残る地雷曲、それもタチの悪い「見えない地雷」と言われるほどで、
この曲を課題曲に選んだ団体はことごとくその地雷の前に惨澹たる結果で散っていったとか。
そんな曲を今さらわざわざやるこたぁないだろうってのが大筋の見方なのでしょうが、
少なくとも課題曲に関しては、「他の団体がなかなか選ばないようなところを攻めたい」が信条のおれですから、そこは。
みんなで一緒にC音連打地獄に堕ちませんかと。
そんなこんなで課題曲枠にこの曲をやろうと決心した際、おれが最初に行った行動は、
「ユーフォ、チューバパートに許可を取る」というものでした。
この曲はザックリ言うと、
【難 木管(+鍵盤打楽器)>金管(+その他打楽器) 易】
【難 高音>低音 易】
て感じで難易度分布がおおよそ判定できるのですが、(←ただし、「易」のパートはパートで、持続力や精神力なんかでボレロ的な難しさがある)
まあ金管低音の楽譜のつまらなさ加減が尋常ではないのです。
ユーフォもチューバも、メロディーは一切ナシ!どころか、曲中の95%がC音で構成されるという、非常に教育的配慮のない無慈悲な譜面なのです。
木管低音や弦バスあたりはまだ楽しい(練習し甲斐のある大変な)部分が存在するのですが、
ユーフォチューバの譜面は、ホントにもう無残なこと焼け野原の如し。
こんな曲をやろうってのなら、さすがに事前にこれら2つのパートのリーダーに許可くらいとらなくてはという気持ちにもなるってものでしょう。
というわけで、昨夏のある練習日の休憩時間に、ユーフォとチューバのリーダーのところに行き、
「ユーフォとチューバには酷な曲なんですが、どんなですか…?」
とかなり下手に出て聞いてみたのですが、口を揃えて帰ってきた答えは、
「あぁ、酷な楽譜ってこういう系?難しい方面かと思ったわ。こういうのなら全然オッケー」
と、あっさり即決。恐らく秘儀地獄で心身共に蝕まれていたのでしょう。
ともあれ、無事にプログラムに入ったこの曲ですが、
恐らく金管と木管で、練習量にかなりの差があったのではないかと推測されます。
塊で押し寄せる、木管のあの16分音符のパッセージや、
8分単位の裏拍のみならず、16単位の裏裏拍がてんこ盛りの嫌らしさウルトラCのパッセージ。。。
いや、ホント木管の皆様、いっぱい練習してくださってありがとうございます。
トランペット1stの方とホルン1stの方にも、多大なる負担をかけてしまいました。
血管切らずによくぞ吹き切ってくれました。。。
……うん、これはコンクールという場で演奏するような曲じゃないな。
減点されやすいポイントてんこ盛りな上に、プラスに生かせる要素が少なすぎ。。。
でも本番は非常にいい演奏だったと思います。
おれは結構楽しんで吹けました(トランペット2nd)。
♪ ステラー・ウインド
今年のメイン。変拍子地獄で譜読みがもう非常に大変だった点に尽きます。
鋒山亘という作曲家の作品を、おれが企画やってるうちに一度はしてみたかったというところから始まり、
彼の作品の中では比較的取り組み易いのではないか(というより、「これならなんとかできるかな?」って選び方になっちゃうグレード帯の作曲家です。基本的に)、
とピックアップした曲が、この曲だったのですね。
吹奏楽にあまり浸かってない作曲家による作品だけに、
普段吹奏楽ばっかりやってる人間からすると、非常に取っつきにくいリズムパターンだったり譜割りだったりのオンパレードで、
慣れるまでがもう試練の日々でした。
中間部なんて、無限の宇宙空間に突如放り込まれたような感覚に陥る錯覚すら覚える、
時が止まったようにウットリするくらい静かで流麗な音楽が紡がれるのですが、
(←ここのピアノ、グロッケン、ビブラフォンの3重奏の儚げな美しさに惚れてこの曲を選んだと言っても過言ではありません!)
序盤や終盤は、余計な感情は捨てて心のないロボットにならざるを得ないくらいでした。人間メトロノーム。
テーマも曲自体もすごく好みで、最終的に完成した演奏も、「この曲撰んでよかった」と思えるものでしたが、
まぁ苦行のような日々でね、それはそれは皆さん大変だったと思います。
でもこれでまた一つ経験値積んだので、
次はもっとエグイ変拍子の曲なんかもいけちゃったりしないでしょうか。(変拍子大好き人間なので…)
余談ですが、プログラムに記載されているこの曲の紹介文は、だいたいおれの妄想文が元になってます。
この曲、情報が全然ないんですよ。
ホントは作曲者に直接コンタクトを取って執筆してもらえばよいのでしょうが、
なかなかそういうワケにもいきませんのでね。
なので、書いてある内容が正しいかどうかについては保証しかねますが、
おれのこの曲に対する熱い想いが伝われば何よりです(オイ)
♪ DREAM SOLISTER
第2部のオープニング、曲自体の知名度は相当低いでしょうが(オレもやらなければ知らずじまいでした)、
吹奏楽を取り扱ったアニメということで、ほぼ1年経ってますけどあやかろうということで採用。
『響け!ユーフォニアム』のOPとなった曲です。
結局このアニメは見ずじまいでしたが、選曲段階でオープニング映像だけ見たことはあります。
Aメロの部分でメイン登場人物と思われる4人が順に映される演出があり、
そこで彼女たちの名前が音楽記号を使ってデザインされているのですが、
斬新かつ遊び心にあふれた非常に評価されるべき発想だと感心した覚えがあります。
それにしても、小説原作のアニメとは言え、
主人公の名前が「久美子(くみこ)」だなんて、最近の作品にしちゃ随分と古風(というか良心的)な名前だなぁと思っていたら、
裏に核ミサイル級のDQNネームが潜んでてぶったまげたものです。
でもイマドキ普通にいそうで笑えません。今度小学校教師のJungleに聞いてみよう。
日本語は移り変わってゆくとは言え、心に感じるこの気持ちはなん~だろ~~♪
そうそう、Jungleに聞いてみようで思い出したのですが、(ここからドリスタの話題関係ないです)
最近小学生の間では、「壁ドン」が流行っているんですってよ。
小学生の時分なんていつの時代も、
男子がしてきたことを女子が先生にチクリに行くというのは恒例行事みたいなモンでしょうが、
おれが小学生のときなんかは、
「せんせぇ~、○○クンが変な本(例:通学路で拾ったエロ本)持ってきてるんですけど~。」
だったものが、
最近だと、
「せんせぇ~、○○クンが壁ドンしてくるんですけど~。」
って報告が届くらしいよ。
果たして、小学生の程度は上がっているのか下がっているのか。
さらに昔がスカートめくり(←そもそもこれってホントにあったのか?おれの世代からすると都市伝説レベルですが。)だったことを考えると、
少なくとも下がっているわけではないでしょう。
擦れてきている、というのが模範解答でしょうかね。。。
こんな田舎地方にも都会の悪い部分が波及してきているようで、
心に隙間風が吹くようなこの気持ちはなん~だろ~~♪
♪ フックト・オン・クラシックス Vol.3 (楽器紹介編)
今年の楽器紹介枠。
今年は定期前々日の夕方に、Jungleからインフルになってしまって定期出れないという連絡があり、
ウィンド史上でも例がないという緊急事態に見舞われるというハプニングがありました。
土壇場に来て今更インフルかよと、
ていうか小学校教師のくせに予防接種受けてなかったのかよと、
ていうかアナタ今日(連絡のあった18日金曜日)卒業式じゃなかった?(Jungleは6年生の担任)
なんて色々な思いが交錯する落ち着かないハナキンを過ごしたわけですが、
こうなってしまったものはもうしょうがない、
『いちばん無念なのは彼なのだし、その上彼に「自分のせいで演奏会が失敗した」と思わせるわけにはいかない』
という団長の声に、ありがたいことにみんなが共鳴してくれました。
これも彼の日頃の品行方正な行いの賜物、人望の成せるワザでしょう。
あぁ、おれはまたオマエに嫉妬しているよ(いつものことだけど)。
オマエの弔い(?)のためにみんながこんなに燃え上ってくれてんだぞ。
おれが同じ立場になった時には、きっとここまでにはならないハズだ(企画になって以降、株を落とした自覚があり過ぎる)。
さて、演奏面ではトロンボーン奏者の彼ですが、
今回は幸いにもJungleの担当パートが一人になる曲というのはなかったらしく、
そちらはなんとかなるとのことでした。
問題は演出。
今回の定期で彼が演じるのは以下の役どころ。
●『フックトオン…』の楽器紹介ナレーション
●『フックトオン…』のトロンボーンパート紹介時の演出(応援団長)
●『長寿番組…』の3人いる演者その1(役多数)
ボーンの演出も、残りの2人でなんとかしてくれるとのことで、
ここで考えなくてはならないのは、ナレーションの代役です。
(2か月程前に一度この曲をナレなしでやった際、曲中何度も非常にいたたまれない空気に包まれたので、
ナレーションなしという選択肢はありません)
声のお仕事と言えば、何と言ってもわがトランペットパートの核弾頭なべ氏です。
ちょうど彼はおれと2人でラッパパートの演出を舞台前方で行うため、この曲は降り番です。
問題は、今から喋るタイミングを覚え、かつ短い尺の中でハッキリ伝わる喋りをマスターしなくてはならないこと。
後者については、彼ならまあなんとかなるだろうとそれほど心配はしてないのですが、問題は前者。
どちらかと言えば、超短期間で譜読みをマスターするのは決して得意とは言えない彼なので、
前日は暇さえあれば、ナレーションのタイミングが書いてあるこの曲のスコアを見ながらおれのipodを聴いていました。
正直、このポイントを考えるならおれが喋るのが手っ取り早いのですが、
職業柄なべ氏の方が人前で喋り慣れてるのと(高校教師)、おれがまだ声治りきってなかったのとで、
なべ氏には大変な詰め込み教育で苦しませてしまいました。申し訳ない…。
なんとかギリッギリで形になり、
本番でも急繕いとすればほぼカンペキなナレーションを見せてくれました。感謝。
さて肝心のラッパの演出。
トランペットの紹介時に割り当てられた曲が『ウィリアム・テル序曲』だったこともあり、
何をしようかと考え始めてから、結局「りんご」しか浮かばなかったのです。
ウィリアムテルといえば、りんごを頭に乗っけてそれを撃てと言われるお話ですのでね。
これは一般的にも認知度の高いストーリーでしょう。
で、それじゃあリンゴを使って何をするかと。
まず画的にリンゴは大きければ大きいほど良いし、
それなら物語に沿った内容はできないしで、ここは結構悩んだものです。
当初から、「リンゴでなく間違えて人を狙撃してしまう、という展開はやらない」と決めていました(←不謹慎だし、あまりにも発想が陳腐で悪い意味でくだらなすぎるから)。
加えて、「矢が刺さるギミックを制作するのが困難だから」という理由で、
なんとか矢を射ること以上にインパクトのある展開(オチ)を持って来たかったのです。
結局、構想初期に浮かんでいた、
「得体のしれない巨大なリンゴを発見
→とりあえず狙撃
→半分に割れて中から人が登場
→妖艶な腰振りダンスで観客を魅了(狙撃手は、「ダメだこりゃ」な古典的反応をとる)」
という、元ネタは言わずもがなの、あの国民的長寿アニメのOP映像からインスパイアされた内容に決定しました。
制作する小道具としては、はりぼてリンゴとクロスボウの2つ。
余談ですが、おれはずっとリンゴは弓矢で射られたのだと思ってましたが、
正式には「クロスボウ」だったようなので、こちらを採用しました。
客席からはよく見えなかったと思いますが、
実はこれが『長寿番組』も含めて、今回制作した小道具の中で一番の自信作でした。(黒柳徹子パクパク人形も捨てがたいけど)
100均で入手した、離れたものを取るための取り棒(グリップを握ると先端がマジックハンドみたいにパカッと開閉する)を銃身にし、
ホームセンターで入手した、菜園とかで使うU字形の支柱を弓部として銃身に据え付けて固定し、
毛糸を弦に見立ててそれっぽく強固に結び付けて完成。
占めて150円ちょっとで完成したなんちゃってクロスボウ。
なんといっても銃身役にこれ以上ないほどしっくりくるフォルムのシロモノを発掘できたのが最大の勝因です。
続いてリンゴ。こちらも完成度はなかなかと自負しております。
このリンゴのテーマは、「能ある鷹は爪を隠す」。なんのこっちゃ。
観客席から見れば、ただの一枚板(というか段ボール)を真ん中から半分に切断し、赤く色を塗っただけに過ぎないのですが、
実はこのはりぼてリンゴは、演者が使いやすいような工夫を施したやさしい仕様になっておりました。
まず、ただの一枚モノでは段ボールの厚み分しか地面と接する部分がなく、自立せずに倒れてしまうので、
裏側に土台となる部分をくっつけています。
土台は、単に底面積を確保するだけでは、リンゴ部分の重さに負けて前方に倒れてしまうので、
おもりを適量入れて全体の重心を調整する必要があり、
かつそれがリンゴの上半分をつけた状態でも外した状態でも自立するバランスに調節する必要があります。
ちなみに今回バランス調整に使ったおもりの総量は、25号のL型テンビン6個。
釣りしない人にはよくわからないでしょうが、段ボールって結構重いのねと実感しました。
そして、裏に隠れた状態で中腰で移動を強いられる演者の負担を少しでも軽減するため、
この土台の底面にはキャスターを四隅に設置しています。
これで移動もラックラク。
そして、リンゴの上半分を隠した状態の際に、手で軽く支えるだけで全体が安定するように、
上半分のパーツに2か所爪を取り付け、下半分のちょうどピタリ合わさる位置に
その爪がピッタリはまる鍵のような仕組みを導入しました。
居酒屋でよく見るタイプの下駄箱の鍵みたいな感じ、といえばイメージしやすいでしょうか。
簡単に言えば、上半分のパーツ裏側に取り付けた凸を、下半分のパーツ裏側につけた凹に嵌めることで、
全体をグラつかせず安定させられる、というステキ仕様。
これら3つの客席からは見えない改造、結構苦労しましたし費用対効果は多分全く機能してませんが、
制作前の簡単な設計図通りのものを機能性含めて再現することができただけで満足です。
まだまだ小道具作りはおれのもんじゃい。
でも何が一番大変だったかって、
表面を赤く塗装するのに油性スプレーを使用したのですが、
室内(自宅)で大量使用したせいで、細かな赤い粉塵が部屋中に舞い降りて大掃除を余儀なくされたことです。
乾燥の時間のことも考えて、朝一に塗装してそのまま仕事に行ったのですが、
帰宅してビックリ。部屋中のモノというモノの表面に、うっすらと赤い膜ができているではないですか。
頑張って元通りに掃除しましたが、壁紙もちょっと赤くなってたのでスゴク焦りました。
ただ本番では、リハのときにはなかったベースアンプのコードにコロが引っかかり、
リンゴ役で上手側から登場するなべ氏が少し遅れ&焦ってリンゴをちょっと開いた状態で登場というハプニング。
まあこれは交通事故みたいなものでしょうがない。
強いて言うなら、リハのときに本番と同じ状態にしてなかったベースアンプ使用者が悪い。
ただ、その影響でおれも少々テンパってしまい、オチの後に取ろうと思っていた行動をすっかり忘れておりました。
拙者まだまだ修行が足りぬ。
そうそう、いつもは演奏に徹してくれる奏者も今回は遊びました。
ご存じのように、揃いの馬のマスクを被っての演奏。
曲が競馬のファンファーレチックな曲調だったからなのか、単に画的に面白いからってだけなのかはよくわかりませんが、
シメの馬の嘶きに至るまで、なかなか上々の出来に終わったのではないでしょうか。
ところで、1月にとある本番でこの曲を演奏したことがありまして、
練習がてら馬マスクだけはその本番でも採用したのですが、これが全然見えない上にほとんど聴こえないんですよね。
そのときはおれも演奏者として乗ってたので馬マスク被ってウィリアムテルを吹いたのですが、
視界の自由がほぼ利かない(とりあえず普通の体勢では指揮者や楽譜は見えない)という極限状態に置かれるため、
暗譜に加えて、あと何小節で出番なのかまで完全に把握していないといけないという余計なストレスを強いられるので大変でした。
なのでみんな自分のちょうどいい位置に耳の穴なんかを開けてましたね。
ちなみにこの1月の本番はテレビの取材カメラが入ったのですが、
後日ローカルニュースで流れた映像を見ると、短い尺の中、ラッパの馬マスク演奏がしっかり放送されてしまってました。
ネタバレになっちまうよと、ちょっとだけ「あーあー」と思ったものです。
♪ 伝説の「長寿番組」メドレー
前述の通り、3人で愉快な演出をするはずだったのですが、急遽中止。
ストーリー重視の内容ではないとは言え、2人では到底できない内容だったので。。。
急遽スタンドプレイや小道具を揃えるなどしてもらい、奏者の皆さんに助けてもらいました。
悔しいのでここまで。この無念は来年晴らします。
♪ 言葉にできない
3部構成という特殊構成だった昨年を除いたここ数年(というか少なくともオレが入団して以降は)、
第2部のこの位置(演出メイン曲と本編ラスト曲の間)とアンコール1曲目は、しっとり系J-Pop(それも懐メロ率高し)が配置されることが多いです。
J-Popでなくとも、知名度の高いしっとり系BGM(過去の例:「Let it Be」「メモリー」…等)であることはだいたい共通しております。
その理由は、
「演出枠やラスト曲などではっちゃけた系の曲が続くので、奏者もお客さんもちょっとクールダウンするため」
「緩急をつけて、プログラムの進行にメリハリを効かせるため」
「吹奏楽譜が出版されるレベルのJ-Popは結構みんな知ってる上に、奏者的には負担が少ない(簡単なので練習にそれほど割かなくていい)ため、費用対効果が高い」
などが挙げられるでしょうか。
また、この枠に組み込まれる曲は、
「春」「別れ」「郷愁」「卒業」「絆」といったイメージを想起させる曲であることも多いです。
(過去の例:「春よ、来い」「なごり雪」「home」「ありがとう」「花は咲く」……等)
理由は言わずもがなですよね。
3月にある年度最後の演奏会なので、毎年これを最後に卒団していく団員がいます。
お客さんにとっても、4月から新たに環境が変わるという方も多くいらっしゃるでしょう。
そういう方々にとって、わずかでもはなむけのようなものになれれば…という、
まあある種恒例の儀式みたいなものといえばいいでしょうかね。。。
さてそんなわけで、長い長い前置きを語らせていただきましたが、
実は今年、当初はこの枠にはkiroroの『Best Friend』をやろうと計画しておりました。
もとはNHKの「ちゅらさん」の主題歌でしたが、現在では卒業式で定番の曲となってますよね。
それプラス、おれがこの曲好き…というかkiroroが好きだからというのもありますが…。
ところが、企画書を一部首脳陣に見てもらった際、
「何で今更kiroroなの?」の一言の前に情けなくも轟沈してしまったわけです。
例えば3年くらい前の曲をやるとなってこう言われるのはわかるのですが、
もう10年以上前の曲なので、中途半端に新しいわけでもなく、
サイクル的にはボチボチ引っ張り出しても何ら違和感はないくらいの「懐かしさを感じる」年数は経っていると個人的には思うのですが、
結局、「卒業シーズンにピッタリだから」以上の理由が思いつかず、説得できずに断念したわけです。
で、悔し紛れに出したのがこの『言葉にできない』でした。
この曲に関してはなぜか何の物言いも入らず、即OKをいただいたのですが、それでは何故今この曲ならよかったのか?
まぁ、最後の部分(明治生命のCMで流れる部分)の歌詞は「適正アリ」なんですが、真相は闇の中です。
それにしてもJ-Pop界における、近年の卒業ソングド定番No.1といってもいい『Best Friend』でなんでOKをもらえなかったのか、
かなり後までずっとモヤモヤしておりました。
そんな日々を過ごしている中で飛び込んできたある一つのニュース
《ディズニーピクサー新作映画『アーロと少年』の日本版エンディング主題歌に『Best Friend』の新録Ver.を起用》
やりぃ!そら見たことか!(結果論)
もう何か月か早ければなぁと思いつつ、
これでこの曲をやる決定的な後ろ盾を得たので、
リベンジとして春からのプログラムに組み込んでやりました。
本当は春でなく秋のプログラムに入れて、そのまま定期にのせる形に持っていければベストだったのですが、
致し方ありません。こういう流行りモノは鮮度が命ですし。。。
別に意地悪で落とされたわけではないでしょうが(おれの弁が立たなかったのが悪い)、
心の狭いおれは、
『定期で入れてれば、「最新のネタをもうやるんだ!フットワーク軽いね~」という評価をもらえたかもしれないのにな~…』
と、自分の先見の明に一人悦に入っているのであります。
先見の明と言えば、そういえば去年はもう一つ、
酒まつりでの金管アンサンブル(カプリチオではない、ウィンドと賀茂吹の混合メンバー)から依頼されたマッキーメドレーで、
入れるかどうか迷って結局入れた『No.1』(←20年以上前の曲。一般的には言うほどメジャー曲ではない)が、
その後「俺物語!!」の映画版主題歌に起用されるというミラクルもありました。
ここんトコなんだか妙に冴えまくってるおれのインスピレーション。
尤も酒まつり2日目の本番では、
「キツイから」という理由で、よりによってその『No.1』だけカットされるというミラクルのオマケつきでしたが…(^^ゞ
ということで結局何が言いたいかと言いますと、
いい曲だとは思うけど、おれは『言葉にできない』には何の思い入れもなかったよってコトです。
♪ ファンク・アタック
今回の本編ラスト曲は、近年の傾向を踏襲したハッチャケノリノリ系ポップス。
吹奏楽オリジナルポップスなので、一般の人は(というか吹奏楽界でも割とマイナー曲なんで演奏者も)初めて聴くハズの曲……
なのに一回聴いただけで強烈に耳に残る、中毒性の高い曲ではないでしょうか。
この曲の作曲者である、オットー・M・シュワルツという人物、
吹奏楽曲から映画音楽、さらにはジャズ方面まで幅広く活躍するオーストリアの作曲家で、実は結構スゴイ人なんですが、
全体的に「B級映画風味」な作品(←当然賛辞として使ってますよ)をドッカンドッカン書いております。
演奏会のメインにも使える規模の大曲もバンバン書いてるのですが、
軒並み「ダサカッコいい系」とでも言いましょうか、
カッコいいのは誰もが認めるけど、ある種俗っぽい雰囲気がそこはかとなく漂う独特の世界観を作り出しています。
この『ファンク・アタック』などはその典型的な例と言えます。
この曲は大曲ではなく完全にポップス曲なんで、そういった曲とはスタートラインが違うとはいえ、
カッコいいけど、なんなんだこの芋っぽいノリは!と言いたくなるムード全開です。
もうギャグかってくらい突き抜けた能天気さ、バカっぽさがたまりません。
冷静に聴けば、中間部の「ベース」「中低音」「中高音」「高音木管」の4パートが徐々に複雑な絡みを形成する箇所や、
それに続く荒ぶるドラムのターンなど、普通にクールなポップスなんですが、
いかんせん冒頭を始め曲中何度も出てくる「ダダッダダッダダッダッダッダッダッダダダダダッダダッ!」のリズムパターンが頭にこびりついて、
なんかこう、ジワジワとクるものがありません?
決して王道的なカッコ良さではないかもだけど、
泥臭く芋っぽく、笑いがこみあげてくるほどダサい、なのになんでこんなにカッコいいんだ!悔しい!
みたいな曲です。
難易度高めでチョコザイな譜面の曲が多いけど、
ポップスステージの選曲に困ったら、シュワルツ作品はオススメです。
♪ Old and Wise
アンコール1曲目は、セオリー通りしっとりバラード系で攻めましょう、
ということで今回引っ提げたのは、UKロックバンド「アラン・パーソンズ・プロジェクト」による洋楽「Old and Wise」です。
洋楽ファンの間では隠れた名曲として人気の高い曲らしいのですが、
一般的な知名度は決して高いとはいえない(そもそもシングル曲ですらない)この曲をなぜ持ってきたかと言いますと、
単におれが昔からやってみたかったからに他なりません。
オレがまだ中学生だった頃、2歳上で高校生だった姉が、
コンクールで『ロス・ロイ』という曲をやることになったと、それが収録されたCDを持ち帰ってきたことがあったのです。
一緒になってオレもロスロイ始め、その他のラインナップも聴いていたのですが、
その中に入っていた1曲に、おれはひとめぼれならぬコシヒカリ……じゃなくてひと耳惚れをしてしまったのです。
これほどまでに肺腑を衝くこの玲瓏たる旋律はどうだ!(←海原雄山風)
衝撃的な第一印象をおれに抱かせたその曲こそ、この『Old and Wise』でした。
時が経って大学生になったある時、
ふとこの曲のことを思いだしてYouTubeで検索。
原曲を聴いて蘇る当時の思い出に、いつかこの曲をやりたいとかつてより強くなる気持ちを覚えたのです。
それから何年経ったでしょう、
奇しくも今は選曲を担当できる大変ながらも幸せな立場に就くことができました。
「やるなら今しかねぇZURA」ということで、この度選曲企画書に挙げたのです。
おれとしては、曲を知らなくても「なんか心に沁み入るキレイな曲だね~」と感じてもらえるハズと確信していたのですが、
そうはいってもやはり、
『「マイナー過ぎるけど、そこんとこ大丈夫なの?」的な意見が飛んでくるだろうな~』
『そこを突かれるとこちらとしても反論の余地なしで結構厳しいなぁ』
などと考えておりました。基本的に後ろ向きです。
ところが蓋を開けてみれば、「想像以上にマイナーすぎて何も触れられない」という、
予想のさらに上を行く規格外の驚くべき結果に。
通過したのはうれしいけど、何もツッコまれないと逆に不安になるぞ。
ま、まぁ、やっていいってんなら…ありがたくやらしていただくけどさ…(笑)
メジャーとは言えないピースだからでしょうか、
とっくの昔に絶版になってたので、楽譜入手に少し苦労しました(輸入譜だったので余計厄介だった)が、
無事にこの曲をやる機会を得られて、おれはとても満足しました。
演奏者の皆さんおよび聴きに来てくださった皆さん、おれのワガママに付き合ってくれてありがとうございます。
ところで、終演後に毎年家族総出で聴きに来てくれる家族に遭遇したらば、
姉からいの一番に、「アンコール1曲目の曲なんていう曲じゃったかいね!?」と。
当時は姉も一緒に「この曲いいね~」なんて言ってたのですが、曲名の記憶が飛んでいるのでしょう。
聴き憶えはあるけど、でもタイトルが思い出せない…と相当苦しんでいる様子。
アンコール曲ってプログラムに載らないからその場で調べようもないしね。
必死で曲名を教えろとすがりつく姉には結局教えず放置プレイにして(ひどい弟だ)退散。
あまりに気になり過ぎてその後、
「同じCDに『おおみそか』が入っていたハズだ…」というかすかな記憶から力ずくで記憶を辿ることに成功したらしく、
2、3日後に「あの曲って『Old and Wise』?」とメールが来ました。おめでたう。
ちなみに別の人からも、
『知り合いから「アンコール1曲目の曲名って何ですか?」って聞かれたんよ。教えてくれない?』
と連絡がありました。
単に曲名が載ってなかったから知りたいってだけかもしれませんが(アンコール2曲目は誰でも知ってる曲だし)、
初めて聴いた人に、「知らない曲だけどキレイな曲だな~」と思ってもらえたのなら、それだけで俺は感無量です。
自分が好きなモノやコトを他の人に理解、同調してもらえることほど幸せなことはありません。
♪ ルパン三世のテーマ’78 ~SKA Ver.~
そしてアンコール2曲目、演奏会の最後の最後もセオリー通り、
「細けぇこたぁいいからとりあえずテンション上げて突っ走れー」な曲を。
こちらは日本人なら誰でも知ってる曲ですが、一味違うアレンジでお届けしました。
「SKA Ver.」とある通り、スカパラがライブなんかで演奏するバージョンです。
ルパンの曲はこれまでいくつかのアレンジを吹いてきましたが、
今回やったこの版は、その中でも非常に吹きやすくて(鳴らしやすい)、雰囲気も含めて文句なく一番楽しいアレンジだったと思います。
スカパラはギターで演奏してる中盤のソロはまさかのシロフォンに。これがいい味出してます。
当日のソリストも見事。なんてったって大学で鍵盤打楽器専攻してた人ですからね。
惜しむらくは、イントロ終わり、メインテーマに入る直前のピストルがやや不発気味に終わってしまったこと。
むしろ、気づかなかった人も結構いるんじゃないかと思うほど。
定期翌日に見た、マイク調整も何もしてない、客席のお客さんと同じ聴こえ方の映像を見る限り、
そのタイミングでピストルを撃つってわかってるおれが聴いても、「ん?今鳴ったか?」て感じで、
これは当日一発限りのお客さんにとってはキビしいものがあったんじゃないかと。
この銃声エフェクトは楽譜にはないものですが、スカパラアレンジで入っていたので採用。
昨秋の酒まつりコンサートで布袋のルパン曲やったときにも使用したのですが、
とあるスジから入手したチャカを使ってます。
入手経路その他を明かすと、運び屋の身に危険(処分)が迫るので言えませんが、
リアルな銃声でなく、「バキューーン!!!」というホント漫画みたいな愉快でわざとらしい音が出せるチャカで、
エフェクトとしてはこれ以上ないくらいに優秀な働きを見せてくれました。
また銃声エフェクト使うことがあれば密輸しようっと。
そういえば、銃声絡みで一つ感じたことがあるんですが。
酒まつりのときも今回も、チャカをぶっ放す役のパーカス奏者が、次元をイメージした帽子を被った(被ろうとした←定期では被るの忘れてたらしい)んですね。
単に赤ジャケを準備するより手軽に入手できたからってだけかもしれませんが、
一般の人にとって、ルパン三世で拳銃と言えば、完全に次元なんだなぁと思ったのです。
確かにそのイメージはわかります。「銃=マグナム=次元」って発想というか…。
ルパンはどちらかと言えば頭脳的なイメージのほうが勝るでしょうし。
ただ、次元の作中での描写はあくまで「早撃ちに関しては世界一。その他命中率等の腕はルパンと同じくらい」とされており、
ワルサー使いのルパンは次元と同等の腕を持っているのです。
さらにそれプラス主人公補正というチートを使ってもなお揺るがないほど、固く植えつけられた「ガンマンと言えば次元」のイメージ。
確かにルパンが「ガンマン」という表現をされてるのは見たことないけど、
なんだか情報操作ってやつの力をまざまざと見せつけられたような気持になったのです。
別に次元が不満てわけじゃないですよ。メインの3人ならおれも次元が一番好きですしね。
そういえば……とちょっと思っただけです。
ところでルパンと言えば、
来年2017年は、モンキーパンチの手によりルパン三世という作品が世に出てからちょうど50周年となります。
2015年度は、前述の『TRICK ATTACK』(実写版ルパン映画のテーマ曲)に加え、このルパンスカもやったので、
ちょっと間詰め過ぎかなとも感じないではないですが、
とりあえず2017年にルパンものやらないのはルパンフリークからすると有り得ないので、
来年の定期(2017年3月19日)にご期待ください。
4年ほど前にヒーローメドレー作った時にはまだ’79 ver.すら出版されてませんでしたが、
ここ2、3年でルパンの様々なアレンジの吹奏楽譜が出版されだしたんです。
TVSP期に生まれた’97 ver.(←オレの中では’89 ver.と並んで最も好きな版)まで出てるんですよ。
しかもこの’97 ver.って、30周年記念で作られたこともあってなかなか壮大なアレンジなんで、
例えば定期第2部の冒頭に持ってったりなんかするとスゴく映えるんじゃないかと……ゴニョゴニョ。
周年といえば、
今年2016年は20世紀が生んだエンターテインメント界の鬼才、あのウォルト・ディズニーの没後50年に当たるんですよね。
ついでに言えばTDS15周年なんだってね。行ったことないけど。
今年はディズニー成分を例年より少し多めにしようかしら。
ついでに言えば、今年はコナンも20周年、ポケモンも20周年。
来年2017年は、前述のルパン50周年に加えてONE PIECE20周年と、
おれが関わってきたもの(現在進行形のモノ多数)が結構いろいろと区切りの年を迎えるのです。
やるかどうかは分からないけど、選曲のいい材料であることは確かです。
……え?USJも15周年?……えーと、知らん。
ハリポタは何年か前にやったし、
それでなくても今年から酒まつりコンサート(映画音楽シバリ)が出来なくなるっぽいから、逆風も逆風ですよ(泣)
ハァ、大変だけど雰囲気補正込みで定期と同じくらい楽しみな本番だったのになぁ。
東広島ウィンドの大きなウリの一つでもあったのになぁ。
………この話題についてはまた今度ゆっくりと、ね。
最後になりますが、ご来場くださった皆さま、本当にありがとうございました。
見せてはいけない演奏会にならなくてホントにホッとしてます。
今後とも応援をよろしくお願いいたします。
そして団員の皆さん、スミマセンが来期もアタクシが企画(とライブラリアン)をやらせていただきます。
60人全員が納得するプログラムや演出を考えるのは不可能だと思ってますが、
それでも少しでもみんながいい気持ちで取り組めるよう、
最大公約数的にみんなの納得できるポイントを模索していかなくてはとも思っています。
何卒ご理解ご協力ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
ということでね、気が付けばこの4月からウィンド8年目です。
かつてはピチピチ19歳の茶髪大学生だったのに、すっかりくたびれたムチムチ26歳に成り果ててしまいました。
そろそろ落ち着いたオトナ(意味深)になりたいです。
最近やたらとCMで流れてる、「今年のGWは、2日休むと最大10連休」なんていう謳い文句は、
日曜休みの仕事の人が、「今年2016年は、314日休むと最大366連休」なんて浮世離れしたことを言うのと同じ次元の話だと思います。
でも現実にはその浮世離れを実現できる人がいるってんだから、羨ましい限りですね。
(でもよく考えたらその辺の工場なんかもGWは10連休とかだった気がする)
GWはおろか盆休みもないし、あまつさえ正月休みすら覚束ない今の仕事。
普通に考えたら「てられな」なんですが、米の供給が止まると真っ先に困るのはおれなので文句言えません。
それよりも1か月に1回の当番日にしか土曜日に仕事行かなくていいほうが全然ありがたい。
土曜日は定時ないので、サッサと終わらせれば昼過ぎとかに早く帰れるし。
最近は残業時間が1日平均2時間ちょいくらいに安定してきた管理人です。
世間的には全然楽です。
先日の八本松トンネルの事故……たいへんな事故でしたね。
まさか近所であんな大事故が起こるとは、ホントに恐ろしいです。
事故のあった日は、朝7時半ころに仕事場の部屋に入ったのですが、
少し経ったくらいからしきりにサイレンの音が鳴っては過ぎ、鳴っては過ぎで、
同じ部屋にいた人と、「なんか今日スゴいサイレン鳴りよるけどなんかあったんですかね?」と話してました。
実はウチの職場は、すぐ近くを高速が走っておりまして、
おれが普段いる部屋の窓からほんの100mくらいしか離れてない場所、しかもちょうど目線と同じ高さに見えるのです。なので丸聞こえ。
そのうち営業の人が
「高速が通行止めになった」
と慌てはじめたので、これはいよいよなんかあったなと。
気づけば上空ではヘリまで出動してるし。
昼過ぎにテレビ見たら全国ニュースで流れるほどの惨事。
これはもう人災です。世田谷の事故と言い梅田の事故と言い、こういう事件はやるせないですね。
――――――――――――――――――――――――――――
さて、先週日曜日の東広島ウィンドアンサンブル第26回定期演奏会、
大盛況の中で無事に幕を閉じることができました。
こんないい天気の中で迎える定期本番ってちょっと記憶にないぞと思うほどの天気の中、
しかも3連休の中日という条件にもかかわらず、多くの方にご来場いただくことができました。
皆様、本当にありがとうございました。
毎年言ってますが、一般吹奏楽団なんてのは、地域の方々を始めとした、
聴きに足を運んでくださるお客様がいなくては到底成立しませんので、
ホントに感謝感謝の日々です。
色々ハプニングや、まあいつものごとくリハの段階で突然暴走しだす人なんかもいて、
おれもいつものごとく沸騰しまくってたりしたんですが、
終わってみれば、あれだけ不安視されまくってた演奏面では、
予想以上の好演になったのではないかと自負しております。
それでは、1週間が経ちましたが、
プログラムを1曲ずつ振り返ってみたいと思います。
♪ コンサートマーチ 「セカンド・センチュリー」
「吹奏楽作曲家と言えば?」というアンケートをとったら全世代から3位以上を獲得するであろうほどの巨匠リードですが、
先に申しておりました通り、ワタクシ初めてリードの曲を演奏しました。
少しウラ話をしますと、1部の4曲を決めるにあたって、以下のようなプロセスを辿ったのです。
・今年のメインは『ステラー・ウインド』でいこう!
→3曲目の課題曲は、前からやってみたかった『パルス・モーションⅡ』だ!
→となると緩急、メリハリをつけるために、2曲目はパルスと真逆の方向性の曲でいこう。
場面転換が多くてひたすら抒情的な曲……おぉ!『丘の上のレイラ』なんてピッタリじゃないか。
→しまった、ここまで全部邦人作品になってしまった。せめて1曲目は外国人の作品(できれば行進曲)を選ぼう。
バランス的にも1曲はライトなマーチを入れたいし…でももう今年分の楽譜予算が…
お!団の蔵書リストを見たら、リードのマーチ持ってるじゃん。しかもまだやったことないみたいだし。
つまりどういうことかと言いますと、消去法かつ「たまたま持っていたから」に他なりません。
尤もらしい選曲理由を後付けで語ったところで、きっかけはひたすら後ろ向きな情動に端を発していたのです。
まあでもさすがにリード。計算されたような音の構築はまさしく巨匠の仕事。
吹けば勝手によく鳴る楽譜というのは、なかなか出逢えないものです。
そしてそんな楽譜に出逢えるというのは、実はとっても幸せなことなのでしょう。
♪ 丘の上のレイラ
去年のアンケートでは、
「選曲がゴツい」「もっと聴きやすい曲があるといい」
みたいな声が多く挙がっておりまして、
確かに去年はミレニアムカノンにダスクなど、吹奏楽ファンからしてもイカツい曲が多かったなぁと。
今年はそんな反省のもと1部の選曲をしたのですが、その象徴と言えるのがこの曲でした。
前述したように、マーチはさておき、3曲目のパルスもテンポが一定でモノクロな印象の曲なので、
この枠には、なるべく場面が豊富で色彩的な「癒し系」の曲、
それで以て「分かりやすい、聴きやすい」曲をと心がけました。
この曲は高校の頃、一時期アホみたいに聴きまくってた時期があったのですが、
ジブリの曲みたいな親しみやすさと、胸にこみ上げるようなセツナ系の美しい旋律が非常に印象的で、
先の条件に沿って考えたとき、パッとすぐ頭に浮かんだのがこの曲だったんです。
テンポが速い部分も含めて、全体的に緩やかで女性的な印象なのも、
前後の曲との兼ね合いを考えるといいバランスだったかなと。
あとこの曲は小編成で書かれてるのもポイントでした。
4曲やるなら、1曲はそういう方向性の曲も入れときたいですしね。
モロに中高生ウケしそうな曲風である反面、大人になるにつれて選択肢から外されていきそうな、
いかにもスクールバンド向けのレパートリーのような気もするのですが(シェルドンやスウェアリンジェンが大人になるにつれて演奏されなくなるようなものと言えるでしょうか)、
こういう曲が1曲はあったほうが、演奏者とお客さん、どちらにとっても疲れないと思うのです。
なんのために4枠あるのかってことを考えれば、
これからもこういう姿勢は大事にしたいものです。
♪ パルス・モーションⅡ
課題曲史上に残る伝説の1994年の課題曲Ⅱです。
大抵の年は、いくら他が難しいと言っても1曲くらいは「逃げられる」曲というのが存在するのですが、
この年はホント容赦なかった。
課題曲ヲタクとして後年聴きなおすのならともかく、
リアルタイムでこの年の課題曲を初めて聴いた全国の吹奏楽部員たちの絶望たるや。
マジで吹連頭オカしいんじゃないかと思ってしまいます。
実際この年は、例年A部門に出ている学校が、最初から、或いは粘ったけど間に合わずB部門に切り替えるといった事例も多発していたらしいですし。
そんな悪名高き1994年の曲の中で、恐らく再演される機会に最も恵まれないであろう曲こそ、
この『パルス・モーションⅡ』ではなかろうかと。じゃあそれを敢えてやっちゃおう。
難しい課題曲として有名な『饗応夫人』は言うに及ばず、
聴かせどころが豊富でドラマチックな展開も程よく盛り込まれた『ベリーを摘んだらダンスにしよう』や『雲のコラージュ』といった他のラインナップとは異なり、
ひたすら冷淡に無機質に、まるでプログラミングされたシステムのように感情なく展開するこの曲は、
お世辞にもこういったアマチュアのコンサートピース向きの曲とは言えません。
そもそもこの曲は一部から、課題曲史上に残る地雷曲、それもタチの悪い「見えない地雷」と言われるほどで、
この曲を課題曲に選んだ団体はことごとくその地雷の前に惨澹たる結果で散っていったとか。
そんな曲を今さらわざわざやるこたぁないだろうってのが大筋の見方なのでしょうが、
少なくとも課題曲に関しては、「他の団体がなかなか選ばないようなところを攻めたい」が信条のおれですから、そこは。
みんなで一緒にC音連打地獄に堕ちませんかと。
そんなこんなで課題曲枠にこの曲をやろうと決心した際、おれが最初に行った行動は、
「ユーフォ、チューバパートに許可を取る」というものでした。
この曲はザックリ言うと、
【難 木管(+鍵盤打楽器)>金管(+その他打楽器) 易】
【難 高音>低音 易】
て感じで難易度分布がおおよそ判定できるのですが、(←ただし、「易」のパートはパートで、持続力や精神力なんかでボレロ的な難しさがある)
まあ金管低音の楽譜のつまらなさ加減が尋常ではないのです。
ユーフォもチューバも、メロディーは一切ナシ!どころか、曲中の95%がC音で構成されるという、非常に教育的配慮のない無慈悲な譜面なのです。
木管低音や弦バスあたりはまだ楽しい(練習し甲斐のある大変な)部分が存在するのですが、
ユーフォチューバの譜面は、ホントにもう無残なこと焼け野原の如し。
こんな曲をやろうってのなら、さすがに事前にこれら2つのパートのリーダーに許可くらいとらなくてはという気持ちにもなるってものでしょう。
というわけで、昨夏のある練習日の休憩時間に、ユーフォとチューバのリーダーのところに行き、
「ユーフォとチューバには酷な曲なんですが、どんなですか…?」
とかなり下手に出て聞いてみたのですが、口を揃えて帰ってきた答えは、
「あぁ、酷な楽譜ってこういう系?難しい方面かと思ったわ。こういうのなら全然オッケー」
と、あっさり即決。恐らく秘儀地獄で心身共に蝕まれていたのでしょう。
ともあれ、無事にプログラムに入ったこの曲ですが、
恐らく金管と木管で、練習量にかなりの差があったのではないかと推測されます。
塊で押し寄せる、木管のあの16分音符のパッセージや、
8分単位の裏拍のみならず、16単位の裏裏拍がてんこ盛りの嫌らしさウルトラCのパッセージ。。。
いや、ホント木管の皆様、いっぱい練習してくださってありがとうございます。
トランペット1stの方とホルン1stの方にも、多大なる負担をかけてしまいました。
血管切らずによくぞ吹き切ってくれました。。。
……うん、これはコンクールという場で演奏するような曲じゃないな。
減点されやすいポイントてんこ盛りな上に、プラスに生かせる要素が少なすぎ。。。
でも本番は非常にいい演奏だったと思います。
おれは結構楽しんで吹けました(トランペット2nd)。
♪ ステラー・ウインド
今年のメイン。変拍子地獄で譜読みがもう非常に大変だった点に尽きます。
鋒山亘という作曲家の作品を、おれが企画やってるうちに一度はしてみたかったというところから始まり、
彼の作品の中では比較的取り組み易いのではないか(というより、「これならなんとかできるかな?」って選び方になっちゃうグレード帯の作曲家です。基本的に)、
とピックアップした曲が、この曲だったのですね。
吹奏楽にあまり浸かってない作曲家による作品だけに、
普段吹奏楽ばっかりやってる人間からすると、非常に取っつきにくいリズムパターンだったり譜割りだったりのオンパレードで、
慣れるまでがもう試練の日々でした。
中間部なんて、無限の宇宙空間に突如放り込まれたような感覚に陥る錯覚すら覚える、
時が止まったようにウットリするくらい静かで流麗な音楽が紡がれるのですが、
(←ここのピアノ、グロッケン、ビブラフォンの3重奏の儚げな美しさに惚れてこの曲を選んだと言っても過言ではありません!)
序盤や終盤は、余計な感情は捨てて心のないロボットにならざるを得ないくらいでした。人間メトロノーム。
テーマも曲自体もすごく好みで、最終的に完成した演奏も、「この曲撰んでよかった」と思えるものでしたが、
まぁ苦行のような日々でね、それはそれは皆さん大変だったと思います。
でもこれでまた一つ経験値積んだので、
次はもっとエグイ変拍子の曲なんかもいけちゃったりしないでしょうか。(変拍子大好き人間なので…)
余談ですが、プログラムに記載されているこの曲の紹介文は、だいたいおれの妄想文が元になってます。
この曲、情報が全然ないんですよ。
ホントは作曲者に直接コンタクトを取って執筆してもらえばよいのでしょうが、
なかなかそういうワケにもいきませんのでね。
なので、書いてある内容が正しいかどうかについては保証しかねますが、
おれのこの曲に対する熱い想いが伝われば何よりです(オイ)
♪ DREAM SOLISTER
第2部のオープニング、曲自体の知名度は相当低いでしょうが(オレもやらなければ知らずじまいでした)、
吹奏楽を取り扱ったアニメということで、ほぼ1年経ってますけどあやかろうということで採用。
『響け!ユーフォニアム』のOPとなった曲です。
結局このアニメは見ずじまいでしたが、選曲段階でオープニング映像だけ見たことはあります。
Aメロの部分でメイン登場人物と思われる4人が順に映される演出があり、
そこで彼女たちの名前が音楽記号を使ってデザインされているのですが、
斬新かつ遊び心にあふれた非常に評価されるべき発想だと感心した覚えがあります。
それにしても、小説原作のアニメとは言え、
主人公の名前が「久美子(くみこ)」だなんて、最近の作品にしちゃ随分と古風(というか良心的)な名前だなぁと思っていたら、
裏に核ミサイル級のDQNネームが潜んでてぶったまげたものです。
でもイマドキ普通にいそうで笑えません。今度小学校教師のJungleに聞いてみよう。
日本語は移り変わってゆくとは言え、心に感じるこの気持ちはなん~だろ~~♪
そうそう、Jungleに聞いてみようで思い出したのですが、(ここからドリスタの話題関係ないです)
最近小学生の間では、「壁ドン」が流行っているんですってよ。
小学生の時分なんていつの時代も、
男子がしてきたことを女子が先生にチクリに行くというのは恒例行事みたいなモンでしょうが、
おれが小学生のときなんかは、
「せんせぇ~、○○クンが変な本(例:通学路で拾ったエロ本)持ってきてるんですけど~。」
だったものが、
最近だと、
「せんせぇ~、○○クンが壁ドンしてくるんですけど~。」
って報告が届くらしいよ。
果たして、小学生の程度は上がっているのか下がっているのか。
さらに昔がスカートめくり(←そもそもこれってホントにあったのか?おれの世代からすると都市伝説レベルですが。)だったことを考えると、
少なくとも下がっているわけではないでしょう。
擦れてきている、というのが模範解答でしょうかね。。。
こんな田舎地方にも都会の悪い部分が波及してきているようで、
心に隙間風が吹くようなこの気持ちはなん~だろ~~♪
♪ フックト・オン・クラシックス Vol.3 (楽器紹介編)
今年の楽器紹介枠。
今年は定期前々日の夕方に、Jungleからインフルになってしまって定期出れないという連絡があり、
ウィンド史上でも例がないという緊急事態に見舞われるというハプニングがありました。
土壇場に来て今更インフルかよと、
ていうか小学校教師のくせに予防接種受けてなかったのかよと、
ていうかアナタ今日(連絡のあった18日金曜日)卒業式じゃなかった?(Jungleは6年生の担任)
なんて色々な思いが交錯する落ち着かないハナキンを過ごしたわけですが、
こうなってしまったものはもうしょうがない、
『いちばん無念なのは彼なのだし、その上彼に「自分のせいで演奏会が失敗した」と思わせるわけにはいかない』
という団長の声に、ありがたいことにみんなが共鳴してくれました。
これも彼の日頃の品行方正な行いの賜物、人望の成せるワザでしょう。
あぁ、おれはまたオマエに嫉妬しているよ(いつものことだけど)。
オマエの弔い(?)のためにみんながこんなに燃え上ってくれてんだぞ。
おれが同じ立場になった時には、きっとここまでにはならないハズだ(企画になって以降、株を落とした自覚があり過ぎる)。
さて、演奏面ではトロンボーン奏者の彼ですが、
今回は幸いにもJungleの担当パートが一人になる曲というのはなかったらしく、
そちらはなんとかなるとのことでした。
問題は演出。
今回の定期で彼が演じるのは以下の役どころ。
●『フックトオン…』の楽器紹介ナレーション
●『フックトオン…』のトロンボーンパート紹介時の演出(応援団長)
●『長寿番組…』の3人いる演者その1(役多数)
ボーンの演出も、残りの2人でなんとかしてくれるとのことで、
ここで考えなくてはならないのは、ナレーションの代役です。
(2か月程前に一度この曲をナレなしでやった際、曲中何度も非常にいたたまれない空気に包まれたので、
ナレーションなしという選択肢はありません)
声のお仕事と言えば、何と言ってもわがトランペットパートの核弾頭なべ氏です。
ちょうど彼はおれと2人でラッパパートの演出を舞台前方で行うため、この曲は降り番です。
問題は、今から喋るタイミングを覚え、かつ短い尺の中でハッキリ伝わる喋りをマスターしなくてはならないこと。
後者については、彼ならまあなんとかなるだろうとそれほど心配はしてないのですが、問題は前者。
どちらかと言えば、超短期間で譜読みをマスターするのは決して得意とは言えない彼なので、
前日は暇さえあれば、ナレーションのタイミングが書いてあるこの曲のスコアを見ながらおれのipodを聴いていました。
正直、このポイントを考えるならおれが喋るのが手っ取り早いのですが、
職業柄なべ氏の方が人前で喋り慣れてるのと(高校教師)、おれがまだ声治りきってなかったのとで、
なべ氏には大変な詰め込み教育で苦しませてしまいました。申し訳ない…。
なんとかギリッギリで形になり、
本番でも急繕いとすればほぼカンペキなナレーションを見せてくれました。感謝。
さて肝心のラッパの演出。
トランペットの紹介時に割り当てられた曲が『ウィリアム・テル序曲』だったこともあり、
何をしようかと考え始めてから、結局「りんご」しか浮かばなかったのです。
ウィリアムテルといえば、りんごを頭に乗っけてそれを撃てと言われるお話ですのでね。
これは一般的にも認知度の高いストーリーでしょう。
で、それじゃあリンゴを使って何をするかと。
まず画的にリンゴは大きければ大きいほど良いし、
それなら物語に沿った内容はできないしで、ここは結構悩んだものです。
当初から、「リンゴでなく間違えて人を狙撃してしまう、という展開はやらない」と決めていました(←不謹慎だし、あまりにも発想が陳腐で悪い意味でくだらなすぎるから)。
加えて、「矢が刺さるギミックを制作するのが困難だから」という理由で、
なんとか矢を射ること以上にインパクトのある展開(オチ)を持って来たかったのです。
結局、構想初期に浮かんでいた、
「得体のしれない巨大なリンゴを発見
→とりあえず狙撃
→半分に割れて中から人が登場
→妖艶な腰振りダンスで観客を魅了(狙撃手は、「ダメだこりゃ」な古典的反応をとる)」
という、元ネタは言わずもがなの、あの国民的長寿アニメのOP映像からインスパイアされた内容に決定しました。
制作する小道具としては、はりぼてリンゴとクロスボウの2つ。
余談ですが、おれはずっとリンゴは弓矢で射られたのだと思ってましたが、
正式には「クロスボウ」だったようなので、こちらを採用しました。
客席からはよく見えなかったと思いますが、
実はこれが『長寿番組』も含めて、今回制作した小道具の中で一番の自信作でした。(黒柳徹子パクパク人形も捨てがたいけど)
100均で入手した、離れたものを取るための取り棒(グリップを握ると先端がマジックハンドみたいにパカッと開閉する)を銃身にし、
ホームセンターで入手した、菜園とかで使うU字形の支柱を弓部として銃身に据え付けて固定し、
毛糸を弦に見立ててそれっぽく強固に結び付けて完成。
占めて150円ちょっとで完成したなんちゃってクロスボウ。
なんといっても銃身役にこれ以上ないほどしっくりくるフォルムのシロモノを発掘できたのが最大の勝因です。
続いてリンゴ。こちらも完成度はなかなかと自負しております。
このリンゴのテーマは、「能ある鷹は爪を隠す」。なんのこっちゃ。
観客席から見れば、ただの一枚板(というか段ボール)を真ん中から半分に切断し、赤く色を塗っただけに過ぎないのですが、
実はこのはりぼてリンゴは、演者が使いやすいような工夫を施したやさしい仕様になっておりました。
まず、ただの一枚モノでは段ボールの厚み分しか地面と接する部分がなく、自立せずに倒れてしまうので、
裏側に土台となる部分をくっつけています。
土台は、単に底面積を確保するだけでは、リンゴ部分の重さに負けて前方に倒れてしまうので、
おもりを適量入れて全体の重心を調整する必要があり、
かつそれがリンゴの上半分をつけた状態でも外した状態でも自立するバランスに調節する必要があります。
ちなみに今回バランス調整に使ったおもりの総量は、25号のL型テンビン6個。
釣りしない人にはよくわからないでしょうが、段ボールって結構重いのねと実感しました。
そして、裏に隠れた状態で中腰で移動を強いられる演者の負担を少しでも軽減するため、
この土台の底面にはキャスターを四隅に設置しています。
これで移動もラックラク。
そして、リンゴの上半分を隠した状態の際に、手で軽く支えるだけで全体が安定するように、
上半分のパーツに2か所爪を取り付け、下半分のちょうどピタリ合わさる位置に
その爪がピッタリはまる鍵のような仕組みを導入しました。
居酒屋でよく見るタイプの下駄箱の鍵みたいな感じ、といえばイメージしやすいでしょうか。
簡単に言えば、上半分のパーツ裏側に取り付けた凸を、下半分のパーツ裏側につけた凹に嵌めることで、
全体をグラつかせず安定させられる、というステキ仕様。
これら3つの客席からは見えない改造、結構苦労しましたし費用対効果は多分全く機能してませんが、
制作前の簡単な設計図通りのものを機能性含めて再現することができただけで満足です。
まだまだ小道具作りはおれのもんじゃい。
でも何が一番大変だったかって、
表面を赤く塗装するのに油性スプレーを使用したのですが、
室内(自宅)で大量使用したせいで、細かな赤い粉塵が部屋中に舞い降りて大掃除を余儀なくされたことです。
乾燥の時間のことも考えて、朝一に塗装してそのまま仕事に行ったのですが、
帰宅してビックリ。部屋中のモノというモノの表面に、うっすらと赤い膜ができているではないですか。
頑張って元通りに掃除しましたが、壁紙もちょっと赤くなってたのでスゴク焦りました。
ただ本番では、リハのときにはなかったベースアンプのコードにコロが引っかかり、
リンゴ役で上手側から登場するなべ氏が少し遅れ&焦ってリンゴをちょっと開いた状態で登場というハプニング。
まあこれは交通事故みたいなものでしょうがない。
強いて言うなら、リハのときに本番と同じ状態にしてなかったベースアンプ使用者が悪い。
ただ、その影響でおれも少々テンパってしまい、オチの後に取ろうと思っていた行動をすっかり忘れておりました。
拙者まだまだ修行が足りぬ。
そうそう、いつもは演奏に徹してくれる奏者も今回は遊びました。
ご存じのように、揃いの馬のマスクを被っての演奏。
曲が競馬のファンファーレチックな曲調だったからなのか、単に画的に面白いからってだけなのかはよくわかりませんが、
シメの馬の嘶きに至るまで、なかなか上々の出来に終わったのではないでしょうか。
ところで、1月にとある本番でこの曲を演奏したことがありまして、
練習がてら馬マスクだけはその本番でも採用したのですが、これが全然見えない上にほとんど聴こえないんですよね。
そのときはおれも演奏者として乗ってたので馬マスク被ってウィリアムテルを吹いたのですが、
視界の自由がほぼ利かない(とりあえず普通の体勢では指揮者や楽譜は見えない)という極限状態に置かれるため、
暗譜に加えて、あと何小節で出番なのかまで完全に把握していないといけないという余計なストレスを強いられるので大変でした。
なのでみんな自分のちょうどいい位置に耳の穴なんかを開けてましたね。
ちなみにこの1月の本番はテレビの取材カメラが入ったのですが、
後日ローカルニュースで流れた映像を見ると、短い尺の中、ラッパの馬マスク演奏がしっかり放送されてしまってました。
ネタバレになっちまうよと、ちょっとだけ「あーあー」と思ったものです。
♪ 伝説の「長寿番組」メドレー
前述の通り、3人で愉快な演出をするはずだったのですが、急遽中止。
ストーリー重視の内容ではないとは言え、2人では到底できない内容だったので。。。
急遽スタンドプレイや小道具を揃えるなどしてもらい、奏者の皆さんに助けてもらいました。
悔しいのでここまで。この無念は来年晴らします。
♪ 言葉にできない
3部構成という特殊構成だった昨年を除いたここ数年(というか少なくともオレが入団して以降は)、
第2部のこの位置(演出メイン曲と本編ラスト曲の間)とアンコール1曲目は、しっとり系J-Pop(それも懐メロ率高し)が配置されることが多いです。
J-Popでなくとも、知名度の高いしっとり系BGM(過去の例:「Let it Be」「メモリー」…等)であることはだいたい共通しております。
その理由は、
「演出枠やラスト曲などではっちゃけた系の曲が続くので、奏者もお客さんもちょっとクールダウンするため」
「緩急をつけて、プログラムの進行にメリハリを効かせるため」
「吹奏楽譜が出版されるレベルのJ-Popは結構みんな知ってる上に、奏者的には負担が少ない(簡単なので練習にそれほど割かなくていい)ため、費用対効果が高い」
などが挙げられるでしょうか。
また、この枠に組み込まれる曲は、
「春」「別れ」「郷愁」「卒業」「絆」といったイメージを想起させる曲であることも多いです。
(過去の例:「春よ、来い」「なごり雪」「home」「ありがとう」「花は咲く」……等)
理由は言わずもがなですよね。
3月にある年度最後の演奏会なので、毎年これを最後に卒団していく団員がいます。
お客さんにとっても、4月から新たに環境が変わるという方も多くいらっしゃるでしょう。
そういう方々にとって、わずかでもはなむけのようなものになれれば…という、
まあある種恒例の儀式みたいなものといえばいいでしょうかね。。。
さてそんなわけで、長い長い前置きを語らせていただきましたが、
実は今年、当初はこの枠にはkiroroの『Best Friend』をやろうと計画しておりました。
もとはNHKの「ちゅらさん」の主題歌でしたが、現在では卒業式で定番の曲となってますよね。
それプラス、おれがこの曲好き…というかkiroroが好きだからというのもありますが…。
ところが、企画書を一部首脳陣に見てもらった際、
「何で今更kiroroなの?」の一言の前に情けなくも轟沈してしまったわけです。
例えば3年くらい前の曲をやるとなってこう言われるのはわかるのですが、
もう10年以上前の曲なので、中途半端に新しいわけでもなく、
サイクル的にはボチボチ引っ張り出しても何ら違和感はないくらいの「懐かしさを感じる」年数は経っていると個人的には思うのですが、
結局、「卒業シーズンにピッタリだから」以上の理由が思いつかず、説得できずに断念したわけです。
で、悔し紛れに出したのがこの『言葉にできない』でした。
この曲に関してはなぜか何の物言いも入らず、即OKをいただいたのですが、それでは何故今この曲ならよかったのか?
まぁ、最後の部分(明治生命のCMで流れる部分)の歌詞は「適正アリ」なんですが、真相は闇の中です。
それにしてもJ-Pop界における、近年の卒業ソングド定番No.1といってもいい『Best Friend』でなんでOKをもらえなかったのか、
かなり後までずっとモヤモヤしておりました。
そんな日々を過ごしている中で飛び込んできたある一つのニュース
《ディズニーピクサー新作映画『アーロと少年』の日本版エンディング主題歌に『Best Friend』の新録Ver.を起用》
やりぃ!そら見たことか!(結果論)
もう何か月か早ければなぁと思いつつ、
これでこの曲をやる決定的な後ろ盾を得たので、
リベンジとして春からのプログラムに組み込んでやりました。
本当は春でなく秋のプログラムに入れて、そのまま定期にのせる形に持っていければベストだったのですが、
致し方ありません。こういう流行りモノは鮮度が命ですし。。。
別に意地悪で落とされたわけではないでしょうが(おれの弁が立たなかったのが悪い)、
心の狭いおれは、
『定期で入れてれば、「最新のネタをもうやるんだ!フットワーク軽いね~」という評価をもらえたかもしれないのにな~…』
と、自分の先見の明に一人悦に入っているのであります。
先見の明と言えば、そういえば去年はもう一つ、
酒まつりでの金管アンサンブル(カプリチオではない、ウィンドと賀茂吹の混合メンバー)から依頼されたマッキーメドレーで、
入れるかどうか迷って結局入れた『No.1』(←20年以上前の曲。一般的には言うほどメジャー曲ではない)が、
その後「俺物語!!」の映画版主題歌に起用されるというミラクルもありました。
ここんトコなんだか妙に冴えまくってるおれのインスピレーション。
尤も酒まつり2日目の本番では、
「キツイから」という理由で、よりによってその『No.1』だけカットされるというミラクルのオマケつきでしたが…(^^ゞ
ということで結局何が言いたいかと言いますと、
いい曲だとは思うけど、おれは『言葉にできない』には何の思い入れもなかったよってコトです。
♪ ファンク・アタック
今回の本編ラスト曲は、近年の傾向を踏襲したハッチャケノリノリ系ポップス。
吹奏楽オリジナルポップスなので、一般の人は(というか吹奏楽界でも割とマイナー曲なんで演奏者も)初めて聴くハズの曲……
なのに一回聴いただけで強烈に耳に残る、中毒性の高い曲ではないでしょうか。
この曲の作曲者である、オットー・M・シュワルツという人物、
吹奏楽曲から映画音楽、さらにはジャズ方面まで幅広く活躍するオーストリアの作曲家で、実は結構スゴイ人なんですが、
全体的に「B級映画風味」な作品(←当然賛辞として使ってますよ)をドッカンドッカン書いております。
演奏会のメインにも使える規模の大曲もバンバン書いてるのですが、
軒並み「ダサカッコいい系」とでも言いましょうか、
カッコいいのは誰もが認めるけど、ある種俗っぽい雰囲気がそこはかとなく漂う独特の世界観を作り出しています。
この『ファンク・アタック』などはその典型的な例と言えます。
この曲は大曲ではなく完全にポップス曲なんで、そういった曲とはスタートラインが違うとはいえ、
カッコいいけど、なんなんだこの芋っぽいノリは!と言いたくなるムード全開です。
もうギャグかってくらい突き抜けた能天気さ、バカっぽさがたまりません。
冷静に聴けば、中間部の「ベース」「中低音」「中高音」「高音木管」の4パートが徐々に複雑な絡みを形成する箇所や、
それに続く荒ぶるドラムのターンなど、普通にクールなポップスなんですが、
いかんせん冒頭を始め曲中何度も出てくる「ダダッダダッダダッダッダッダッダッダダダダダッダダッ!」のリズムパターンが頭にこびりついて、
なんかこう、ジワジワとクるものがありません?
決して王道的なカッコ良さではないかもだけど、
泥臭く芋っぽく、笑いがこみあげてくるほどダサい、なのになんでこんなにカッコいいんだ!悔しい!
みたいな曲です。
難易度高めでチョコザイな譜面の曲が多いけど、
ポップスステージの選曲に困ったら、シュワルツ作品はオススメです。
♪ Old and Wise
アンコール1曲目は、セオリー通りしっとりバラード系で攻めましょう、
ということで今回引っ提げたのは、UKロックバンド「アラン・パーソンズ・プロジェクト」による洋楽「Old and Wise」です。
洋楽ファンの間では隠れた名曲として人気の高い曲らしいのですが、
一般的な知名度は決して高いとはいえない(そもそもシングル曲ですらない)この曲をなぜ持ってきたかと言いますと、
単におれが昔からやってみたかったからに他なりません。
オレがまだ中学生だった頃、2歳上で高校生だった姉が、
コンクールで『ロス・ロイ』という曲をやることになったと、それが収録されたCDを持ち帰ってきたことがあったのです。
一緒になってオレもロスロイ始め、その他のラインナップも聴いていたのですが、
その中に入っていた1曲に、おれはひとめぼれならぬコシヒカリ……じゃなくてひと耳惚れをしてしまったのです。
これほどまでに肺腑を衝くこの玲瓏たる旋律はどうだ!(←海原雄山風)
衝撃的な第一印象をおれに抱かせたその曲こそ、この『Old and Wise』でした。
時が経って大学生になったある時、
ふとこの曲のことを思いだしてYouTubeで検索。
原曲を聴いて蘇る当時の思い出に、いつかこの曲をやりたいとかつてより強くなる気持ちを覚えたのです。
それから何年経ったでしょう、
奇しくも今は選曲を担当できる大変ながらも幸せな立場に就くことができました。
「やるなら今しかねぇZURA」ということで、この度選曲企画書に挙げたのです。
おれとしては、曲を知らなくても「なんか心に沁み入るキレイな曲だね~」と感じてもらえるハズと確信していたのですが、
そうはいってもやはり、
『「マイナー過ぎるけど、そこんとこ大丈夫なの?」的な意見が飛んでくるだろうな~』
『そこを突かれるとこちらとしても反論の余地なしで結構厳しいなぁ』
などと考えておりました。基本的に後ろ向きです。
ところが蓋を開けてみれば、「想像以上にマイナーすぎて何も触れられない」という、
予想のさらに上を行く規格外の驚くべき結果に。
通過したのはうれしいけど、何もツッコまれないと逆に不安になるぞ。
ま、まぁ、やっていいってんなら…ありがたくやらしていただくけどさ…(笑)
メジャーとは言えないピースだからでしょうか、
とっくの昔に絶版になってたので、楽譜入手に少し苦労しました(輸入譜だったので余計厄介だった)が、
無事にこの曲をやる機会を得られて、おれはとても満足しました。
演奏者の皆さんおよび聴きに来てくださった皆さん、おれのワガママに付き合ってくれてありがとうございます。
ところで、終演後に毎年家族総出で聴きに来てくれる家族に遭遇したらば、
姉からいの一番に、「アンコール1曲目の曲なんていう曲じゃったかいね!?」と。
当時は姉も一緒に「この曲いいね~」なんて言ってたのですが、曲名の記憶が飛んでいるのでしょう。
聴き憶えはあるけど、でもタイトルが思い出せない…と相当苦しんでいる様子。
アンコール曲ってプログラムに載らないからその場で調べようもないしね。
必死で曲名を教えろとすがりつく姉には結局教えず放置プレイにして(ひどい弟だ)退散。
あまりに気になり過ぎてその後、
「同じCDに『おおみそか』が入っていたハズだ…」というかすかな記憶から力ずくで記憶を辿ることに成功したらしく、
2、3日後に「あの曲って『Old and Wise』?」とメールが来ました。おめでたう。
ちなみに別の人からも、
『知り合いから「アンコール1曲目の曲名って何ですか?」って聞かれたんよ。教えてくれない?』
と連絡がありました。
単に曲名が載ってなかったから知りたいってだけかもしれませんが(アンコール2曲目は誰でも知ってる曲だし)、
初めて聴いた人に、「知らない曲だけどキレイな曲だな~」と思ってもらえたのなら、それだけで俺は感無量です。
自分が好きなモノやコトを他の人に理解、同調してもらえることほど幸せなことはありません。
♪ ルパン三世のテーマ’78 ~SKA Ver.~
そしてアンコール2曲目、演奏会の最後の最後もセオリー通り、
「細けぇこたぁいいからとりあえずテンション上げて突っ走れー」な曲を。
こちらは日本人なら誰でも知ってる曲ですが、一味違うアレンジでお届けしました。
「SKA Ver.」とある通り、スカパラがライブなんかで演奏するバージョンです。
ルパンの曲はこれまでいくつかのアレンジを吹いてきましたが、
今回やったこの版は、その中でも非常に吹きやすくて(鳴らしやすい)、雰囲気も含めて文句なく一番楽しいアレンジだったと思います。
スカパラはギターで演奏してる中盤のソロはまさかのシロフォンに。これがいい味出してます。
当日のソリストも見事。なんてったって大学で鍵盤打楽器専攻してた人ですからね。
惜しむらくは、イントロ終わり、メインテーマに入る直前のピストルがやや不発気味に終わってしまったこと。
むしろ、気づかなかった人も結構いるんじゃないかと思うほど。
定期翌日に見た、マイク調整も何もしてない、客席のお客さんと同じ聴こえ方の映像を見る限り、
そのタイミングでピストルを撃つってわかってるおれが聴いても、「ん?今鳴ったか?」て感じで、
これは当日一発限りのお客さんにとってはキビしいものがあったんじゃないかと。
この銃声エフェクトは楽譜にはないものですが、スカパラアレンジで入っていたので採用。
昨秋の酒まつりコンサートで布袋のルパン曲やったときにも使用したのですが、
とあるスジから入手したチャカを使ってます。
入手経路その他を明かすと、運び屋の身に危険(処分)が迫るので言えませんが、
リアルな銃声でなく、「バキューーン!!!」というホント漫画みたいな愉快でわざとらしい音が出せるチャカで、
エフェクトとしてはこれ以上ないくらいに優秀な働きを見せてくれました。
また銃声エフェクト使うことがあれば密輸しようっと。
そういえば、銃声絡みで一つ感じたことがあるんですが。
酒まつりのときも今回も、チャカをぶっ放す役のパーカス奏者が、次元をイメージした帽子を被った(被ろうとした←定期では被るの忘れてたらしい)んですね。
単に赤ジャケを準備するより手軽に入手できたからってだけかもしれませんが、
一般の人にとって、ルパン三世で拳銃と言えば、完全に次元なんだなぁと思ったのです。
確かにそのイメージはわかります。「銃=マグナム=次元」って発想というか…。
ルパンはどちらかと言えば頭脳的なイメージのほうが勝るでしょうし。
ただ、次元の作中での描写はあくまで「早撃ちに関しては世界一。その他命中率等の腕はルパンと同じくらい」とされており、
ワルサー使いのルパンは次元と同等の腕を持っているのです。
さらにそれプラス主人公補正というチートを使ってもなお揺るがないほど、固く植えつけられた「ガンマンと言えば次元」のイメージ。
確かにルパンが「ガンマン」という表現をされてるのは見たことないけど、
なんだか情報操作ってやつの力をまざまざと見せつけられたような気持になったのです。
別に次元が不満てわけじゃないですよ。メインの3人ならおれも次元が一番好きですしね。
そういえば……とちょっと思っただけです。
ところでルパンと言えば、
来年2017年は、モンキーパンチの手によりルパン三世という作品が世に出てからちょうど50周年となります。
2015年度は、前述の『TRICK ATTACK』(実写版ルパン映画のテーマ曲)に加え、このルパンスカもやったので、
ちょっと間詰め過ぎかなとも感じないではないですが、
とりあえず2017年にルパンものやらないのはルパンフリークからすると有り得ないので、
来年の定期(2017年3月19日)にご期待ください。
4年ほど前にヒーローメドレー作った時にはまだ’79 ver.すら出版されてませんでしたが、
ここ2、3年でルパンの様々なアレンジの吹奏楽譜が出版されだしたんです。
TVSP期に生まれた’97 ver.(←オレの中では’89 ver.と並んで最も好きな版)まで出てるんですよ。
しかもこの’97 ver.って、30周年記念で作られたこともあってなかなか壮大なアレンジなんで、
例えば定期第2部の冒頭に持ってったりなんかするとスゴく映えるんじゃないかと……ゴニョゴニョ。
周年といえば、
今年2016年は20世紀が生んだエンターテインメント界の鬼才、あのウォルト・ディズニーの没後50年に当たるんですよね。
ついでに言えばTDS15周年なんだってね。行ったことないけど。
今年はディズニー成分を例年より少し多めにしようかしら。
ついでに言えば、今年はコナンも20周年、ポケモンも20周年。
来年2017年は、前述のルパン50周年に加えてONE PIECE20周年と、
おれが関わってきたもの(現在進行形のモノ多数)が結構いろいろと区切りの年を迎えるのです。
やるかどうかは分からないけど、選曲のいい材料であることは確かです。
……え?USJも15周年?……えーと、知らん。
ハリポタは何年か前にやったし、
それでなくても今年から酒まつりコンサート(映画音楽シバリ)が出来なくなるっぽいから、逆風も逆風ですよ(泣)
ハァ、大変だけど雰囲気補正込みで定期と同じくらい楽しみな本番だったのになぁ。
東広島ウィンドの大きなウリの一つでもあったのになぁ。
………この話題についてはまた今度ゆっくりと、ね。
最後になりますが、ご来場くださった皆さま、本当にありがとうございました。
見せてはいけない演奏会にならなくてホントにホッとしてます。
今後とも応援をよろしくお願いいたします。
そして団員の皆さん、スミマセンが来期もアタクシが企画(とライブラリアン)をやらせていただきます。
60人全員が納得するプログラムや演出を考えるのは不可能だと思ってますが、
それでも少しでもみんながいい気持ちで取り組めるよう、
最大公約数的にみんなの納得できるポイントを模索していかなくてはとも思っています。
何卒ご理解ご協力ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。
ということでね、気が付けばこの4月からウィンド8年目です。
かつてはピチピチ19歳の茶髪大学生だったのに、すっかりくたびれたムチムチ26歳に成り果ててしまいました。
そろそろ落ち着いたオトナ(意味深)になりたいです。
♪ #48: DREAM SOLISTER / TRUE
ボチボチ期変わりということで、先週あたりから発注しておいた楽譜が続々と我が家に配達されてきてます。
毎年この時期と、定期の曲が決定した時期あたりは特に楽譜が一気に届くので、
買い物のときは意識して紙幣で払い、50円玉以上の硬貨は極力使用せずにキープしておくのが常なのですが(コンビニコピーのため)、
先日ふと財布を確認すると、500円玉が17枚ありました。
ハッキリ言ってやり過ぎです。
……いや、丁度いいくらいか?
そしてR-1ザコシショウ優勝キター!!
R-1って、M-1やKOCと比べるとどうしても小粒感が否めないし、
そもそも決勝進出者のレベルも高いとは言えないので(事務所のゴリ押し臭がすごい)、
見ることも結果を一々確認することもあんまりなかったのですが、
今年は決勝進出者の中にザコシショウがいたのでちょっと楽しみでした。
や、特にザコシショウが特別好きというわけではないのですが、
こういう芸人が決勝に出てこれるんだと、ちょっとR-1を見直したというかね。
そもそもネタを見るより、『しょんないTV』で時々出演するのを見る方が多いし。
それにしても決勝進出発表後の記者会見で、
「ようやく出てこれた」「このネタをテレビで出来れば爆発できる自信はある」
と語った通り、結果は圧勝でしたね。マーベラス。
この先テレビで見る機会が増えるかどうかは、過去のR-1優勝者を見る限り微妙ですが、
こういう苦労人、そして「事務所が必死で売り出したい感」が漂わない芸人が頂点を獲るというのは、
見ていて非常に気持ちがよいモノでした。
前置きが長くなりました。こんばんは、管理人です。
インフル発症から1か月以上経ち、
ピロートークにピッタリのセクシーハスキーウィスパーボイス
スリムクラブ真栄田と天龍源一郎とショッカーを足して3で割ったような惨めな声帯とようやくオサラバできました。
いや、まだ高音は出ないのですが、3日前くらいに突然劇的に回復して、
「あれ?声治ったんですか?」と会う人会う人に言われまして、ホント皆さんご迷惑おかけしました…。。。
でも定期で一瞬ではあるもののナレーションしたり、歌ったりするためにはまだまだ本調子には程遠い。
今年のインフルは声がやられると、知り合いの医療従事者から聞いたのですが、
それにしても長い戦いでした。
あ、話は変わりますが、先日当ブログは訪問者延べ1万人に(ようやく)到達しました。
なかなか更新しない&したらしたでダラダラ読みにくい長文という、
ブログとしてのセオリー無視だらけのこんなブログに訪れていただき、
いつもいつも皆様ありがとうございます。
2012年秋に2度目のブログリニューアルをし、カウンターもリセットしましたので、
単純計算で1日平均8人という閲覧数。
一体どなたが見てくださってるのか非常に気になるのですが、
これからもかわらずたまに覗いてやっていただけると嬉しいです。
またまた話は変わりますが、東広島市に今春(というか来月)オープンする『東広島市芸術文化ホール』(通称・くららホール)に、
企画係の立場を行使してウィンド団長と本日見学に行ってきました。
当たり前ですが、とてもキレイなホールでワクワクしましたよ。演奏者的にどうかはまだわかりませんが。
ホールの中をチェックさせていただいた後は、舞台裏や袖、搬入口や音出し室、そしてそれらの動線を確認すべく、
くららの職員さんに案内していただきながらの見学となりました。
地図を見ながらなのに、一回回ってみただけではとてもじゃないけど把握できない迷路のような構造。
加えて異様に小さい楽屋がたくさんある(デカイ楽屋がほぼない)ので、
もしここで演奏することになったら…という色々な懸念事項がわんさか舞い降りてきます。
どうもここを設計した人がデザイン重視の人だったらしく、確かに雰囲気はなかなか都会的なのですが、
音楽やら舞台芸術にはまるで理解のない人だったようで、そちら方面の機能性はお察しレベル。
楽器庫が3階にあるとかふざけてんのか。
あー…大ホールで練習してたジュニアオケの音響があんまりよくなかったのはそのせいか…
当然ですが先方もバタバタらしく、この辺はお互い慣れるまで大変そうだなぁと。
加えて観光協会とのしがらみなんかも……ゴニョゴニョ
ちなみに本日お世話になったこのくらら職員さん、
オレも過去にひがしひろしま音楽祭などのスタッフをした際に何度も会っている方なのですが、
向こうもオレのことを覚えてくれていたらしく、
しかも「私勝手に友達だと思ってますから」と団長に語っていたとのこと。ありがたし。
ちなみにいつだったかの音楽祭で、その方がおれを形容した言葉が、
「BEGINのボーカルみたいな方」でした。実に的確!
言うまでもなく理由は服装と体型。
相変わらず人に覚えてもらいやすい容姿で何かと助かります。
―――――――――――――――――――――――――――
さて、高熱で朦朧としてた前回の記事にはうっかり載せ忘れた定期の宣伝です。
そうそう、こないだのインフル、人生で最高の熱(39.5℃)が出ました。
味覚がおかしくなって食うものはマズくなるし、咳は止まらないしでぶちしんどかったのです。
嘔吐下痢が全くなかったのだけが幸いでした。
ただ、咳のしすぎでえずきまくってましたけどね(笑)
ちなみに以下のプログラム情報ですが、団のHPから全て見られます。
が、去年も語ったように、2時間・10曲近くある演奏会のプログラムを事前に全て公表するのは、
おれ的には「あり得ない」と思うので、こちらでは敢えて伏字を貫かせていただきます。
ただこの辺は個人の考え方で、
色々聞いた感じ、どうやらおれのような思考の方がむしろ少数派のようなので(10曲全部事前に知りたいなんておれからすると正直ビックリなんですが…)、
一応団のHPのリンクも載せておきます。
東広島ウィンドアンサンブル
■ 東広島ウィンドアンサンブル第26回定期演奏会 ■
○日時 : 3月20日(日)○場所 : サタケメモリアルホール (広島大学敷地内)
○開場 : 13:30
○開演 : 14:00
☆入場無料☆
■ 演奏曲目 ■
~第1部~♪ コンサートマーチ「セカンド・センチュリー」 (15年も吹奏楽やってて信じ難いことですが、実はリードの曲演奏するのはこれが初めてです。)
♪ ×の×の××ラ (初期の「響宴」の中でもかなり好きな曲です。どちらかと言えば大人になるにつれて選ばれなくなるタイプの曲かなと感じますが、敢えて。)
♪ パ××・×ー×××Ⅱ (1994‐Ⅱ。好きな曲なんですが、よく考えたら直前のコンクールの課題曲で「秘儀Ⅲ」をやったウチの団には、精神的に辛い選曲だったかなと猛省。)
♪ ステラー・ウインド (オレが企画やってるうちに一度は演奏しときたかった作曲家のうちの一人、鋒山亘。題材もすごく俺好みですが、スコアのエグさもウィンド史上屈指かも?)
~第2部~
♪ ××EAM SO××ST×× (昨年YAMAHAを巻き込んでブームになった吹奏楽アニメのOP。いつの間にか映画化決定したようですが、どれだけブームを引き戻せるか……。)
♪ フックト・××・××シ××× Vol.× (楽器紹介枠。ボチボチこの枠でやる楽譜のネタも尽きかけてます。演出のネタは尽きないのに。)
♪ 伝説の「長寿番組」メドレー (今年の大暴れ演出枠。オレとJungleとなべ氏の精鋭3人で三文芝居します)
♪ 言×に××ない (懐メロ枠兼奏者の小休止枠兼演出3人の着替えタイム。)
♪ ××ンク・ア×ック (聞いたことありそうで、実は吹奏楽オリジナルのポップス。凝りもせずまたこんなハイトーンの曲を選んで今すごく後悔してます。)
~アンコール~
・・・・は果たしてあるのか??乞うご期待
皆様お誘いあわせの上、おヒマでしたらお越しください。
よろしくです。
今朝テレビで、サンリオのピューロランドっていうテーマパーク的なところの特集してました。
そういえばサンリオってアニメとか映画になってるような作品てないのかなぁと思ったりするのは、
最近酒まつりの選曲のことばっかり考えてるからでしょうか。
こんばんは。好きなサンリオキャラクターは、「グッドはな丸」の管理人です。
本日、いつもウィンドでお世話になってる公民館で、
近隣地区の小中高一般で活動する吹奏楽部やら金管バンドが集まる本番がありました。
中高はまだしも、小学生から一般バンドまでが一度に集まるという本番はなかなか珍しいので、
毎年ステマネ兼務のため忙しいのですが、楽しみな本番の一つではあるのですが、
もしかしたら今日そこでもらってきたかもしれないのです。
人生初のインフルエンザ将軍を。
同じ職場の人が金曜日に、
「今こどもの中学校から連絡あって、学級閉鎖が出たらしいわ。部活も停止」
なんて言ってましたが、
今までの人生、記憶にある限りではインフルに罹ったことのないおれは完全にタカをくくってました。
他の学校が演奏中は、ステマネ業務の傍ら舞台袖で馬のマスクをかぶって踊り狂ってたのに、
ラストのウィンドの本番中に急激に体調が悪化。
寒気はするは咳が止まらんは。
帰宅して熱計ったら38度超えてました。
この勢い……インフルの気配がする。。。
明日朝イチで病院へ行こうと思いますが、陽性だったらやばいなぁ。
先週も風邪で休んでただけに。。。
――――――――――――――――――――――――――――
で、なんでこんなに体調悪いのにブログ書いてるかと言いますと、
帰宅したら届いてたからですよ。
何がって?課題曲に決まってるじゃないッスか。
実は1月上旬に吹連のHPで冒頭1分試聴が解禁されたときも、
期待や怒りの声として、ちょっと触れようかなと思ったのですがね。
では早速ですが、それぞれについて簡単にファーストインプレをば。
Ⅰ マーチ・スカイブルー・ドリーム (矢藤 学)
朝日賞受賞マーチにして、我々日曜作曲家の夢と希望が詰まった作品です。
以前に話題にした「某ブログの人」で(さすがに現在は一時的に閉鎖されてますが…)、
2011年のライブリー以来、5年ぶりにマーチが朝日賞獲りました。
まあ、「ラメセスⅡ世」や「ウィナーズ」のようなマーチでないと、
「なんでこんな普通の課題曲マーチみたいなんが朝日賞なの?」と噛みつくような人には
僻みも含めて色々言われそうではありますが、
近年のいわゆる「課題曲マーチ」の中では、比較的上質で安定してると思います。
いわゆる歌モノ系のメロディーラインではありますが、旋律の作り方にもセンスを感じます。
特にTrioまでのAメロの旋律は、「ああ~あの人の曲だ~」と感じさせてくれます。
ニコニコでMIDI音源でアップされてる音が聞こえてくるようです。
ただし、これまでこの人が落選するたびにニコニコにアップしてた曲たちと同じく、
「なんでこの人は必ずこういう変なことをしたがるんだろう。良くも悪くも奇をてらい過ぎ」
的な印象を受ける部分は、少なからずありますね。
最後のラッパソロとかね(ちなみにこの作曲者はラッパ奏者です)。
特別難しいわけではないんだけど、こういう位置にくるソロはシチュエーション的に嫌ですね~。
(どうでもいいことですが、個人的に課題曲史上最難関ラッパソロは「斜影の遺跡」のラストのソロだと思います。
最後の最後にあんなエグイ譜面吹けるか。)
逆に、Trioに入る2小節間のブリッジは非常によい印象です。
別に特段おかしなことをしているわけではないのに、
今までに聴いたことのない展開の仕方をしているというか。
曲は全体的に非常にスッキリとした聴こえ方がしますね。
少なくとも悪い意味で濁ってるような箇所は感じませんでした。
試聴でも聴けるAメロの4小節目4拍目のベースラインの音は、実は最初少し違和感があったのですが、
(ライブリーのTrioの例の音みたいな感じと言えばよいでしょうか)
もとより「間違ってる濁り方」には感じませんでしたし、
聴いてくうちにこの濁ったような音がいいアクセントになって
フレーズの終わりに向けて展開が変わるのを予感させてくれます。
Trio後のブリッジは、「またK点パターンだよ」と各所で言われまくるのが目に見えますね。
ま、ああいう手合いは、曲を聴く時に必要以上に粗探しレーダーを張り巡らしてるので、
いかに過去の曲と似てる部分を探せるかそればっかり必死で、
肝心の内容についてはホント目を向けようともしない。
困ったもんです。
で、どれくらいの団体に選ばれるかという予想ですが、
今年はこの曲が他の追随を許さず独走状態になると思ってます。
理由は、非マーチ曲が場面転換が多くて技術的にも難しいのと、
いずれの曲もこれまでの課題曲にはあまり見られなかった毛色の違うタイプの曲であるということです。
後述しますが、もう一つのマーチはクソの極みですし。
ただ今年はⅤがかなりみやすいので、高校の上位バンドは結構Ⅴを選んでくるかなーとは思います。
Ⅱ スペインの市場で (山本 雅一)
昨年の「プロヴァンスの風」に続き、2年連続スペインネタです。
ただしこの曲は、スペインチックな響きや情熱的な香りと言うよりは、
「異国の風景を描いた標題音楽」なので、
異国のかほりはすれど、激しくスペインスペインしてるわけではありません。
ハバネラの中間部も、「スペイン」というよりは「ヒスパニック」ですし。
課題曲Ⅲもそうですが、コロコロ場面が変わったり、
同じ場面でも突然ボルテージが上がったりするような箇所が多いので、
いかに静と動、陽と陰を使い分ける瞬発力を引き出せるかが非常に重要です。
どちらかというと技術的に難しい課題曲Ⅲに対して、
こちらはいかに聴き手に自分たちの描いた世界を感じさせられるかという、表現力が問われるタイプの曲ではないでしょうか。
ただし、リズムや拍子感にも結構クセがあるので、
慣れるまでは非常にやりづらいかもしれません。
どちらかというと日本人の苦手なタイプとでも言いましょうか。
というより、日本人は総じてリズム感の悪い人種と言われてるだけですが。
個人的には、この曲のタンバリン、カスタネット、シロホンの具合がとってもツボなのです。
一昨年久々に応募して1次落選した曲も、
6/8拍子に乗せてちょうどこんな感じのリズムをタンバリンやカスタネットに書いてたなぁと、
勝手に親近感。うまく使えばやっぱりいい組み合わせだなぁと。
ちなみにオレがこの組み合わせを好きになったルーツは、
まあだいたい予想着くかもしれませんが、2002年の「追想 ~ある遠い日の~」です。
この曲もボチボチ定期の課題曲枠で出してもいい頃合いでしょう。
それまで幅広い場面を見せてくれた曲にしては、最後が少しアッサリしすぎてるきらいはありますが、
結構密度の濃い4分半のように感じてます。
課題曲Ⅲよりは全然選ばれるだろうなぁと感じます。
Ⅲ ある英雄の記憶 ~「虹の国と氷の国」より (西村 友)
この曲は、とある幼稚園で園児たちが「自分たちでおはなしをつくりたい」となり、
結果出来上がった劇に対して、
「せっかくこんないいオリジナルの劇なんだから、既存の音楽をつけるのでは勿体ない」
と、この作曲者が付随音楽として作った30曲ほどの短い曲や、3分ほどの序曲を
4分ちょいの吹奏楽版に書き直した作品、とのこと。
これまでになかったようないきさつで書かれた曲で、否が応にも期待が高まります。
音楽としては、その制作経緯から想像できる通りの「モロ劇伴チック」な曲です。
そして、この手の曲の宿命とも言えますが、
金管に実力のあるバンドにピッタリの華々しく荘厳さも感じられる曲になってます。
冒頭をはじめ、ファンファーレチックなフレーズが色々出てきます。
逆に言うと、金管にあまり自信のないバンドがこの曲を選んでしまうと、
この曲の良さを半分も引き出せないまま、曲に対する負の感情だけが残る結果が待っているでしょう。
このタイプの映画音楽っぽい曲だと、どうしても「ディズニー系」か「ジブリ系」かを考えてしまいます。
あんまりなんでもかんでもカテゴライズするのもいいことではないのですが、
序盤は完全にジブリとは毛色が違う、どちらかと言えばディズニー、
でも中盤部はジブリっぽい。ように感じました。
忘れてはならないのは、この曲は低音群が非常にカッコいいです。
開始すぐのベース楽器による旋律や、
何か所か出てくるトロンボーンを中心とした堂々たる英雄の登場を思わせるフレーズは、
勇壮な雰囲気にあふれて、有無を言わせぬ魅力があります。
曲の特性上仕方ないのですが、
次への展開を匂わせるコードや動機の登場もなく、突然場面がコロッと変わる箇所が多いので、
Ⅱと同じく、メリハリですね。瞬発力。
あと、これもⅡと同じくですが、この曲も打楽器が非常に重要な役割を担っています。
もともと打楽器は劇伴みたいな、場面の効果を効果的に演出するような音楽において最も真価を発揮する(とおれは思っている)ので、
この曲が見せる堂々かつ淡々としたスネアや、不穏なムードをあおるトムトム、
そして空気を一変させるティンパニなど、
うーん、映画音楽やゲーム音楽といった分野が好きな人にはたまらないだろうなと思います。
反対に、「劇伴チック」というだけで色眼鏡を掛けてしまうような人には、
「音楽が並列的で内容がない。薄っぺらい曲」という印象を抱かせるかもしれません。
バックの伴奏や「キメ」の部分を中心に、
3連符単位の刻みで進んでいく曲なだけに、
強拍や拍感がずれたような箇所が押し寄せてくる箇所がかなり嫌らしいです。
「サラバンドみたいな感じ」といえば近いところを想像してもらえるかと。
高音から低音まで満遍なく活躍し、かつ様々な要素が立体的に緻密に構成されているので、
同じ箇所で聴かせるべきパートと引っ込むべきパートを細かく詰めていかないと、
ゴチャゴチャして最後まで強奏ばかりで終わってなんだかよくわからなかった、となるでしょう。
かつラストに向けてエネルギーの持続が相当要求されるので、必要なスタミナも相当なもんでしょう。
聴くにはよいですが、技術的にかなり難しいので、
今年はこの曲が一番少なそうな予感です。
Ⅳ マーチ「クローバー グラウンド」 (鹿島 康奨)
以下、過激な表現があります。これを見ての不快になったなどの苦情等はご遠慮ください。
アブナイ方は回れ右してお帰りください。
一旦受賞して課題曲Ⅳに選ばれてた渡部哲哉氏(てつやん)が、
「他の曲と酷似している箇所がある」という申し出をして、会議の結果受賞取り消し、
代わりにこの曲が選ばれた、という経緯のある曲。
恐らくてつやんの曲も、今聴くとそんな取り消しになるほどではなかったのではないか、
という気もしますが、
当時は佐野氏のエンブレム問題が世間を賑わせていた時分だっただけに、
この選択も致し方なかったのかなと。
ただ、代わりに選ばれたこの曲のTrioまでの主たる旋律が、
てつやんの「風の音に乗って」というマーチの旋律とあまりにもあまりにも酷似していたとは……
てつやんの心中を察すると、やり切れないだろうし悔しいだろうし、
加えてオレがてつやんの立場なら、この鹿島って男を殴り倒してやりたくなりますね。
「風の音に乗って」というのは、最初は2004年の朝日賞(つまり2005年の課題曲選考)に応募した曲で、
落選してこんどは何回目だったかの「響宴」に応募して採用された、という曲です。
誰でも知ってるとは言わないですが、CDのシリーズとしては1、2を争うくらいメジャーな「響宴」に採用されてることもあって、
比較的曲を知ってるような吹奏楽関係者なら、「知らなかった」では済まない程度の曲だとは思います。
増してや、アマチュアなのに作曲を趣味にしてるようなマニアならなおさら。
それで、この曲の酷似具合というのがまたすごいもんで、
4小節とかではありません。8小節、つまり一つの大きなフレーズのほとんどの音列が
もうモロに「風の音に乗って」なのです。
何だったら、この曲を知ってて、完全に一致するのを防ぐために
ワザと不自然な音の飛び方をさせて誤魔化してるような印象を受ける箇所さえあります。
つまり、パクリ云々を除いた絶対的な評価をした場合でも、
この曲は旋律がスッと入ってこない、そしてその入ってこなさの要因が、
構造が入り組みすぎてしっかりアナリーゼしてない状況では理解不能、というものでは当然なく、
単にセンスがない、或いは進行、展開のさせ方がまるでなってないのです。
Trioに入ってすぐ、聴くのが1回目だというのにもう飽きてる自分がいました。
ホントに、ただ適当に音を並べただけ。何も面白さや工夫を感じさせない奇跡的なクソさ。
こんなのが採用どころか、よく本選に進めたなぁと感じざるを得ません。
で、極めつけはTrio明けブリッジの後、
今度は完全に「マーチ・グリーン・フォレスト」の展開そのもの。
テンポが緩んで、高音木管がTrioの旋律を大らかに歌い上げ、
ラッパとスネアが基数拍は4分音符、偶数拍で8分3連で刻み、
偶数小節目の3、4拍目で8分4つというパターン。
こちらは絶対に気づくレベルです。
もうここまで厚顔無恥に無知を塗り固められると逆にあっぱれですね。
てつやんの辞退の直後だけに、オレだったらたとえ念願の採用でも
この曲だったら辞退させてもらいます。
そこまでして採用されたいなんて思わない。
もうこの曲に関しては、1分試聴の段階で怒り心頭だったのですが、
まさか最後に二段構えで待ち受けているとは予想しておりませんでした。
仮にも作編曲を趣味でやってるオレとしては、個人的にこの作曲者は本当に許せませんし、
軽蔑さえするレベルです。
単純に曲の出来でずっとやいやい言われてた「南風のマーチ」なんかが、
もうほんとにかわいく見えるレベルです。
とにかくこんな曲に関しては、全く語りたくありません。
不快になるだけです。
演奏時間的にもⅠより長いですし、
それを差し引いても簡単というワケでもなく、ラッパも結構キツイですし、
審査員の目先を変えたい、以外でこの曲を選ぶ理由があるとは思えません。
曲の出来不出来以前にも、史上最大の駄作、課題曲史の汚点です。
Ⅴ 焔 (島田 尚美)
すみません…体調が限界なのでこの曲については省略させてください。
非常に理解はしやすい曲だとは思います。
課題曲Ⅳを除いた4曲を見たとき、総合的には少なくとも2010年代では最も充実してると思います。
非マーチの曲も、「即座にわかる3部構成」というわけではなく、
練習し応えのある曲ですし、「同じことの繰り返しで4分の内容を感じなかった」ということも感じない印象です。
そういえばサンリオってアニメとか映画になってるような作品てないのかなぁと思ったりするのは、
最近酒まつりの選曲のことばっかり考えてるからでしょうか。
こんばんは。好きなサンリオキャラクターは、「グッドはな丸」の管理人です。
本日、いつもウィンドでお世話になってる公民館で、
近隣地区の小中高一般で活動する吹奏楽部やら金管バンドが集まる本番がありました。
中高はまだしも、小学生から一般バンドまでが一度に集まるという本番はなかなか珍しいので、
毎年ステマネ兼務のため忙しいのですが、楽しみな本番の一つではあるのですが、
もしかしたら今日そこでもらってきたかもしれないのです。
人生初のインフルエンザ将軍を。
同じ職場の人が金曜日に、
「今こどもの中学校から連絡あって、学級閉鎖が出たらしいわ。部活も停止」
なんて言ってましたが、
今までの人生、記憶にある限りではインフルに罹ったことのないおれは完全にタカをくくってました。
他の学校が演奏中は、ステマネ業務の傍ら舞台袖で馬のマスクをかぶって踊り狂ってたのに、
ラストのウィンドの本番中に急激に体調が悪化。
寒気はするは咳が止まらんは。
帰宅して熱計ったら38度超えてました。
この勢い……インフルの気配がする。。。
明日朝イチで病院へ行こうと思いますが、陽性だったらやばいなぁ。
先週も風邪で休んでただけに。。。
――――――――――――――――――――――――――――
で、なんでこんなに体調悪いのにブログ書いてるかと言いますと、
帰宅したら届いてたからですよ。
何がって?課題曲に決まってるじゃないッスか。
実は1月上旬に吹連のHPで冒頭1分試聴が解禁されたときも、
期待や怒りの声として、ちょっと触れようかなと思ったのですがね。
では早速ですが、それぞれについて簡単にファーストインプレをば。
Ⅰ マーチ・スカイブルー・ドリーム (矢藤 学)
朝日賞受賞マーチにして、我々日曜作曲家の夢と希望が詰まった作品です。
以前に話題にした「某ブログの人」で(さすがに現在は一時的に閉鎖されてますが…)、
2011年のライブリー以来、5年ぶりにマーチが朝日賞獲りました。
まあ、「ラメセスⅡ世」や「ウィナーズ」のようなマーチでないと、
「なんでこんな普通の課題曲マーチみたいなんが朝日賞なの?」と噛みつくような人には
僻みも含めて色々言われそうではありますが、
近年のいわゆる「課題曲マーチ」の中では、比較的上質で安定してると思います。
いわゆる歌モノ系のメロディーラインではありますが、旋律の作り方にもセンスを感じます。
特にTrioまでのAメロの旋律は、「ああ~あの人の曲だ~」と感じさせてくれます。
ニコニコでMIDI音源でアップされてる音が聞こえてくるようです。
ただし、これまでこの人が落選するたびにニコニコにアップしてた曲たちと同じく、
「なんでこの人は必ずこういう変なことをしたがるんだろう。良くも悪くも奇をてらい過ぎ」
的な印象を受ける部分は、少なからずありますね。
最後のラッパソロとかね(ちなみにこの作曲者はラッパ奏者です)。
特別難しいわけではないんだけど、こういう位置にくるソロはシチュエーション的に嫌ですね~。
(どうでもいいことですが、個人的に課題曲史上最難関ラッパソロは「斜影の遺跡」のラストのソロだと思います。
最後の最後にあんなエグイ譜面吹けるか。)
逆に、Trioに入る2小節間のブリッジは非常によい印象です。
別に特段おかしなことをしているわけではないのに、
今までに聴いたことのない展開の仕方をしているというか。
曲は全体的に非常にスッキリとした聴こえ方がしますね。
少なくとも悪い意味で濁ってるような箇所は感じませんでした。
試聴でも聴けるAメロの4小節目4拍目のベースラインの音は、実は最初少し違和感があったのですが、
(ライブリーのTrioの例の音みたいな感じと言えばよいでしょうか)
もとより「間違ってる濁り方」には感じませんでしたし、
聴いてくうちにこの濁ったような音がいいアクセントになって
フレーズの終わりに向けて展開が変わるのを予感させてくれます。
Trio後のブリッジは、「またK点パターンだよ」と各所で言われまくるのが目に見えますね。
ま、ああいう手合いは、曲を聴く時に必要以上に粗探しレーダーを張り巡らしてるので、
いかに過去の曲と似てる部分を探せるかそればっかり必死で、
肝心の内容についてはホント目を向けようともしない。
困ったもんです。
で、どれくらいの団体に選ばれるかという予想ですが、
今年はこの曲が他の追随を許さず独走状態になると思ってます。
理由は、非マーチ曲が場面転換が多くて技術的にも難しいのと、
いずれの曲もこれまでの課題曲にはあまり見られなかった毛色の違うタイプの曲であるということです。
後述しますが、もう一つのマーチはクソの極みですし。
ただ今年はⅤがかなりみやすいので、高校の上位バンドは結構Ⅴを選んでくるかなーとは思います。
Ⅱ スペインの市場で (山本 雅一)
昨年の「プロヴァンスの風」に続き、2年連続スペインネタです。
ただしこの曲は、スペインチックな響きや情熱的な香りと言うよりは、
「異国の風景を描いた標題音楽」なので、
異国のかほりはすれど、激しくスペインスペインしてるわけではありません。
ハバネラの中間部も、「スペイン」というよりは「ヒスパニック」ですし。
課題曲Ⅲもそうですが、コロコロ場面が変わったり、
同じ場面でも突然ボルテージが上がったりするような箇所が多いので、
いかに静と動、陽と陰を使い分ける瞬発力を引き出せるかが非常に重要です。
どちらかというと技術的に難しい課題曲Ⅲに対して、
こちらはいかに聴き手に自分たちの描いた世界を感じさせられるかという、表現力が問われるタイプの曲ではないでしょうか。
ただし、リズムや拍子感にも結構クセがあるので、
慣れるまでは非常にやりづらいかもしれません。
どちらかというと日本人の苦手なタイプとでも言いましょうか。
というより、日本人は総じてリズム感の悪い人種と言われてるだけですが。
個人的には、この曲のタンバリン、カスタネット、シロホンの具合がとってもツボなのです。
一昨年久々に応募して1次落選した曲も、
6/8拍子に乗せてちょうどこんな感じのリズムをタンバリンやカスタネットに書いてたなぁと、
勝手に親近感。うまく使えばやっぱりいい組み合わせだなぁと。
ちなみにオレがこの組み合わせを好きになったルーツは、
まあだいたい予想着くかもしれませんが、2002年の「追想 ~ある遠い日の~」です。
この曲もボチボチ定期の課題曲枠で出してもいい頃合いでしょう。
それまで幅広い場面を見せてくれた曲にしては、最後が少しアッサリしすぎてるきらいはありますが、
結構密度の濃い4分半のように感じてます。
課題曲Ⅲよりは全然選ばれるだろうなぁと感じます。
Ⅲ ある英雄の記憶 ~「虹の国と氷の国」より (西村 友)
この曲は、とある幼稚園で園児たちが「自分たちでおはなしをつくりたい」となり、
結果出来上がった劇に対して、
「せっかくこんないいオリジナルの劇なんだから、既存の音楽をつけるのでは勿体ない」
と、この作曲者が付随音楽として作った30曲ほどの短い曲や、3分ほどの序曲を
4分ちょいの吹奏楽版に書き直した作品、とのこと。
これまでになかったようないきさつで書かれた曲で、否が応にも期待が高まります。
音楽としては、その制作経緯から想像できる通りの「モロ劇伴チック」な曲です。
そして、この手の曲の宿命とも言えますが、
金管に実力のあるバンドにピッタリの華々しく荘厳さも感じられる曲になってます。
冒頭をはじめ、ファンファーレチックなフレーズが色々出てきます。
逆に言うと、金管にあまり自信のないバンドがこの曲を選んでしまうと、
この曲の良さを半分も引き出せないまま、曲に対する負の感情だけが残る結果が待っているでしょう。
このタイプの映画音楽っぽい曲だと、どうしても「ディズニー系」か「ジブリ系」かを考えてしまいます。
あんまりなんでもかんでもカテゴライズするのもいいことではないのですが、
序盤は完全にジブリとは毛色が違う、どちらかと言えばディズニー、
でも中盤部はジブリっぽい。ように感じました。
忘れてはならないのは、この曲は低音群が非常にカッコいいです。
開始すぐのベース楽器による旋律や、
何か所か出てくるトロンボーンを中心とした堂々たる英雄の登場を思わせるフレーズは、
勇壮な雰囲気にあふれて、有無を言わせぬ魅力があります。
曲の特性上仕方ないのですが、
次への展開を匂わせるコードや動機の登場もなく、突然場面がコロッと変わる箇所が多いので、
Ⅱと同じく、メリハリですね。瞬発力。
あと、これもⅡと同じくですが、この曲も打楽器が非常に重要な役割を担っています。
もともと打楽器は劇伴みたいな、場面の効果を効果的に演出するような音楽において最も真価を発揮する(とおれは思っている)ので、
この曲が見せる堂々かつ淡々としたスネアや、不穏なムードをあおるトムトム、
そして空気を一変させるティンパニなど、
うーん、映画音楽やゲーム音楽といった分野が好きな人にはたまらないだろうなと思います。
反対に、「劇伴チック」というだけで色眼鏡を掛けてしまうような人には、
「音楽が並列的で内容がない。薄っぺらい曲」という印象を抱かせるかもしれません。
バックの伴奏や「キメ」の部分を中心に、
3連符単位の刻みで進んでいく曲なだけに、
強拍や拍感がずれたような箇所が押し寄せてくる箇所がかなり嫌らしいです。
「サラバンドみたいな感じ」といえば近いところを想像してもらえるかと。
高音から低音まで満遍なく活躍し、かつ様々な要素が立体的に緻密に構成されているので、
同じ箇所で聴かせるべきパートと引っ込むべきパートを細かく詰めていかないと、
ゴチャゴチャして最後まで強奏ばかりで終わってなんだかよくわからなかった、となるでしょう。
かつラストに向けてエネルギーの持続が相当要求されるので、必要なスタミナも相当なもんでしょう。
聴くにはよいですが、技術的にかなり難しいので、
今年はこの曲が一番少なそうな予感です。
Ⅳ マーチ「クローバー グラウンド」 (鹿島 康奨)
以下、過激な表現があります。これを見ての不快になったなどの苦情等はご遠慮ください。
アブナイ方は回れ右してお帰りください。
一旦受賞して課題曲Ⅳに選ばれてた渡部哲哉氏(てつやん)が、
「他の曲と酷似している箇所がある」という申し出をして、会議の結果受賞取り消し、
代わりにこの曲が選ばれた、という経緯のある曲。
恐らくてつやんの曲も、今聴くとそんな取り消しになるほどではなかったのではないか、
という気もしますが、
当時は佐野氏のエンブレム問題が世間を賑わせていた時分だっただけに、
この選択も致し方なかったのかなと。
ただ、代わりに選ばれたこの曲のTrioまでの主たる旋律が、
てつやんの「風の音に乗って」というマーチの旋律とあまりにもあまりにも酷似していたとは……
てつやんの心中を察すると、やり切れないだろうし悔しいだろうし、
加えてオレがてつやんの立場なら、この鹿島って男を殴り倒してやりたくなりますね。
「風の音に乗って」というのは、最初は2004年の朝日賞(つまり2005年の課題曲選考)に応募した曲で、
落選してこんどは何回目だったかの「響宴」に応募して採用された、という曲です。
誰でも知ってるとは言わないですが、CDのシリーズとしては1、2を争うくらいメジャーな「響宴」に採用されてることもあって、
比較的曲を知ってるような吹奏楽関係者なら、「知らなかった」では済まない程度の曲だとは思います。
増してや、アマチュアなのに作曲を趣味にしてるようなマニアならなおさら。
それで、この曲の酷似具合というのがまたすごいもんで、
4小節とかではありません。8小節、つまり一つの大きなフレーズのほとんどの音列が
もうモロに「風の音に乗って」なのです。
何だったら、この曲を知ってて、完全に一致するのを防ぐために
ワザと不自然な音の飛び方をさせて誤魔化してるような印象を受ける箇所さえあります。
つまり、パクリ云々を除いた絶対的な評価をした場合でも、
この曲は旋律がスッと入ってこない、そしてその入ってこなさの要因が、
構造が入り組みすぎてしっかりアナリーゼしてない状況では理解不能、というものでは当然なく、
単にセンスがない、或いは進行、展開のさせ方がまるでなってないのです。
Trioに入ってすぐ、聴くのが1回目だというのにもう飽きてる自分がいました。
ホントに、ただ適当に音を並べただけ。何も面白さや工夫を感じさせない奇跡的なクソさ。
こんなのが採用どころか、よく本選に進めたなぁと感じざるを得ません。
で、極めつけはTrio明けブリッジの後、
今度は完全に「マーチ・グリーン・フォレスト」の展開そのもの。
テンポが緩んで、高音木管がTrioの旋律を大らかに歌い上げ、
ラッパとスネアが基数拍は4分音符、偶数拍で8分3連で刻み、
偶数小節目の3、4拍目で8分4つというパターン。
こちらは絶対に気づくレベルです。
もうここまで厚顔無恥に無知を塗り固められると逆にあっぱれですね。
てつやんの辞退の直後だけに、オレだったらたとえ念願の採用でも
この曲だったら辞退させてもらいます。
そこまでして採用されたいなんて思わない。
もうこの曲に関しては、1分試聴の段階で怒り心頭だったのですが、
まさか最後に二段構えで待ち受けているとは予想しておりませんでした。
仮にも作編曲を趣味でやってるオレとしては、個人的にこの作曲者は本当に許せませんし、
軽蔑さえするレベルです。
単純に曲の出来でずっとやいやい言われてた「南風のマーチ」なんかが、
もうほんとにかわいく見えるレベルです。
とにかくこんな曲に関しては、全く語りたくありません。
不快になるだけです。
演奏時間的にもⅠより長いですし、
それを差し引いても簡単というワケでもなく、ラッパも結構キツイですし、
審査員の目先を変えたい、以外でこの曲を選ぶ理由があるとは思えません。
曲の出来不出来以前にも、史上最大の駄作、課題曲史の汚点です。
Ⅴ 焔 (島田 尚美)
すみません…体調が限界なのでこの曲については省略させてください。
非常に理解はしやすい曲だとは思います。
課題曲Ⅳを除いた4曲を見たとき、総合的には少なくとも2010年代では最も充実してると思います。
非マーチの曲も、「即座にわかる3部構成」というわけではなく、
練習し応えのある曲ですし、「同じことの繰り返しで4分の内容を感じなかった」ということも感じない印象です。
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プロフィール
HN:
根魚
年齢:
35
性別:
男性
誕生日:
1989/09/16
職業:
臨時職員
趣味:
作曲・編曲、釣り、ラーメン屋巡り
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